新規事業フレームワークとは
このページでは、新規事業に使える69種類のテンプレートを公開しています。PowerPoint形式でダウンロードし、編集して使えます。顧客課題の探索からPoCまで、各段階の問い・使い方・通過判定基準とあわせて、自分の事業に必要な型を選べます。
新規事業のフレームワークとは、考えるべき項目と順番をあらかじめ型にしたものです。抜け漏れを減らし、事業を作る人と判断する人が、同じ前提で話すために使います。
テンプレートを埋めても、事業は前に進まない
この下に、新規事業の各段階で答える問いと、テンプレートの欄・埋め方をすべて載せています。隠すものはありません。
正直に言えば、テンプレートの穴埋めそのものに価値はありません。いまは LLM に事業の前提を渡せば、ここにある欄には数分で、それらしい文章が埋まります。きれいに埋まった資料の山は、事業を一歩も前に進めません。
新規事業で時間とお金を使うべきなのは、説明のための資料ではなく、顧客の前に出せる動くものです。ARCHECO は、社内向けの説明のための作業を最小にして、動くプロダクトをいち早く作り、顧客の反応で次を決めます。
テンプレートを埋める作業に、お金を払う必要はありません。動くものを作り、確かめ、事業を前に進めることに価値を感じて欲しいので私たちは全て公開しています。報酬を事業の成果に連動させる契約(プロフィットシェア)も選べます。
新規事業支援(仮説設計・MVP開発・市場検証)の内容を見る →
ステージゲート法とは
ステージゲート法とは、新規事業を「調べる・確かめる・作る」の段階に分け、段階の終わりごとに置いた関門(ゲート)で、次の段階に進めるかを判定する進め方です。1回の大きな投資判断ではなく、小さな判断を何度も重ねることで、外れたときの損を小さくします。
フレームワークは「何を考えるか」を整理する型、ステージゲートは「どの事実をもとに次へ進むか」を決める進め方です。このページでは、各段階の問いに必要な型を組み合わせて使います。
使う前に、3つのことを決める
いま何を決めたいのか、どの段階にいるのか、誰が判断するのか。最初にこの3つを揃えます。すべての型を順番に埋める必要はありません。まだ確かめていない仮説を1つ選び、どんな結果なら進めるか・見直すかを、調査や試作の前に決めておきます。
最終更新 2026-10-07
CPF(顧客と課題)を確かめる
誰のどの課題を解くかを定め、実際の出来事からその存在と深刻さを確かめます。市場と自社の事情も照合し、解決の方向性を示します。
各手順の分数は目安です。調査や面談の時間は含みません。
「誰の、どんな場面の、どんな困りごとか」を事実で固める段階です。解決策の具体的な作り方やビジネスモデルは、まだ要りません。n=1(1件の事実による確認)でも、課題が実在する事実を添えることが求められます。
顧客と課題を定義する:誰の、どの場面の困りごとか
対象が曖昧なままでは、異なる人の要望が一つの課題として混ざります。まず主な利用者を、役割・市場・具体的な場面まで絞ります。
どう答えをつくるか 直近に困った出来事を一件選び、誰が、いつ、どの作業で、何に困ったかを記述します。顧客の言葉とチームの解釈を分け、JTBDではその場面で成し遂げたいことを確かめます。
何を根拠に、どこまで答えるか 顧客属性だけでなく、場面、現在の行動、不足している結果が説明できること。市場の説明も別に残します。
陥りやすい間違い 「中小企業」「忙しい人」のような広い対象や、「AIを使いたい」のような解決策の希望だけで課題を決めない。
顧客・市場・場面・不満・不便の定義
CPF-01 の手を動かす順序
用意するもの:直近の顧客の出来事1件のメモ(日時・相手の役割・本人の言葉・観察した行動)/現在の対処が分かる資料1件と出所。未取得なら未確認と書く/記入先(紙や表計算など)。顧客名・機密は伏せる
- 5分:主な利用者・支払者・決裁者を分け、企業/生活者、地域・業種・用途で対象市場を書く。市場規模の推計はまだ不要。
- 10分:いつ・どこで何が起き、現在の手段のどこで止まるかを時系列にする。
- 10分:望む結果と今できないことを対で書き、今回含む/除く対象を決める。「未充足」は現在の対処でも得られない結果を指す。
- 5分:観察・本人の発言・自分の解釈に印を付け、反例と未確認を残す。対象+場面+妨げ+望む状態の一文にする。
ここまでできたら:対象・場面・未充足が特定され、証拠と未確認が区別された課題仮説。
止めて確かめる条件:具体的な出来事がなく、業界全体の印象か機能の要望だけなら面談へ戻る。
結果をどう説明するか 架空:担当者不在時に根拠資料が見つからず、見積回答が止まる。
事業案全体を仮置きしたい場合はリーンキャンバスの位置づけを確認してください。課題が未検証でも仮に描けますが、空欄を憶測で埋める必要はありません。
この工程で考えること 状況から課題を組み立てる
直近の出来事を1件ずつ。誰が、何を進めたい時、何に妨げられたかを書く。市場名と生活・業務場面を分ける。
顧客・市場・課題の境界
含める対象と除く対象を対で書く。例:同じ業種でも課題発生がない企業は対象外。
前後の工程とのつながり 受け取る:顧客の具体的な出来事と事業の仮説。
渡す:CPF-02、CPF-03、CPF-04、CPF-05、CPF-06、CPF-07、CPF-08、CPF-09、CPF-10、VPF-04。
CPF-01 で答える問い・確認事項
この工程で答える問いと、確かめる事項です。
課題仮説・顧客発見・検証工程
解くべき課題仮説の説明
プライマリーターゲット
主対象と課題の定義のテンプレートの欄
- 主対象
- 困る場面
- 望む進歩
- 課題仮説
主対象と課題の定義の埋め方
- Step1 企業/生活者、利用者・支払者・決裁者を分ける。
- Step2 顧客が属する市場と、取引・業務の範囲を書く。
- Step3 直近の一件を、きっかけ・行動・結果の順に書く。
- Step4 達成したいことと、それを妨げる未充足を対で書く。
- Step5 発言・行動・資料の所在と、反対の事実を残す。
- Step6 対象・場面・進めたいこと・妨げを一文で結ぶ。
問いの要点:主な対象と課題
- ターゲットと、ターゲットが直面している課題は明確か
- ターゲットが関わるのはどの市場か
- 課題は、どんな場面・業務プロセスで起きる、どんな不満・未充足なニーズか
顧客インタビューJTBD
課題発見の優位性:なぜ自分たちが気づけたのか
同じ問題に気づいている競合が多い場合、発見したという事実だけでは優位性になりません。独自の接点や経験が、他者より深い理解につながっているかを問います。
どう答えをつくるか 現場での経験、継続して接触できる顧客、利用できるデータなどを挙げ、どの事実を発見できたかと結びます。VRIOは、その資源が実際に使えるかを深めるときに使います。
何を根拠に、どこまで答えるか 優位だと考える理由と、それを裏付ける接点・記録・比較対象を残します。独自性が確認できない場合も、その状態を明記します。
陥りやすい間違い 「競合がいない」「自分たちだけが知っている」を調査なしに断定しない。
独自に気づけた理由と根拠
CPF-02 の手を動かす順序
用意するもの:自社の人・技術・知識・接点・設備・資金の一覧/利用許可・実績・契約の確認資料
- 10分:個人の資産と会社の資産を分け、誰が使う権限を持つかを書く。
- 15分:顧客課題に役立つ資産についてV価値・R希少性・I模倣性・O活用体制の根拠を記す。
- 10分:ある/ない/未確認を分け、使えない資産と不足を明示する。
- 5分:最初の提供に使う資産と確認担当を選ぶ。
ここまでできたら:顧客課題との関係と利用条件が分かる資産一覧。VRIOは合計点にしない。
止めて確かめる条件:保有していても使用権限や課題への寄与が未確認なら強みと確定しない。
結果をどう説明するか 架空:検索経験は使えるが顧客資料は別途許可が必要。
この工程で考えること 競合と観測機会を比べる
自分たちがアクセスできる事実と、競合でも取得できる情報を比較する。希少性は競合名と根拠まで。
前後の工程とのつながり 受け取る:CPF-01。
渡す:CPF-15、VPF-05。
出典: Barney / Hesterly, Pearson — Strategic Management and Competitive Advantage
CPF-02 で答える問い・確認事項
この工程で答える問いと、確かめる事項です。
課題発見の優位性
VRIO分析のテンプレートの欄
- 対象資産
- V|価値があるか
- R|希少か
- I|模倣が難しいか
- O|組織で活用できるか
VRIO分析の埋め方
- Step1 自分たちだけが気づけた有利な状況の有無と根拠。
- Step2 8カテゴリから選び、現在使える資産を一つずつ。
- Step3 選んだ資産を、どの機会にどう使うか説明する。
- Step4 機会への適応・脅威への対処に資産が寄与する理由。
- Step5 同じ資産・代替資源を持つ競合の数と調査範囲。
- Step6 競合が再現・代替する時間、費用、必要な関係。
- Step7 権限・担当・時間・更新・承認の運用を具体化。
- Step8 V・R・I・Oの根拠から、主張できる優位の範囲。
問いの要点:課題に気づけた理由
- この課題に、自分たちのチームだけが気づけている有利な状況はあるか。あるならその根拠は
VRIO
原体験を整理する:課題に取り組む動機は何か
原体験は、困難があっても取り組む理由を明らかにします。一方、自分の経験だけで顧客全体の需要を証明することはできません。
どう答えをつくるか WCSのWANTにつながる実際の出来事を、時期・立場・困ったこと・変えたいと感じた理由の順に記します。チーム内で動機の違いも共有します。
何を根拠に、どこまで答えるか 取り組むに至った出来事と現在の動機を分けて説明し、後のWCS分析へ渡します。
陥りやすい間違い 強い思いを、顧客が買う根拠や課題の市場規模に置き換えない。
取り組むに至った原体験
CPF-03 の手を動かす順序
用意するもの:各メンバーの原体験メモ/出来事を確かめる記録
- 10分:いつ誰に何が起きたかを直接経験/伝聞に分けて書く。
- 10分:見た不利益と変えたい状態を結び、個人の動機を明示する。
- 10分:メンバー間の共通点と違い、継続できる投入範囲を並べる。
- 5分:動機の要約と顧客へ確認すべき仮説を分ける。
ここまでできたら:原体験・動機・継続条件がつながり、顧客課題の証明と混同していない。
止めて確かめる条件:創業者の経験だけで市場に需要があると結論しない。
結果をどう説明するか 架空:確認相手が不在で回答できなかった経験から、根拠を引き継ぐ支援を考える。
この工程で考えること 原体験と継続する動機
メンバーごとに実際の出来事を書く。誰がいつ何を経験し、どの課題に取り組む決意につながったか。
前後の工程とのつながり 受け取る:CPF-01。
渡す:CPF-15、VPF-06。
CPF-03 で答える問い・確認事項
この工程で答える問いと、確かめる事項です。
課題に対するモチベーション
原体験と取り組む動機のテンプレートの欄
- 原体験
- 生じた不利益
- 望む変化
- 継続の条件
原体験と取り組む動機の埋め方
- Step1 メンバーが経験した日時・役割・出来事を書く。
- Step2 顧客・現場が被った不利益と、その記録を書く。
- Step3 出来事から生まれた問題意識と望む変化を書く。
- Step4 各メンバーの経験の有無と、関心の違いを記す。
- Step5 取り組み続ける理由と、使える時間・資源を記す。
- Step6 原体験と動機をWANTへ、顧客確認の宿題を別に渡す。
問いの要点:課題に取り組む動機
- 課題とチームの結びつき(原体験)はあるか
WANT・CAN・SHOULD
セカンダリーターゲット:協力する側にも価値があるか
利用者が喜んでも、販売者・提携先・運用担当に負担しかなければサービスは成立しません。主対象とは別に、関わる人の課題を定義します。
どう答えをつくるか 提携先やその他のステークホルダーごとに、対象、市場、課題が起きる場面、不足している結果を記述します。誰を含めないかも理由とともに整理します。
何を根拠に、どこまで答えるか 主対象と副対象を区別した課題定義。協力してほしいという希望ではなく、相手側の事情を示します。
陥りやすい間違い 主対象の課題をそのまま相手に当てはめたり、協力者が利益を得る仕組みを後回しにしない。
パートナー等の市場・場面・課題
CPF-04 の手を動かす順序
用意するもの:主対象の課題仮説/関係者名と役割が分かる資料
- 10分:主対象の周囲に提供・販売・運営・支払者を置く。
- 10分:各相手の市場、困る場面、評価条件を書く。
- 15分:誰から誰へ何が渡るかを有向線で描き、対価と情報を分ける。
- 5分:確認済み・未合意を区別し、次に会う相手と質問を決める。
ここまでできたら:価値と対価の往復、相手の課題、未合意の関係が一枚で説明できる。
止めて確かめる条件:相手の利益や参加理由が説明できない線は合意済み扱いにしない。
結果をどう説明するか 架空:資料提供者は権限遵守を条件に根拠資料を渡す。
この工程で考えること 顧客以外の関係者の課題
提供者、販売者、運営者などを分ける。相手の市場、困る場面、協力で得る価値を整理する。
前後の工程とのつながり 受け取る:CPF-01。
渡す:VPF-03、PSF-01。
CPF-04 で答える問い・確認事項
この工程で答える問いと、確かめる事項です。
セカンダリーターゲット (アライアンス/パートナー/その他ステークホルダーが関わる場合)
ステークホルダーマップのテンプレートの欄
- 提供パートナー
- 販売・紹介先
- 利用者
- 運営者
- 支払者・決裁者
ステークホルダーマップの埋め方
- Step1 パートナー等の企業・個人と、関与する役割を書く。
- Step2 相手が活動する市場、顧客、収益の仕組みを書く。
- Step3 相手の工程と、そこで生じる不満・不便・未充足を書く。
- Step4 相手から得るものと、相手に返す価値を矢印で結ぶ。
- Step5 既存関係、連絡先、未合意の条件、根拠を記す。
- Step6 相手の課題を確かめる質問と、次の工程への情報を記す。
問いの要点:副対象(協力者・関係者)の課題
- 提携先・パートナーなど、主対象以外の関係者と、その課題は明確か
ステークホルダーマップ
インサイトを見つける:思い込みと実態の差は何か
調査の価値は発言を集めるだけではありません。解決が難しいと思われていた理由や、表面の要望と実際の行動のずれを説明します。
どう答えをつくるか 従来の認識、観察・聞き取りで確認した事実、新しい解釈を三つに分けます。解釈に合わない行動や別の説明も残します。
何を根拠に、どこまで答えるか 何が誤認識で、実際にはどうなっているかを根拠付きで示します。調査で分かっていない部分は仮説とします。
陥りやすい間違い 意外な発言やキャッチコピーを、そのままインサイトと呼ばない。
誤認識と調査で分かった実態
CPF-05 の手を動かす順序
用意するもの:従来の理解を一文にしたメモ/調査の発言・観測・資料
- 5分:誰が何を当然と思っていたかを書く。
- 10分:実際に観測したことを証拠付きで並べ、解釈を別欄にする。
- 10分:従来の理解との違いと、少なくとも二つの説明を比較する。
- 10分:説明を区別する観測と、言える範囲を決めて課題仮説を更新する。
ここまでできたら:理解が変わった根拠と代替説明、適用範囲が説明できる。
止めて確かめる条件:意外な発言1件を全顧客のインサイトに一般化しない。
結果をどう説明するか 架空:検索速度より条件の根拠確認が重要かもしれない。
この工程で考えること 思い込みを反証する
よくある理解と実際の観測を対で置く。別の説明も挙げ、次に見分ける観測を決める。
前後の工程とのつながり 受け取る:CPF-01。
渡す:CPF-06、CPF-08。
出典: Stanford d.school — The Wallet Project & Gift-Giving Project
CPF-05 で答える問い・確認事項
この工程で答える問いと、確かめる事項です。
課題仮説の深掘り
インサイト
観測からインサイトを考えるのテンプレートの欄
- 新しい解釈
- 従来の理解
- 矛盾する観測
- 別の説明
観測からインサイトを考えるの埋め方
- Step1 実現困難とされることを含め、一般的な認識を書く。
- Step2 対象、方法、日時、観測・発言を分けて書く。
- Step3 以前は何と考え、実際は何が違ったかを対にする。
- Step4 同じ事実を説明する別の理由と、反例を書く。
- Step5 成立する対象・場面と、未確認の範囲を書く。
- Step6 変えた課題仮説と、CPF-06で検討する条件を書く。
問いの要点:インサイト
- 「実現は難しい」と思い込まれがちだが、調べてみると実態が違った点はあるか
顧客調査
解決方向性を考える:課題を解消できる可能性はあるか
CPFでも、課題を解く方向が全くなければ次の検討を設計できません。ただし、この時点で具体的な製品仕様まで固定する必要はありません。
どう答えをつくるか どの状態が変われば課題が軽くなるかを複数案で考えます。実現性を支える既存技術・事例・協力条件と、最も難しい点を分けます。
何を根拠に、どこまで答えるか 解決の方向性、実現できると考える根拠、最大の困難。以後の検証で何を確かめるかが分かる状態にします。
陥りやすい間違い 思いついた一つの機能を前提に、都合のよい課題へ書き換えない。
実現性の根拠と最大の困難
CPF-06 の手を動かす順序
用意するもの:課題仮説と観測記録/既存手段・運用・開発の候補
- 10分:解消したと言える状態を観測可能な言葉で定義する。
- 10分:その状態に必要な要件を選び、不要・保留を分ける。
- 15分:人の運用・既存手段・新規開発を同じ要件で比較する。
- 10分:根拠・最大の困難・最小の検証を添えて方向性を選ぶ。
ここまでできたら:採用案が満たす要件と、未確認の実現条件が分かる。
止めて確かめる条件:技術が作れるという理由だけで顧客課題が解消すると判断しない。
結果をどう説明するか 架空:新規AI開発の前に、根拠リンク一覧による人の確認運用を比較する。
この工程で考えること 機能名から離れて解決条件を出す
課題が解消したといえる条件を先に置き、異なる実現方法を3案並べる。最も難しい前提を比較する。
前後の工程とのつながり 受け取る:CPF-01、CPF-05。
渡す:CPF-07、PSF-02。
出典: Stanford d.school — The Wallet Project & Gift-Giving Project
CPF-06 で答える問い・確認事項
この工程で答える問いと、確かめる事項です。
課題仮説解決の実現性
解決条件と実現可能性のテンプレートの欄
- 人の運用
- 既存手段
- 新規開発
- 顧客の必須条件
- 必要資源
- 最大の困難
- 検証すること
解決条件と実現可能性の埋め方
- Step1 課題が減ったと判断できる利用者の状態を書く。
- Step2 解消に欠かせない要件と、その理由を列挙する。
- Step3 人の運用・既存手段・新規開発の案を比較する。
- Step4 類似事例、試験、利用可能な資源と適用限界を書く。
- Step5 実現を阻む最大の条件と、選定理由を書く。
- Step6 採用する方向、残す代替案、次の確認を記す。
問いの要点:課題を解消できる見込み
- どんな解決策が実現できれば、この課題は解消できそうか
- 解消できると考える根拠と、いちばんの困難は何か
解決の方向性の幅出し
課題とKGIをつなぐ:解決すると顧客の何が変わるか
便利な機能を作ることと、顧客が達成したい成果に貢献することは別です。課題の解消が利用者のKGI(最終的に達成したい成果の指標)に届く仕組みを整理します。
どう答えをつくるか 対象、課題、解決の方向、行動や状態の変化、最終成果を矢印でつなぎます。矢印ごとに、既知の関係か未検証の仮説かを示します。
何を根拠に、どこまで答えるか 関係を簡潔に図示し、解決策が利用者の成果へどう寄与するか説明します。
陥りやすい間違い この図を売上構造の図やサービス全体図に置き換えない。ここで確認するのは課題解消の因果です。
対象・課題・解決方向・KGIへの寄与
CPF-07 の手を動かす順序
用意するもの:具体的な課題と証拠/解決方向の候補
- 10分:課題を根に原因候補を複数の枝へ分け、根拠を添える。
- 10分:原因の枝ごとに介入候補を置く。分類線と因果の矢印を区別する。
- 10分:介入→利用者の行動変化→利用者KGIを結ぶ。KGIの単位・期間・現状を記す。
- 10分:弱い矢印の成立条件と反証を選び、観測することを決める。
ここまでできたら:原因の分岐と、選んだ介入が成果へ届く因果仮説が説明できる。
止めて確かめる条件:原因候補を一つに決め打ちしたり、売上だけを利用者KGIにしない。
結果をどう説明するか 架空:根拠を提示→本人が条件差を確認→回答待ち時間が減る、を検証する。
この工程で考えること 因果図を左からつなぐ
各列は因果の順序。矢印の成立条件と反証を下段へ。利用者KGIは、利用者の成果の指標・単位・期間。
前後の工程とのつながり 受け取る:CPF-01、CPF-06。
渡す:CPF-08、VPF-01。
CPF-07 で答える問い・確認事項
この工程で答える問いと、確かめる事項です。
課題仮説とターゲットとソリューションを図示
顧客課題のロジックツリーのテンプレートの欄
- 原因候補A
- 顧客の課題
- 選択する介入
- 変わる行動
- 利用者の成果
- 原因候補B
- 原因候補C
- 成立条件・反証
顧客課題のロジックツリーの埋め方
- Step1 CPF-01から対象者・場面・課題を短く転記する。
- Step2 課題を生む原因を複数出し、根拠の有無を示す。
- Step3 どの原因へ何を働きかけるかを矢印で結ぶ。
- Step4 解決方向が利用者の行動をどう変えるかを書く。
- Step5 利用者の成果指標を、単位・期間とともに置く。
- Step6 因果図の弱い矢印と、それを反証する観測を書く。
問いの要点:課題から成果(KGI)への因果
- 対象の課題・解決の方向性・それが利用者の KGI にどう効くかを、簡潔に図で示せるか(ビジネスモデル図ではない)
因果の図解
課題仮説を一次検証する:存在を示すFACTは何か
チームの納得だけでは、顧客にその課題があるとは言えません。ヒアリング、観察、文献などから、課題を設定した根拠を集めます。
どう答えをつくるか 誰から・いつ・どう得た情報かを付けて記録します。実際の発言や観測と解釈を分け、課題の存在につながる箇所を示します。
何を根拠に、どこまで答えるか この段階では、1件の事実からの確認で足ります。一件で存在を捉えることと、市場全体へ一般化できることを区別して報告します。
陥りやすい間違い この段階でビジネスモデルの完成を求めたり、肯定的な感想だけを課題の証明にしない。
課題存在のFACTと仮説設定の根拠
CPF-08 の手を動かす順序
用意するもの:課題仮説と反証条件/対象者の経験条件/同意範囲を確認する説明と記録手段
- 10分:何を確かめるか、なぜその人かを決め、誘導しない開始質問を用意する。
- 20分:直近の出来事を聞き、実際の行動・対処・時間・頻度を追う。
- 10分:困らなかった時との違いを聞き、資料や記録で確認できる範囲を確かめる。
- 10分:発言/観測/解釈を分け、FACTの所在・対象数・限界・同意範囲を記録する。
- 5分:確認できた課題、取り組む理由、残る未確認を文章にする。
ここまでできたら:課題の判断を支えるFACTへ戻れ、反例と限界が残っている。
止めて確かめる条件:欲しいですかという賛同質問だけ、または記録の同意がない場合は証拠として扱わない。
結果をどう説明するか 架空:先週最後に回答が止まった時の行動と、止まらなかった案件を比較する。
この工程で考えること 問いと観測の対応
最後に困った出来事、実際の行動、支出、回避策を聞く。事前に何が観測されれば仮説を修正するか決める。
前後の工程とのつながり 受け取る:CPF-01、CPF-05、CPF-07。
渡す:CPF-09、CPF-10、CPF-11、CPF-12、PSF-03。
出典: Strategyzer — Learning Card / Test Card
出典: Stanford d.school — The Wallet Project & Gift-Giving Project
CPF-08 で答える問い・確認事項
この工程で答える問いと、確かめる事項です。
課題仮説の一次検証
ヒアリングまたは、フィールド調査、文献などによりFACTを収集する。
課題発見のヒアリングのテンプレートの欄
- 出来事
- 実際の対処
- 結果と残る課題
- 困らなかった場面
- 言える範囲
課題発見のヒアリングの埋め方
- Step1 課題仮説、設定理由、経験者の条件を記す。
- Step2 最後に困った日時・場面・前後の行動を聞く。
- Step3 使った手段、時間・支出・頻度、放置の結果を聞く。
- Step4 同じ状況で困らなかった例と、その違いを聞く。
- Step5 発言、観測、資料を区別し、所在と範囲を残す。
- Step6 存在の裏付け、重要な理由、残る疑問を短くまとめる。
問いの要点:課題仮説の一次検証
- 課題の存在を示す事実(関係部署へのヒアリング、現場での気づき、生活者・企業の声。n=1 でよい)はあるか
- なぜその課題仮説を置いたのか、根拠は何か
ヒアリングシート顧客インタビュー
顧客セグメントを整理する:どの人・企業に共通する課題か
誰に次の調査を依頼すればよいかを明確にするため、課題を持つ人の特徴を整理します。属性の細かさより、課題や行動との関係が重要です。
どう答えをつくるか 地域、人口・企業属性、価値観や戦略、既存サービスの利用行動を分けて記入します。観察済みの特徴と、今後確かめたい条件を区別します。
何を根拠に、どこまで答えるか 四つの変数で対象を説明し、該当者を探せる条件にします。企業と生活者では適切な項目を選びます。
陥りやすい間違い 根拠のない人物像を細かく創作したり、年代だけで同じ課題を持つと決めない。
地域・属性・心理・行動の各変数
CPF-09 の手を動かす順序
用意するもの:課題経験者の記録/企業/生活者の対象情報
- 10分:課題が起きる経験条件と、含める/除く条件を書く。
- 10分:地域と属性を選ぶ。生活者は年齢・性別・世帯・年収・職業、企業は業種・従業員規模・年商を必要性で判別する。
- 10分:生活者の価値観・生活・趣味嗜好、企業の志向性・経営戦略・ビジョンを行動と照合する。
- 10分:利用サービス・利用期間・代替行動を加え、比較すべき境界を決める。
ここまでできたら:属性一覧ではなく課題の起こり方を説明する対象条件が定まる。
止めて確かめる条件:想像だけの人物設定で、課題との関係を説明できない属性は採用しない。
結果をどう説明するか 架空:設備保守全体ではなく、担当者不在時に例外見積を扱う人へ絞る。
この工程で考えること 4つの変数と発生条件
各変数を、課題の発生に関係する理由とセットにする。企業か生活者かを先に選ぶ。
前後の工程とのつながり 受け取る:CPF-01、CPF-08。
渡す:CPF-10、CPF-14。
CPF-09 で答える問い・確認事項
この工程で答える問いと、確かめる事項です。
優先する顧客セグメントのテンプレートの欄
- 地域の条件
- 対象の属性条件
- 課題経験者
- 優先する対象
- 価値観・戦略の条件
- 実際の対処
優先する顧客セグメントの埋め方
- Step1 課題の経験を条件に、企業/生活者のどちらかを選ぶ。
- Step2 居住地域/企業の所在地域と、課題への関係を書く。
- Step3 生活者の年齢等、企業の業種・従業員・年商を記す。
- Step4 生活者の価値観・生活・趣味、企業の志向・戦略を記す。
- Step5 既存サービスの利用履歴と、対処の行動を記す。
- Step6 セグメントごとに課題の違いと次の比較を記す。
ASISの体験を可視化する:いつ、どこで不が起きるか
課題は一つの瞬間だけでなく、前後の行動や感情の連なりから発生します。既存の体験を見ないまま接点を増やしても、原因に届かないことがあります。
どう答えをつくるか 現状(AS-IS) CJMや業務プロセスで、きっかけから結果までを並べます。各場面の行動・感情・接点を記し、不満・不便が発生する場所を特定します。
何を根拠に、どこまで答えるか 行動と感情の推移、およびリアル・デジタルの該当タッチポイントを図示します。
陥りやすい間違い 理想の体験を現在の体験として描かない。事実のない感情は仮説と表示します。
行動・感情・不満・不便が生じる接点
CPF-10 の手を動かす順序
用意するもの:一人の具体的な経験記録/接点と媒体が分かる資料
- 5分:対象と開始・終了の出来事を決める。
- 15分:きっかけ→探索→実行→確認→後処理を並べ、待ち・中断・戻りを描く。
- 10分:感情と理由を添え、本人の発言と推測を分ける。
- 10分:店頭・紙面/DM・電話などのリアル接点、自社HP・SNS・メルマガなどのデジタル接点へ不満・不便を対応させる。
- 5分:最優先の改善場面と、まだ知らない行動を選ぶ。
ここまでできたら:現状の行動・感情・接点・未充足が時間順に対応している。
止めて確かめる条件:理想の体験を現状図へ混ぜたり、感情を無根拠の点数で示さない。
結果をどう説明するか 架空:メール検索後の待ち時間に不安が集中する。
この工程で考えること 現状(AS-IS)の体験を時系列に置く
列を時間順に読む。現状の具体的な行動・感情・接点を各行に書き、不満・不便が発生する箇所へ根拠IDを付ける。
前後の工程とのつながり 受け取る:CPF-01、CPF-09、CPF-08。
渡す:CPF-11、CPF-13、PSF-07。
出典: Nielsen Norman Group — Service Blueprints: Definition
出典: Stanford d.school — The Wallet Project & Gift-Giving Project
CPF-10 で答える問い・確認事項
この工程で答える問いと、確かめる事項です。
現状のカスタマージャーニーのテンプレートの欄
- きっかけ
- 探索・相談
- 実行
- 結果の確認
- 後処理
現状のカスタマージャーニーの埋め方
- Step1 CPF-09の対象と、開始・終了する出来事を決める。
- Step2 実際の行動を動詞で、工程間の待ちも含めて並べる。
- Step3 各工程での感情と、その理由となる出来事を書く。
- Step4 不満・不便が生じる接点を、リアル/デジタルで具体化する。
- Step5 重要な不満・不便を、頻度・影響・証拠の確度で比較する。
- Step6 現状図の参照先と、変えるべき場面をまとめる。
問いの要点:いつ・どこで起きる課題か
- 企業・生活者の行動と感情の流れのどこで「不満・不便」が起きているか
- 不満・不便が起きている接点(店頭・電話・自社サイト・SNS など)はどこか
カスタマージャーニーマップ業務フロー
機能・情緒・社会の課題を分ける
時間短縮ができても不安が残る、操作できても周囲に使う姿を見せたくないなど、課題には異なる側面があります。価値を一つの機能に狭めないための整理です。
どう答えをつくるか 具体場面の事実を、機能的な支障、感情面の負担、他者や社会との関係の三つから読み直します。同じ発言に複数の側面がある場合は関連を示します。
何を根拠に、どこまで答えるか 機能的・情緒的・社会的課題をそれぞれ説明し、根拠のない欄は未確認とします。
陥りやすい間違い 三分類を埋めるためだけに、顧客が話していない不満を作らない。
機能的・情緒的・社会的課題
CPF-11 の手を動かす順序
用意するもの:同じ一件の出来事/本人の発言と行動記録
- 5分:対象と場面を固定する。
- 10分:機能的課題として達成できないことと時間・費用・手間を書く。
- 10分:情緒的課題は本人の言葉、社会的課題は関係する人と望む見られ方で記す。
- 10分:一側面を改善すると別の側面が悪化しないか比較し、優先する条件を選ぶ。
ここまでできたら:同一場面の三側面と両立条件が説明できる。
止めて確かめる条件:情緒や社会的課題を設計者の想像だけで確定しない。
結果をどう説明するか 架空:速く答えたい一方、根拠のない回答で信頼を失いたくない。
この工程で考えること 同じ出来事を三側面から見る
機能は達成したい用事、情緒は感じたい/避けたい感情、社会は周囲との関係や見られ方。
CPF-11 で答える問い・確認事項
この工程で答える問いと、確かめる事項です。
機能・情緒・社会の課題のテンプレートの欄
- 機能的な要求
- 同じ出来事
- 両立する条件
- 情緒的な要求
- 社会的な要求
機能・情緒・社会の課題の埋め方
- Step1 企業/生活者の具体的な困りごとを一つ選ぶ。
- Step2 待ち時間・高コスト・手間・使い勝手などを書く。
- Step3 不安・不満・戸惑い・怒り・悲しみと理由を書く。
- Step4 自己表現、孤立、周囲との関係や見られ方を書く。
- Step5 ある側面の改善が別の側面を悪くしないか比べる。
- Step6 優先する課題と根拠、価値の選択への示唆を書く。
問いの要点:どんな種類の課題か
- 機能的な課題(待ち時間・高コスト・手間)、情緒的な課題(不安・不満)、社会的な課題(孤立・自己表現できない)のどれか
JTBD
課題の深刻度を確かめる:顧客は放置できるか
困っているという言葉だけでは、解決を優先する度合いは分かりません。現在どの程度の損失や我慢を受け入れているかを確かめます。
どう答えをつくるか 代替手段の有無、実際に取っている対処、放置した結果を聞きます。この工程の三段階の深刻度のどれに当たるかをFACTとともに示します。
何を根拠に、どこまで答えるか 深刻度の判定と、その判定を支える行動・損失・代替への不満を残します。
陥りやすい間違い 解決すれば嬉しいという回答を、今すぐ費用を払う意思と同一視しない。
深刻度の選択と裏付けFACT
CPF-12 の手を動かす順序
用意するもの:対象課題のFACT/現状の代替手段と放置時の影響
- 5分:同じ対象・場面・課題について判断すると決める。
- 10分:「課題解決する手段は存在せず、課題を放置できない」の支持・否定FACTを並べる。
- 10分:「課題解決すれば嬉しい、別の手段で解決できるが不満」と「課題解決すれば嬉しいが、現状で我慢できる」も同じく比較する。
- 10分:この工程の三分類から選ぶか判断保留とし、理由・反証・再判断条件を記す。
ここまでできたら:この工程の三分類のどれを選んだか、または保留した理由がFACTで説明できる。
止めて確かめる条件:独自の点数に置換したり、証拠不足のまま最も深刻な分類を選ばない。
結果をどう説明するか 架空:電話で解決できるが待ちが長く不満、という仮説を事実で確かめる。
この工程で考えること 言葉より実際の対処で判断する
下の3段階はこの工程の分類。各段階を支持・否定する事実を比較して一つを選ぶ。
前後の工程とのつながり 受け取る:CPF-11、CPF-08。
渡す:CPF-13、VPF-02。
CPF-12 で答える問い・確認事項
この工程で答える問いと、確かめる事項です。
課題の深刻度
課題の深刻度のテンプレートの欄
- 手段がなく放置できない
- 別手段はあるが不満
- 現状で我慢できる
- 現時点の判断
課題の深刻度の埋め方
- Step1 誰の、どの課題・場面の深刻度を判断するか記す。
- Step2 代替手段が存在せず、放置できない根拠を検討する。
- Step3 現在の代替手段と、残る不満を事実で検討する。
- Step4 改善は嬉しいが現状を続けられる事実を検討する。
- Step5 三分類から暫定判断し、FACTと反対の事実を記す。
- Step6 深刻度と根拠から追加調査・対象変更等を決める。
問いの要点:課題の深刻度
- 「解決手段が無く放置できない」「別の手段で解決できるが不満」「我慢できる」のどれに当たるか。事実を添えて
顧客インタビュー
可処分所得・時間・頻度を測る
課題に使える予算の上限と現在の支出は異なります。時間や頻度も合わせて見ることで、解消すべき負担と検証すべき価格の前提を作ります。
どう答えをつくるか 企業なら予算を持つ部署、個人なら課題に関連する支出の枠を確認します。何にいくら、何回、どれほどの時間を使うかを、単位と期間付きで記録します。
何を根拠に、どこまで答えるか 課題に使える予算の上限、現在の支出、所要時間、発生頻度を別々に示します。分からない数値には確認先を付けます。
陥りやすい間違い 支出額をそのまま新サービスへの支払意思と見なしたり、月額と一回当たりの費用を混ぜない。
課題に使える予算の上限・現在の支出・時間・発生頻度
CPF-13 の手を動かす順序
用意するもの:支出記録/作業・待ち時間の記録/発生回数と観測期間
- 5分:対象・課題・期間と金額/時間/頻度の単位をそろえる。
- 10分:企業は部署・予算名・額・期間、個人は課題に使える予算の上限を確認し、現在の支出とは分ける。
- 10分:支払先・費目・金額を分け、課題に配分できる範囲を書く。
- 10分:作業時間と待ち時間、発生回数、繁閑・例外を測る。
- 10分:分/回×回/期間等で比較できる値にし、仮定と未確認を添える。
ここまでできたら:支出・時間・頻度と換算式が根拠へ追跡でき、課題に使える予算の上限とは区別される。
止めて確かめる条件:世帯年収や部署予算の全額を支払可能額としない。
結果をどう説明するか 架空:15分/回×8回/月=120分/月。待ち時間と作業時間は別に計算する。
この工程で考えること 同じ期間・同じ単位で測る
金額は円/回または円/月、時間は分/回、頻度は回/月等を明示。予算上限と支払意思は別に確認する。
前後の工程とのつながり 受け取る:CPF-10、CPF-12。
渡す:CPF-14、VPF-01、VPF-03、VPF-04。
CPF-13 で答える問い・確認事項
この工程で答える問いと、確かめる事項です。
課題に使える予算の上限と現在の支出
課題における可処分時間
課題の発生頻度
支出・時間・頻度のテンプレートの欄
- 一回の作業時間
- 期間内の頻度
- 期間の作業負担
- 予算上限
- 現在の支出
支出・時間・頻度の埋め方
- Step1 企業/生活者、課題、測定期間、単位をそろえる。
- Step2 企業は部署と予算、個人は世帯年収を明記する。
- Step3 課題に関連して、何にいくら払うかを記す。
- Step4 本課題への対応時間を、待ち・作業に分ける。
- Step5 期間内の発生回数、対象数、数え方を明示する。
- Step6 同じ期間へ換算し、仮定と未確認値を添える。
問いの要点:予算・時間・頻度
- 課題に関わる予算の上限(企業ならどの部署のどの予算か)と、いま実際に払っている金額
- いま割いている時間と、課題の発生頻度
現状コストの測定
PESTと市場規模:なぜ今後この課題が増えるか
成長市場に属しているだけでは、対象の課題が増えるとは限りません。社会変化が誰のどの課題を強めるのかを説明します。
どう答えをつくるか PESTで政治・経済・社会・技術の変化を拾い、顧客の行動や制約への影響をつなぎます。TAM・SAM・SOMは対象範囲と計算根拠をそろえて見積もります。
何を根拠に、どこまで答えるか 増加の原因、出典と確認時点、市場規模の前提を示します。到達可能な顧客数と市場全体の規模を分けます。
陥りやすい間違い 市場レポートの大きな数字だけで投資価値を主張しない。将来予測は事実と区別します。
課題増加の原因・規模・成長性
CPF-14 の手を動かす順序
用意するもの:対象セグメントの境界/公的統計・市場の一次資料/対象の支出と獲得能力の仮説
- 10分:市場規模の対象・地域・算定年・金額の定義を決める。
- 15分:対象数×年間支出などで市場規模を積み上げ、資料の母集団差と推計幅を記す。
- 10分:提供範囲でSAMを絞り、営業・導入・継続能力と期間でSOMを積み上げる。
- 10分:PESTの変化が課題と市場の増減に届く仕組みを記し、成長の根拠と反対シナリオを添える。
ここまでできたら:市場規模と成長の根拠が対象・時点・算式付きで説明できる。
止めて確かめる条件:TAMの任意割合をSOMとしたり、市場成長を無条件に自社売上成長へ置換しない。
結果をどう説明するか 架空:対象企業数と年額を積み上げ、導入できる社数を別計算する。
この工程で考えること 外部変化から課題増加の因果を示す
変化の事実、課題へ届く経路、発生時期を分ける。反対方向の変化も検討する。
TAM・SAM・SOMの母数を絞る
同じ年・通貨・年額で比較。対象数×年間支出で概算し、提供範囲と獲得能力による制約を分ける。
CPF-14 で答える問い・確認事項
この工程で答える問いと、確かめる事項です。
課題仮説に関する外部環境
課題に関する外部環境の成長傾向
現時点での市場規模
PEST分析のテンプレートの欄
- 政治・制度
- 経済
- 顧客へ届く仕組み
- 課題の増減
- 機会・脅威と対応
- 社会・行動
- 技術
PEST分析の埋め方
- Step1 対象地域の制度・政策の変化を、時期と確定状況まで。
- Step2 対象顧客の予算・原価に関わる変化を単位付きで。
- Step3 誰の習慣・価値観・働き方が、どう変わったか。
- Step4 性能・費用・利用条件が変わる技術を具体的に。
- Step5 変化→行動・条件→課題の量・深さを因果でつなぐ。
- Step6 PEST各観点のチャンスを一言にし、監視条件を決める。
TAM・SAM・SOMのテンプレートの欄
- TAM|全対象
- 提供条件
- 期間内の獲得能力
- SAM|提供可能市場
- SOM|期間内の獲得市場
- 上振れ・下振れ
TAM・SAM・SOMの埋め方
- Step1 何の支出を市場とするか、対象・年・地域・通貨。
- Step2 定義した全対象数×年間支出で上限を概算する。
- Step3 地域・規制・機能・顧客条件で提供可能範囲を絞る。
- Step4 営業容量・獲得率・導入能力から対象数を積み上げる。
- Step5 市場が変わる原因、期間、低位・標準・高位の前提。
- Step6 規模・成長性を、自社の必要売上と獲得費用で評価。
問いの要点:外部環境と市場規模
- 社会の変化を踏まえて、この課題は今後どう増えるか
- TAM・SAM・SOM で、検討に値する規模と成長性があるか
PESTTAM・SAM・SOM
なぜ自社が、なぜ今取り組むのか
魅力的な課題でも、自社が取り組む理由とタイミングが説明できなければ、資源配分を決められません。内部の事情を顧客価値につなぎます。
どう答えをつくるか 自社の経験・資産・戦略・使命を整理し、それが課題解消にどう寄与するかを示します。今使える資源と、先送りした場合の変化を確認します。
何を根拠に、どこまで答えるか 「なぜ自社か」と「なぜ今か」を別に答え、後のWCS・資源分析へ渡します。
陥りやすい間違い 新技術が流行していることや上司の関心だけを、取り組むべき理由にしない。
なぜ自社か・なぜ今か
CPF-15 の手を動かす順序
用意するもの:顧客課題と目指す変化/使える資源・接点の証拠/今起きている外部変化の資料
- 5分:誰の課題にどんな変化を起こすかを確認する。
- 10分:自社の資源が課題に寄与する仕組みを示し、他社に任せる/連携する案と比較する。
- 10分:今の変化と顧客課題への影響を示し、半年待つ利点・損失と比較する。
- 10分:なぜ自社か、なぜ今かをそれぞれ根拠付きで一文にし、着手条件と見直し条件を決める。
ここまでできたら:自社が担う理由と今着手する理由が独立に説明できる。
止めて確かめる条件:使命感や流行だけで二つの理由を済ませない。
結果をどう説明するか 架空:検索経験を使える自社が、担当交代で根拠継承が必要になる時期に小さく検証する。
この工程で考えること なぜ自社・なぜ今を別々に検討する
自社資源と環境変化を組み合わせる。半年待った場合や他社が行った場合との差を考える。
前後の工程とのつながり 受け取る:CPF-02、CPF-03、CPF-14。
渡す:CPFのゲート判定。
CPF-15 で答える問い・確認事項
この工程で答える問いと、確かめる事項です。
課題仮説に関する内部環境
課題に取り組むべき内部環境要因
なぜ自社が、なぜ今かのテンプレートの欄
- 自社が持つ資源
- 今起きる変化
- 着手する条件
- 他社・連携の対案
- 待つ案との比較
なぜ自社が、なぜ今かの埋め方
- Step1 対象者の課題と、取り組むことで生む変化を記す。
- Step2 課題に役立つ資源・接点・経験と利用条件を書く。
- Step3 他社・連携・現状維持と自社実施を比較する。
- Step4 環境の変化、期限、顧客の状況と根拠を書く。
- Step5 半年待つ利点・損失と、急ぐリスクを比べる。
- Step6 自社の必然性とタイミングを別の結論として記す。
問いの要点:自社が・今、取り組む理由
- なぜ自社が取り組むべきか
- なぜこのタイミングで取り組むべきか
WANT・CAN・SHOULDVRIO
CPFの通過判定(ゲート条件)
解くべき課題仮説と顧客が明確になっており、解決策のアイデア(方向性)が存在する。
各問の回答と根拠を照合して判断します。記入済みの件数だけで通過とはせず、未確認・反証・条件を明示し、次へ進むか、追加検証するかを判断者が決めます。
CPF通過判定の手を動かす順序
用意するもの:通過判定基準:解くべき課題仮説と顧客が明確になっており、解決策のアイデア(方向性)が存在する/各工程の回答と根拠・反証/次段階の資源案と判断権限者
- 通過判定基準を読み、その各要素に対応する回答と根拠を提示する。
- 根拠の強さと未確認・反証を点検し、記入完了と通過を分ける。
- → ステージゲート評価とはを参照し、判断種別と次の行動を記録する。
- Goの範囲・費用と時間の上限・責任者を承認し、再判断日と必要成果を合意する。
ここまでできたら:通過判定基準への結論、根拠、判断種別、資源承認、次回条件が説明できる。
止めて確かめる条件:重要な不足を隠して通過させない。資源未承認なら実行を拡大しない。
結果をどう説明するか 架空:見積担当者が資料を探せず回答できなかった出来事を確認したが、発生頻度が未確認のため差戻し(Recycle)。顧客と課題を確かめ直して再審査する。
判断を記録するときの運用補足 顧客・場面・困りごとの根拠と、解決の方向性を通過判定基準に照らします。判断種別は→ ステージゲート評価とはを参照して記録します。
進む場合は提供価値の検討に使う予算・時間・責任者を決めます。保留は顧客への接触機会や調査資源が整うまで待つ条件、差戻しは顧客や課題を確かめ直す工程と再審査日を記します。
Stage-Gate Internationalの判断・資源配分の考え方を参考にしています。
この判断で止まっている場合 対象や課題について証拠が割れるとき、調査対象と確かめる問いを整理する。 自社で進める場合は未確認事項を検証計画に戻してください。外部と進めたい場合は、新規事業支援(仮説設計・MVP開発・市場検証)を確認できます。
相談の前に「対象顧客、決めたいこと、確かめたこと、未確認、期限や予算の制約」を整理すると、必要な支援範囲を話しやすくなります。ARCHECOへの相談窓口 →
CPFゲートの判断のテンプレートの欄
- 顧客・課題・解決方向
- 根拠と反証
- 判断を分ける条件
- Go:次段階
- Hold:保留
- Recycle:差戻し
- Kill:中止
- 資源と再判断
CPFゲートの判断の埋め方
- Step1 顧客・課題と解決の方向性が説明できるかを判断する。
- Step2 主要な結論を支える事実と、反対の事実を示す。
- Step3 崩れると結論が変わる仮説を特定する。
- Step4 進む(Go)・保留(Hold)・差戻し(Recycle)・中止(Kill)のどれかを選ぶ。
- Step5 次段階の費用・時間の上限と決定責任者を記す。
- Step6 次回判断する時期と持参すべき成果を決める。
VPF(提供価値)と事業の筋道を定める
どの価値をどう届けるかを明確にします。3Cで顧客・競合・自社を照合し、PEST・VRIO・SWOTで機会と資源を検討。WCSからストーリー戦略へつなぎます。
課題を解く「価値」と、それを事業として成り立たせる形を決める段階です。1つのアイデアに固執せず、解決の方向性の幅を残したまま、競合・自社の強み・収支を照らし合わせます。
価値ロジックツリー:課題・解消手段・提供価値をつなぐ
最初のアイデアに固執すると、同じ課題を別の方法で解く選択肢を見落とします。この工程では課題、手段、価値を三階層で比較します。
どう答えをつくるか 最上位に顧客の課題解決を置き、その下に既存の解消手段、さらに各手段の提供価値を並べます。今回提供する価値を同じツリー上に位置づけます。
何を根拠に、どこまで答えるか どの課題に、どの手段で、何の価値を届けるかと、他の選択肢を説明できるツリー。
陥りやすい間違い 自社の機能一覧をツリー化するだけで終えない。比較相手は同業製品だけでなく既存の対処も含みます。
既存手段と価値・今回の提供価値
VPF-01 の手を動かす順序
用意するもの:顧客・課題・困る場面を一文にしたもの/現状の人手・既存サービス・何もしない場合の観察記録/候補となる提供価値
- 最初の5分で、解決したい顧客課題を図の最上位に一つ置く。複数の課題は図を分ける。
- その課題を解消する現存の方法を3枝以上に分ける。人手と現状維持も除外しない。
- 各手段の下に得られる価値を書く。課題→手段→価値の三階層を崩さず、重複や未確認の枝に印を付ける。
- 今回提供する価値を一つ選び、選ばない枝と選択理由を残す。全体30〜45分が目安、調査は別。
ここまでできたら:第三者が三階層の枝をたどり、今回の価値が同じ課題にどう貢献するか説明できる。選択外の枝も残っている。
止めて確かめる条件:手段が自社機能だけになる、または顧客の課題が曖昧なら顧客観察へ戻る。空欄をAIの推測で埋めない。
結果をどう説明するか 架空:回答根拠を探す課題に、熟練者へ聞く/資料を整理する/検索を使う3枝。どれが有効か未検証。
この工程で考えること 三階層ツリーを枝ごとに作る
同じ課題を最上位に置き、既存手段を含めて枝を3つ以上出す。今回選ぶ価値は明示し、他の枝も残す。
前後の工程とのつながり 受け取る:CPF-07、CPF-11、CPF-13。
渡す:VPF-02、VPF-03、VPF-04、PSF-03、PSF-07、PSF-08。
VPF-01 で答える問い・確認事項
この工程で答える問いと、確かめる事項です。
価値深掘り工程
提供価値の定義
提供価値のロジックツリーのテンプレートの欄
- 顧客の望む進歩
- 現在の手段
- 代替手段
- 今回の解決手段
- 残した反証
- 選択した価値
提供価値のロジックツリーの埋め方
- Step1 CPFで確認した対象者・状況・解決したい課題を書く。
- Step2 既存サービスや人手での方法と、その価値を一組で書く。
- Step3 異なる仕組みの方法と、顧客に返る価値を記す。
- Step4 今回選ぶ手段と価値をツリー上で指し示す。
- Step5 他の枝の利点と、今選ばない理由を比較する。
- Step6 選択枝の課題解消メカニズムと検証対象を一文にする。
問いの要点:課題・手段・価値の三階層
- ターゲットの課題を頂点に、いま存在する解消手段と、それぞれが提供している価値を三階層のツリーにすると、今回の提供価値はどこに位置するか
ロジックツリー
解決方向性の5分類:課題のどこに働きかけるか
同じ課題でも、発生を防ぐ方法と、発生後の被害を小さくする方法では検証の対象が違います。価値が働く仕組みを明確にします。
どう答えをつくるか 頻度を下げる、影響を弱める、検知・対応を速める、回復を早める、そもそも発生させない、の各方向から検討します。選んだ方向と理由を記述します。
何を根拠に、どこまで答えるか 課題と提供価値の関係、および今後幅出しする解決策の方向性。必要な検証指標も方向に合わせます。
陥りやすい間違い 一つの具体案だけを前提に、他の解決方向を検討から消さない。
頻度・影響・対応速度・回復・発生防止
VPF-02 の手を動かす順序
用意するもの:VPF-01の課題と三階層ツリー/課題の頻度・影響・検知時間・回復時間の観察記録/既存手段の制約
- 同じ課題に対し、発生頻度を下げる/影響を弱める/検知・対応を速める/回復を早める/発生しない状況を作る5方向を並べる。
- 方向ごとに異なる介入案を一つ書く。既存製品の名前の言い換えを5案にしない。
- 各案で変える指標、想定効果、副作用、成立条件を一つずつ対応させる。観測済みと仮説を分ける。
- 比較後に採る方向と残す代替を示し、次の試験を決める。全体30〜45分目安。
ここまでできたら:5方向を検討した記録と、選んだ方向・理由・検証対象の指標がある。選定は効果の検証済みを意味しない。
止めて確かめる条件:比較対象の課題が途中で変わる、または介入と変化する指標が結べないなら課題分解へ戻る。
結果をどう説明するか 架空:回答遅延に、記録漏れ防止/代替担当配置/検索改善/引継ぎ復旧/問い合わせ不要化を比較。効果未検証。
この工程で考えること 5方向を同じ課題に当てる
各行に異なる介入案を書く。変更する指標と副作用を比較し、採用する方向をこの工程で答える問いに沿って整理する。
前後の工程とのつながり 受け取る:VPF-01、CPF-12。
渡す:PSF-03。
出典: ARCHECO — ステージゲートの問い・WCS・構造化シナリオ
出典: Stanford d.school — The Wallet Project & Gift-Giving Project
VPF-02 で答える問い・確認事項
この工程で答える問いと、確かめる事項です。
価値と課題仮説の関係性の明確化
解決方向性の比較のテンプレートの欄
- 発生前の状況
- 課題の発生
- 影響の拡大
- 検知と対応
- 回復
- 発生しない設計
解決方向性の比較の埋め方
- Step1 課題が起きる回数を減らす介入案を書く。
- Step2 発生しても損失が小さくなる方法を書く。
- Step3 発生から検知・対応開始までの時間を短くする案を書く。
- Step4 問題が起きた後、元の機能を取り戻す方法を書く。
- Step5 課題が生まれる前提を変える方法を書く。
- Step6 この工程で答える問い①〜⑤から選び、課題が減る仕組みを記す。
問いの要点:価値が課題を解く仕組み
- 解決の方向性は次のどれか: ①課題の発生頻度を下げる ②発生時の影響を弱める ③検知・対応を速める ④発生後の回復を早める ⑤そもそも発生しない状況をつくる
解決の方向性の5分類
ビジネスモデルと収益構造を具体化する
利用者への価値があっても、誰が何に対して払うかが不明なら事業の成立条件は見えません。提供価値と取引の関係を整理します。
どう答えをつくるか 物販・従量課金・定額等の課金方式と、B2C・B2B等の取引形態を分けます。価格、数量、変動費、固定費に単位と期間を付けて試算します。
何を根拠に、どこまで答えるか ビジネスモデル、事業形態、具体的な収益・コストの数値。利用者と支払者が違う場合は双方を示します。
陥りやすい間違い 売上だけを書いたり、提供に必要な人の作業時間を無料と扱わない。未検証の価格は仮説とします。
課金方式・取引形態・具体的費用と収益
VPF-03 の手を動かす順序
用意するもの:VPF-01の提供価値/利用者・支払者・承認者・提供者・協力者の一覧/価格・利用量・原価・固定費の根拠と未確認事項
- 登場主体を置き、誰が誰へ価値を渡すかを矢印で描く。対価の矢印は逆向きになるとは限らないので別に描く。
- 物販/従量/ライセンス・サブスク/手数料/広告/データ販売のうち採用候補を明記し、課金対象・起点・請求・入金を決める。
- B2C/B2B/B2B2C/C2C等の取引形態を、利用者と支払者の関係から説明する。課金方式と混ぜない。
- 同じ期間と単位で単価×数量、単位変動費、固定費、初期費用を置き、具体的な収支を算出する。根拠がなければ仮置きとする。
- 課金と費用の弱い前提を一つ選び、確認先を決める。全体45〜60分目安。
ここまでできたら:価値と対価の流れ、取引形態、課金方式、具体的な数値の収支を一組で説明できる。数値の期間と単位が一致する。
止めて確かめる条件:支払者不明、数量の単位不一致、確認人件費など主要原価の欠落があれば採算判断を保留する。
結果をどう説明するか 架空:法人が月額を支払い現場が利用。価格と需要は未検証で、人の確認費を含む収支を試算する。
リーンキャンバスは、ここで仮説を組み合わせる リーンキャンバスは、顧客・課題・価値・解決策・届け方・収益と費用などを一枚で照合する事業仮説の道具です。記入済みの計画を正しいと証明するものではありません。この工程ではCPFで整理した対象と課題から仮案を作り、未確認のつながりを見つけます。
CPFの途中でも仮に書けますが、分からない欄は未確認のままにします。VPFで比較案を整理し、PSFの実験や顧客の反応で変わった箇所を更新します。別の事業案は別のキャンバスにし、完成させてから調査へ進む順序にはしません。
この工程で考えること 価値と対価の流れ
誰が誰へ何を渡し、どのタイミングで料金が発生するかを分ける。無料利用者と支払者が違う場合も追う。
単位当たりの収支を積み上げる
価格、件数、変動費、固定費を同一期間で整理。PSFの月次PLで計算し、ここでは根拠を比較する。
前後の工程とのつながり 受け取る:VPF-01、CPF-04、CPF-13。
渡す:PSF-02、PSF-04、PSF-05。
VPF-03 で答える問い・確認事項
この工程で答える問いと、確かめる事項です。
ビジネスの明確化
提供価値をビジネスアイデアに落とし込む
価値・対価・費用の流れのテンプレートの欄
- 協力者
- 利用者
- 自社
- 提供費用
- 支払者
- 成立条件
価値・対価・費用の流れの埋め方
- Step1 利用者・支払者・提供者を分け、渡す価値を描く。
- Step2 B2C/B2B/B2B2C/C2C等から取引の関係を定める。
- Step3 物販/従量課金/ライセンス・サブスクリプション/手数料/広告/データ販売を比較する。
- Step4 単価×数量×頻度を同じ期間で記す。
- Step5 変動費・固定費・初期費用を分けて算出する。
- Step6 収益から費用を引き、未検証の条件を特定する。
問いの要点:事業モデルと収支
- 課金の方式(物販・従量・ライセンス/サブスクリプション・手数料・広告・データ販売)はどれか
- 取引の形(B2C・B2B・B2B2C・C2C)はどれか
- 費用と収益の構造を、具体的な数字で示せるか
事業計画書収益モデル
3C分析:顧客の時間とお金を、誰と競うか
ここでは、競合を顧客の可処分時間・所得から捉え直します。競合名を並べるだけでは、顧客が乗り換える理由は分かりません。
どう答えをつくるか Competitorでは現在時間と所得を費やすサービスを特定します。CustomerではCPFから顧客・課題の仮説が変わった点を示します。Companyでは戦うための強みと提供価値の独自性を照合します。
何を根拠に、どこまで答えるか 競合への支出と時間、具体的な代替サービス、顧客仮説の差分、自社の強みと価値の優位性を一続きで説明します。
陥りやすい間違い 自社に有利な特徴だけで比較しない。顧客が今の方法を続ける理由も扱います。
競合への時間/所得・顧客仮説の差分・独自性
VPF-04 の手を動かす順序
用意するもの:CPFの顧客・課題仮説と改訂前の版/顧客が実際に使う競合・人手・現状維持の記録/支出、時間、頻度、利用場面と自社資産
- 最初の5分で同じ顧客の同じ課題を比較対象として固定する。顧客・支払者が異なる場合は分ける。
- 競合を具体名で挙げ、使う場面と可処分時間・所得の使途を、同じ期間の数値で記す。数値不明は調査対象として残す。
- CPFから顧客と課題が変わった部分を対比し、変更の根拠を明記する。変わらなければ差分なしと書く。
- 顧客の選択条件を先に決め、その条件で自社の資源・独自価値と競合を比較する。優位が崩れる条件も添える。
- 三者関係図へ要点を置き、顧客が自社を選ぶという仮説と確かめる行動を一つ示す。全体45分目安。
ここまでできたら:競合の具体名・時間・支出、顧客/課題の差分、自社の強みと独自性を同じ顧客視点で説明できる。
止めて確かめる条件:競合調査をせず唯一と宣言する、自社に有利な軸しかない、顧客の実利用が不明なら優位判断を保留する。
結果をどう説明するか 架空:熟練者への電話が現在の代替。検索支援で根拠に届くかは未検証。比較には確認工数も含める。
この工程で考えること 競合の具体的な使われ方
競合は実在サービス名または人手・現状維持。顧客が現在使う時間と支出を同じ期間で比較する。
顧客の差分と自社の独自性
CPFの仮説との差分を先に説明。顧客に重要な比較軸で、自社の資源と価値を競合と照合する。
前後の工程とのつながり 受け取る:CPF-01、CPF-13、VPF-01。
渡す:VPF-05、PSF-06。
VPF-04 で答える問い・確認事項
この工程で答える問いと、確かめる事項です。
ビジネスアイデアの客観的評価と主観的評価
3C分析
Competitor
Customer
Company
3C分析のテンプレートの欄
- 顧客と課題
- 変わった顧客・課題
- 顧客の選択条件
- 競合・現在の手段
- 自社と使える強み
- 自社を選ぶ理由
3C分析の埋め方
- Step1 CPFの現支出を、競合別の時間と金額へ分ける。
- Step2 時間・所得を実際に使う製品・人手・現状維持。
- Step3 現在の対象顧客とCPFからの差分、変更の根拠。
- Step4 現在の顧客課題とCPFからの差分、変更の根拠。
- Step5 顧客課題の解消で、競合より有利な具体的資源。
- Step6 同じ顧客・場面で選ばれる価値の差と証拠。
問いの要点:顧客・競合・自社(3C)
- 顧客がいま時間とお金を使っている競合サービスは何か
- CPF で置いた顧客と課題の仮説から、差分はあるか
- 自社が競合と戦うための強みと、提供価値の独自性は何か
3C分析
PEST・VRIO・SWOT:外部の機会と使える資源をつなぐ
四つの枠を埋めるだけでは打ち手になりません。この工程では、PESTで機会を見つけ、その機会に対する資産の強みをVRIOで吟味し、弱みと脅威まで確認する構造です。
どう答えをつくるか 政治・経済・社会・技術から機会を記述し、アライアンス、ブランド実績、ユーザー、データ、知財、コンテンツ、資金等の資産と対応させます。価値・希少性・模倣性・組織体制で検討し、不足の補い方と将来の脅威を加えます。
何を根拠に、どこまで答えるか 機会ごとの資産説明、VRIOの四観点、弱みと補完策、まだ顕在化していない脅威。根拠が異なるものは分けて残します。
陥りやすい間違い 保有する資産を無条件に強みと呼ばない。利用権限や組織体制がなければ、価値を生かせない可能性があります。
機会・実際の強み・弱みの補完・将来の脅威
VPF-05 の手を動かす順序
用意するもの:PESTの変化・出典・確認日/使える資産の所有者・権限と8分類/3Cの顧客選択条件と競合情報
- P/E/S/Tそれぞれの機会を一言で置く。まだ顕在化していない将来脅威を、発生条件・時期とともに別に置く。
- アライアンス/ブランド実績/ユーザー基盤/データ/知財/コンテンツ/資金/その他で資産を分類し、機会に使う具体的方法を記す。
- 資産ごとにV価値・R希少・I模倣や代替の難しさ・O活用体制を根拠で確認する。未確認をNoや点数に変換しない。
- 足りない資源・弱みと補う相手、方法、期限を整理する。S/Wは内部、O/Tは外部として取り違えを直す。
- SO/WO/ST/WTの交差ごとに行動案を作り、採る案と保留案を選ぶ。全体60分目安。調査時間は別。
ここまでできたら:PEST4観点、資産8分類、機会への適合、VRIO4観点、不足と補完、将来脅威が説明され、そこから選んだ行動がある。
止めて確かめる条件:未利用の資産を強みとした、将来脅威を現状不満に置換した、根拠のない合計点で優位を断定した場合は判定を戻す。
結果をどう説明するか 架空:現場接点を検索技術の機会に使う案。運用人員は弱みで協力先を探す。顧客価値と希少性は未確認。
この工程で考えること PESTから機会と脅威を分ける
CPFの外部変化を再利用し、自社の対象市場に生じる機会と、まだ表れていない脅威を対で書く。
資産をVRIOで検討する
資産カテゴリと具体物を第一列に記す。Vは機会への適応、Rは競合保有、Iは模倣の難しさ、Oは活用体制。
SWOTの交差から実行案を選ぶ
強みは上のVRIO、機会・脅威はPESTを参照。弱みは不足資源と補う相手・期限を具体化する。
前後の工程とのつながり 受け取る:CPF-14、CPF-02、VPF-04。
渡す:VPF-06、VPF-07、PSF-06。
出典: Barney / Hesterly, Pearson — Strategic Management and Competitive Advantage
VPF-05 で答える問い・確認事項
この工程で答える問いと、確かめる事項です。
SWOT分析
OPPORTUNITIES
STRENGTHS
WEAKNESSES
THREATS
PEST分析のテンプレートの欄
- 政治・制度が生む機会と必要な資源
- 経済の変化が生む機会と必要な資源
- 機会に価値を届ける方法
- 機会が成立する条件
- 機会・脅威への対応と使う資源
- 社会・行動の変化と資源の適合
- 技術の変化と使える資源
PEST分析の埋め方
- Step1 CPF-14で確認した外部変化から、提供価値を届けられる機会を選ぶ。
- Step2 各機会の対象顧客と、課題が変わる理由を対応させる。
- Step3 制度・予算・習慣・技術の変化ごとに、活用に必要な資源を挙げる。
- Step4 自社の資源で満たせる条件と、不足する条件を分ける。
- Step5 機会が成立しない条件と、補完する資源・協力先を記す。
- Step6 次のVRIOとSWOTへ渡す機会・資源の組合せを選ぶ。
VRIO分析のテンプレートの欄
- 機会に使う資源と用途
- V|その機会で顧客価値を生むか
- R|競合が同じ機会に使える資源は少ないか
- I|その活用方法を模倣・代替しにくいか
- O|機会に合わせて資源を使う体制があるか
VRIO分析の埋め方
- Step1 PESTで選んだ機会と、そこに使う資源を一組ずつ記す。
- Step2 CPF-02の資源一覧から、今使えるものと権限を確かめる。
- Step3 その資源が提供価値の実現にどう役立つかを説明する。
- Step4 競合の資源や代替手段と比較し、希少性の根拠を残す。
- Step5 活用方法を真似するための時間・費用・関係を比較する。
- Step6 担当・権限・予算を確認し、不足する体制の補い方を決める。
- Step7 四観点を踏まえ、機会に適合する強みと未確認を分ける。
- Step8 SWOTへ強み・弱みと補完策を渡す。
SWOT分析のテンプレートの欄
- O|外部の機会
- T|外部の脅威
- S|使える強み
- SO|強みを活かす
- ST|強みで備える
- W|補う弱み
- WO|弱みを補う
- WT|避ける・縮小する
SWOT分析の埋め方
- Step1 政治・経済・社会・技術それぞれの機会を一言で。
- Step2 8カテゴリから強み候補を選び、資産IDを付ける。
- Step3 機会Oと資産Aを結び、どう役立てるかを説明。
- Step4 資産が機会・脅威への適応に寄与する理由を示す。
- Step5 同じ資産や代替資源を持つ競合の状況を示す。
- Step6 真似されやすさと、再現する時間・費用を示す。
- Step7 資産を活用する権限・担当・運用を示す。
- Step8 実現や競争を妨げる内部の不足と影響を示す。
- Step9 弱みごとに補完先・方法・必要資源・期限を示す。
- Step10 まだ起きていない外部変化と、成立を崩す条件。
- Step11 SO・WO・ST・WTごとに取り得る行動を考える。
- Step12 優先案と採用理由、最も弱い前提の検証を決める。
問いの要点:機会と強みの適合(PEST→VRIO→SWOT)
- 政治・経済・社会・技術の観点で、どんな機会があるか
- 強みのカテゴリ(提携基盤・実績・顧客基盤・データ・知財・コンテンツ・資金)と、その中身を VRIO(価値・希少性・模倣困難性・組織)で分析するとどうか
- 弱みと、その補い方。まだ顕在化していない将来の脅威は
PESTVRIOSWOT分析
WCS分析:WANT・CAN・SHOULDと、その根拠をそろえる
WCSは希望を三つの円に並べる作業ではありません。原体験から生じるWANT、現在の資産に支えられたCAN、背景課題から導くSHOULDの関係を明確にします。
どう答えをつくるか やりたい事業形態と具体的原体験、やれる事業形態と基盤となる内部資産、やるべき事業形態と根本的課題を対にして記述します。WANTがCAN・SHOULDにどう含まれ、動機を保てるかも確認します。
何を根拠に、どこまで答えるか 六つの要素をそろえ、相互の整合と隔たりを説明します。隔たりは次のストーリー戦略で獲得すべき資源や成長の課題になります。
陥りやすい間違い WANTを顧客ニーズ、CANを将来獲得したい能力、SHOULDを抽象的な標語で代用しない。
やりたい形態と原体験・やれる形態と資産・やるべき形態と背景課題
VPF-06 の手を動かす順序
用意するもの:チームの原体験と続けたい理由/現在使える内部資産と利用条件/顧客の根本課題と観察記録
- WANTはやりたい事業形態と原体験、CANは今やれる形態と内部資産、SHOULDは実現すべき形態と根本課題を対で書く。
- 三者を別々に説明してから重なりを探す。同じ言葉を三欄へ複写して整合としない。
- W×Cは顧客の必要性、W×Sは実行資源、C×Sは続けたい意志が欠けていないか点検する。
- 中央に今回取り組む対象と行動を一つ置き、不足・衝突・見送ること・追加確認を残す。全体30〜45分目安。
ここまでできたら:三つの事業形態とそれぞれの根拠があり、選ぶ領域と重ならない部分の扱いを説明できる。
止めて確かめる条件:WANTを顧客需要の証拠、入手予定をCANの保有資産として扱っているなら前提を修正する。
結果をどう説明するか 架空:現場知識を残したい意志と検索試作はあるが、根本課題と継続運用は未確認。限定試験を選ぶ。
この工程で考えること WANT・CAN・SHOULDを分ける
各行に事業形態と根拠を対にして書く。CANは現在使える資源、SHOULDは他者の課題に戻す。
モチベーションとの整合を確かめる
CANから始めてSHOULDへ進む途中にもWANTが残るかを検討する。
前後の工程とのつながり 受け取る:CPF-03、CPF-11、VPF-05。
渡す:VPF-07。
VPF-06 で答える問い・確認事項
この工程で答える問いと、確かめる事項です。
WCS 分析
WANT
CAN
SHOULD
WCS:事業領域の選択のテンプレートの欄
- WANT
- 意志×能力
- 意志×必要性
- CAN
- SHOULD
- 今回の事業領域
- 能力×必要性
WCS:事業領域の選択の埋め方
- Step1 高い動機を持って取り組みたい事業の形を一文で。
- Step2 動機につながる実体験・実績・きっかけを具体的に。
- Step3 現時点の資産で確実に実行可能な提供範囲を一文で。
- Step4 やれると判断する基盤を、保有者・権限とともに。
- Step5 使命感を持って実現すべき事業の形を一文で。
- Step6 使命感の根にある課題を、当事者と原因まで。
- Step7 3つが重なる対象と、両立しない希望・制約を整理。
- Step8 今のCANからSHOULDへ進むための不足と検証。
問いの要点:WANT・CAN・SHOULD
- チームがやりたい事業の形と、そう思うに至った原体験
- いまの資産で確実に実現できる事業の形と、その根拠となる資産
- 使命感を持って実現すべきだと考える事業の形と、その背景の課題
WANT・CAN・SHOULD
ストーリー戦略:CANからSHOULDへどう成長するか
初期にできることと将来実現すべきことの間には、資源・顧客・協力関係の変化があります。その移り方を説明して初めて、ビジョンが行動につながります。
どう答えをつくるか WCSを起点に、初期アセットの使い方と事業が変化する道筋を記述します。短期1年・中期3年・長期5年について、資産、コアコンピタンス、ステークホルダーとの関係を描きます。
何を根拠に、どこまで答えるか CANからSHOULDへの成長戦略、WANTとの整合、各時点の成長レバーと関係性。期間を変える場合はここで示す期間との差と理由を残します。
陥りやすい間違い 売上目標だけを並べない。次の段階に必要な資産を、どの活動で獲得するかまで示します。
WANT整合・初期資産・1/3/5年の成長レバーと関係性
VPF-07 の手を動かす順序
用意するもの:WCSの三つの事業形態と根拠/初期資産・不足資源・協力者の条件/クライテリアと許容できる損失
- まず5年程度のSHOULDの姿を描き、必要なコアコンピタンス・成長レバーとステークホルダーの関係を定める。
- 次に3年程度で必要な能力・関係へ戻り、最後に1年程度で使う/確立する資産と関係へ戻る。売上年表だけにしない。
- 初期資産→最初の行動→獲得する新資産→次の事業の形をつなぎ、資産が次期を可能にする理由を書く。
- CANから始めてSHOULDへ進む道筋がWANTと合致するか確認し、変える条件・代替案・撤退条件を明示する。
- 期別の提供価値・協力者の利益・獲得資産を一枚の時間軸へまとめる。全体60分目安。未来の事実ではなく条件付き構想として示す。
ここまでできたら:1/3/5年の能力と関係、初期資産の使い方、事業形態の変化、WANTとの整合が一つの説明としてつながる。
止めて確かめる条件:将来資産の取得条件がない、協力相手の利益がない、成長矢印が目標数値だけの場合は移行の仮説を具体化する。
結果をどう説明するか 架空:観察協力→検索試験→利用許諾済み知見→運用協力という成長案。資産獲得も協力も条件付き。
この工程で考えること 5年の姿から今の資源へ戻る
先に5年、次に3年、最後に1年を検討。成長レバー、獲得資源、関係者の役割変化を対応させる。
初期資源から変化を起こす
初期アセットの使用方法と、そこから得る新たな資源を結ぶ。許容損失はチーム自身が決める。
前後の工程とのつながり 受け取る:VPF-06、VPF-05。
渡す:PSF-01。
VPF-07 で答える問い・確認事項
この工程で答える問いと、確かめる事項です。
戦略の明確化
ストーリー戦略
目標から逆算する成長計画のテンプレートの欄
- WANTとの整合
- 現在のCAN
- 1年の資産
- 3年の能力
- 5年のSHOULD
目標から逆算する成長計画の埋め方
- Step1 獲得したいコアコンピタンスと成長の仕組みを書く。
- Step2 将来の協力者、役割、相互に渡す価値を描く。
- Step3 獲得する成長レバーと関係者の役割変化を示す。
- Step4 現在使える資産と、1年で新たに確立する資産を分ける。
- Step5 初期資産の使い方と、次の資産を得る因果を記す。
- Step6 CANからSHOULDへの戦略を簡潔にまとめ、WANTとの一致を確かめる。
問いの要点:CAN から SHOULD への成長の筋書き
- やれること(CAN)から始めて、やるべきこと(SHOULD)に至る成長の筋書きは。それはやりたいこと(WANT)と合っているか
- 1年・3年・5年で、使う資産・獲るべき強み(成長のレバー)と、関係者との関係はどう変わるか
バックキャスティングロードマップ
VPFの通過判定(ゲート条件)
発見した課題仮説に対して、どのような価値をどのように届けることが課題解決につながるのかが明確であること。
各問の回答と根拠を照合して判断します。記入済みの件数だけで通過とはせず、未確認・反証・条件を明示し、次へ進むか、追加検証するかを判断者が決めます。
VPF通過判定の手を動かす順序
用意するもの:通過判定基準:発見した課題仮説に対してどのような価値をどのように届けることが課題解決につながるのか明確であること/各工程の回答と根拠・反証/次段階の資源案と判断権限者
- 通過判定基準を読み、その各要素に対応する回答と根拠を提示する。
- 根拠の強さと未確認・反証を点検し、記入完了と通過を分ける。
- → ステージゲート評価とはを参照し、判断種別と次の行動を記録する。
- Goの範囲・費用と時間の上限・責任者を承認し、再判断日と必要成果を合意する。
ここまでできたら:通過判定基準への結論、根拠、判断種別、資源承認、次回条件が説明できる。
止めて確かめる条件:重要な不足を隠して通過させない。資源未承認なら実行を拡大しない。
結果をどう説明するか 架空:根拠資料をすぐ探せる価値を提案したが、確認の手間が減る理由を説明できず差戻し(Recycle)。提供価値と課題解消のつながりを確かめ直す。
判断を記録するときの運用補足 どの価値を、誰に、どう届けると課題が減るかを通過判定基準に照らします。判断種別は→ ステージゲート評価とはを参照して記録します。
進む場合は解決策の試作に使う予算・時間・責任者を決めます。保留は価値を確かめる協力者や資源を待つ条件、差戻しは提供価値や届け方を見直す工程と再審査日を記します。
Stage-Gate Internationalの判断・資源配分の考え方を参考にしています。
この判断で止まっている場合 価値や事業案を絞れないとき、選択肢と最も弱い仮説を比較する。 自社で進める場合は未確認事項を検証計画に戻してください。外部と進めたい場合は、新規事業支援(仮説設計・MVP開発・市場検証)を確認できます。
相談の前に「対象顧客、決めたいこと、確かめたこと、未確認、期限や予算の制約」を整理すると、必要な支援範囲を話しやすくなります。ARCHECOへの相談窓口 →
VPFゲートの判断のテンプレートの欄
- 価値・届け方・解決の仕組み
- 根拠と反証
- 判断を分ける条件
- Go:次段階
- Hold:保留
- Recycle:差戻し
- Kill:中止
- 資源と再判断
VPFゲートの判断の埋め方
- Step1 提供価値と届け方が説明できるかを判断する。
- Step2 主要な結論を支える事実と、反対の事実を示す。
- Step3 崩れると結論が変わる仮説を特定する。
- Step4 進む(Go)・保留(Hold)・差戻し(Recycle)・中止(Kill)のどれかを選ぶ。
- Step5 次段階の費用・時間の上限と決定責任者を記す。
- Step6 次回判断する時期と持参すべき成果を決める。
PSF(解決策)の成立を確かめる
協力者の意向、技術・費用等の実現性、解決のFACT、KPI(成果につながる活動の指標)・PL、競争優位を確認します。構造化シナリオと可視化で、価値が届く体験を具体化します。
解決策を「作れるか・売れるか・続けられるか」の目で詰める段階です。関係者の意向を段階で示し、実現可能性・KPI・収支・競争上の位置・体験の流れまでを一続きで説明できるようにします。
ステークホルダーの協力意向を検証する
協力してくれるはずという想定で成長戦略を組むと、実行段階で止まります。誰の、どの段階の意向かを明確にします。
どう答えをつくるか 確約・契約、決裁者の評価、説明済み、担当者の評価、間接的確認を分け、現在の関係を図にします。社内技術・関連部署についても、連携要否、開発状況、ニーズ検証、最大リスクを確認します。
何を根拠に、どこまで答えるか ステークホルダーごとの意向と確認の根拠、ネットワーク図、社内連携の検討結果。
陥りやすい間違い 担当者の好意的な発言を、予算決裁や契約の確約に置き換えない。
意向の段階・現在の関係・技術部署・開発/ニーズ/リスク
PSF-01 の手を動かす順序
用意するもの:関係者一覧と面談記録/既存の協力・契約の記録/社内の技術・関連部署の情報
- 利用者・決裁者・協力者・競合を配置し現在の関係を線で示す。
- 各相手の意向をこの工程の5段階に置き、相手・日付・発言や契約を添える。未確認は別にする。
- 社内技術と関連部署を調べ、連携の要否と課題改善への寄与を書く。
- 開発状況、ニーズ検証、最大課題・リスクを整理し、約束の範囲を当事者に確かめる。
ここまでできたら:関係図、5段階の意向、技術部署の連携要否、開発・ニーズ・リスクが説明できる。
止めて確かめる条件:担当者の好意だけで契約済みとしない。重要な協力が未確認なら試験範囲を限定する。
結果をどう説明するか 架空:倉庫担当は前向きだが決裁者は未説明。更新協力は未確約として残す。
この工程で考えること 関係を辺として記録する
主体と相手をつなぐことでネットワークを表す。意向はこの工程の5段階。誰の何の約束か、期限と条件を確認。
社内技術と連携の必要性
候補部署ごとに開発の現状と顧客課題への寄与を確認。利用者へのヒアリング結果と最大リスクを分ける。
前後の工程とのつながり 受け取る:CPF-04、VPF-07。
渡す:PSF-02、PSF-07。
PSF-01 で答える問い・確認事項
この工程で答える問いと、確かめる事項です。
ソリューション定義・検証
ストーリー戦略の検証
関係者と協力の約束のテンプレートの欄
- 未確認の依存
- 協力者
- 利用者
- 自社
- 約束
- 決裁者
関係者と協力の約束の埋め方
- Step1 味方・競合・抱き込むべき企業と現在の関係を結ぶ。
- Step2 この工程の5段階から利用・協力意向を選び、根拠を残す。
- Step3 提供資源・条件・期限を記し、次の合意形成を決める。
- Step4 技術・関連部署・開発状況を調べ、連携するか理由を書く。
- Step5 連携する技術が課題をどれだけ解くか、聞き取り結果で示す。
- Step6 連携ソリューションの最大の未解決点と対処を決める。
問いの要点:関係者の協力意向と社内の連携
- 関係者ごとの利用・協力の意向は、どの段階か(間接的に確認 → 担当者が前向き → 決裁者に説明済み → 決裁者が前向き → 確約・契約済み)
- 味方・競合・巻き込むべき相手と、いまの関係を図にできるか
- 社内の技術・関連部署との連携は要るか。要るなら、開発状況・ニーズの検証・最大のリスクは
ステークホルダーマップ
フィージビリティスタディ:何が実現を阻むか
一部が動くことと、サービスとして実現できることは異なります。技術以外の制約も含め、成立を阻む条件を探します。
どう答えをつくるか 最大のチャレンジ、技術のボトルネック、最大の費用・投資、過大費用のリスク、時流・規制・利用者に求める能力を順に点検します。重要な不確実性には検証方法と担当を置きます。
何を根拠に、どこまで答えるか 実現可能性の結論と、それを支える条件・残るリスク。確認済みの範囲を明示します。
陥りやすい間違い 試作の成功だけで運用可能と断定しない。例外処理や利用者の学習負担も検討します。
結論・最大課題・技術・投資・過大費用・規制等
PSF-02 の手を動かす順序
用意するもの:技術試験の結果/費用・投資の概算と除外範囲/適用される規制と利用条件
- 技術、投資・費用、過大費用リスク、時流・規制・利用者能力を別々に点検する。
- 条件ごとに根拠・未確認・成立しない場合の影響を記す。
- 最大のチャレンジを一つ以上選び、確かめ方と代替案を比較する。
- 実現可能・条件付き・困難の結論を、この工程で答える問いの各論点と対応させて示す。
ここまでできたら:実現可能性の結論と最大チャレンジ、その根拠と確認計画がある。
止めて確かめる条件:致命的な条件を他の高評価で相殺しない。規制等は担当専門家の確認を得るまで未確認とする。
結果をどう説明するか 架空:APIは使えるが更新の遅さが最大課題。データ更新を先に小規模検証する。
AIエージェントを使う案で追加する確認 AIエージェントは、複数の手順で道具を使い、途中結果に応じて行動を変える仕組みです。この工程では、必要な権限・データ・費用の範囲で安定して動かせるかを確かめます。
- 通常の処理と例外処理を試し、完了率、応答時間、再実行回数、成功1件あたりの費用を測ります。
- 読む情報、変更できる範囲、人の承認が必要な操作を定め、誤操作時の停止・復旧・引継ぎが可能かを試します。
- 本番に近いデータ量や利用条件でも試し、技術・運用・費用の未確認事項と実現を阻む条件を残します。
参照:Anthropicのエージェント評価解説。以上は新規事業の成立条件へ適用したARCHECOの編集で、特定製品の性能を保証するものではありません。
この工程で考えること 成立条件を分解して検証する
技術はTRL(技術の成熟度を示す段階)の参照範囲と試験環境を明記。費用・法規制・利用者能力は別論点として、最大の未解決条件を特定。
AIを使う場合の業務分担と失敗対応
該当しなければ理由を記す。データ入力、権限、実行前確認、停止、復旧と費用を業務場面ごとに検討。
前後の工程とのつながり 受け取る:CPF-06、PSF-01、VPF-03。
渡す:PSF-05、PSF-08。
出典: NASA — Technology Readiness Levels
出典: NIST — AI RMF: Generative Artificial Intelligence Profile
PSF-02 で答える問い・確認事項
この工程で答える問いと、確かめる事項です。
フィージビリティスタディ
実現可能性と最大の課題のテンプレートの欄
- 技術条件
- 追加検証
- 最大のボトルネック
- 投資・運用費
- 実現性の判断
- 規制と利用能力
実現可能性と最大の課題の埋め方
- Step1 重要な技術要素ごとに必要水準と試験環境を書く。
- Step2 最大の投資項目と金額・期間・算定根拠を記す。
- Step3 費用が急増する条件と許容上限、停止策を記す。
- Step4 時流、規制、利用者に求める能力を別々に確かめる。
- Step5 成立を最も脅かす未確認条件を複数でも優先順に記す。
- Step6 可能/条件付き/現時点で困難を根拠とともに示す。
問いの要点:実現可能性(フィージビリティスタディ)
- このサービスは実現できる見込みがあるか(結論)
- 最も大きな挑戦は何か。技術のボトルネック、最大のコスト・投資、法外な費用が生じるリスクは
- 時流・規制・利用者に求める能力が、ボトルネックにならないか
解決策を検証する:狙った価値が本当に届くか
顧客が課題を持つことが分かっても、今回の解決策が機能するとは限りません。課題と解決方向のつながりを証拠で確かめます。
どう答えをつくるか 事例、実験、有識者・企業への聞き取りから、解決が起こる理由を説明します。VPFの価値ロジックツリーへ戻り、別の価値を提供した場合の意見も整理します。
何を根拠に、どこまで答えるか 狙い通り機能する兆しやFACTと、その限界。n=1での確認を、市場全体での成立保証とは区別します。
陥りやすい間違い 好意的な感想のみで成功としない。代替の価値への反応を落とさない。
解消メカニズムのFACT・他の提供価値への意見
PSF-03 の手を動かす順序
用意するもの:解決の仕組みの仮説/提供価値ツリーの別の枝/実験・事例・聞き取りの原記録
- なぜ課題が改善するかを、介入と結果の因果として描く。
- 見る行動・成果と事前判定条件を決め、比較する別の価値も同じ条件で提示する。
- 事実・事例・有識者や企業の聞き取りを集め、観測と解釈を分ける。
- n=1の兆しも保持しつつ一般化範囲を限定し、別価値への意見と反証から次の検証を決める。
ここまでできたら:解決メカニズムの根拠と別価値への意見を、限界込みで説明できる。
止めて確かめる条件:兆しを市場全体の購入需要やPMFの証明にしない。事前条件がないなら結論を保留する。
結果をどう説明するか 架空:根拠表示で一人は確認が速くなった。電話代行との比較と別担当での再試験を残す。
検証で顧客・課題・解決策の関係が変わったら、リーンキャンバスの該当仮説を更新します。変更履歴と根拠は記録に残します。
AIエージェントを使う案で追加する確認 この工程では、AIエージェントを使うことで顧客の困りごとが実際に減るかを確かめます。人が行う方法や決まった手順の自動化と、同じ課題・条件で比較します。
- 顧客が達成したい結果を定め、作業時間、間違い、やり直しなど、課題の改善を測る指標と判定条件を先に決めます。
- 顧客に試してもらい、完了までの行動と結果を観察します。好意的な感想や文章の自然さだけで効果を判断しません。
- 顧客の確認負担や別の提供価値への反応も比較し、効果があった条件、なかった条件、まだ観察できないことを分けます。
参照:Anthropicのエージェント評価解説。以上は新規事業の成立条件へ適用したARCHECOの編集で、特定製品の性能を保証するものではありません。
この工程で考えること 選んだ価値と別の価値を比較検証する
価値ツリーの枝IDを保持。仮説、事前の判定条件、観測、別解釈を分けて比較する。
前後の工程とのつながり 受け取る:VPF-01、VPF-02、CPF-08。
渡す:PSF-04、PSF-06、PSF-07。
出典: Strategyzer — Learning Card / Test Card
出典: Stanford d.school — The Wallet Project & Gift-Giving Project
PSF-03 で答える問い・確認事項
この工程で答える問いと、確かめる事項です。
課題仮説とソリューションの整合性を検証する。
解決仮説の検証のテンプレートの欄
- 今回の価値
- 観測結果
- 解決の仕組み
- 事前条件
- 別の価値A
- 採用・修正・保留
- 別の価値B
解決仮説の検証の埋め方
- Step1 選択枝IDと、なぜ課題が減るかを因果で書く。
- Step2 どんな観測なら支持・反証・保留かを先に決める。
- Step3 試験、事例、有識者・企業への聞き取りの観測を残す。
- Step4 VPFツリーの別枝を同じ対象者へ示して反応を記す。
- Step5 異なる枝の利点・不満・選ばれる場面を聞く。
- Step6 事実から言える範囲と別の説明を分ける。
問いの要点:課題と解決策の整合
- n=1 でよいので、解決策が狙いどおり機能する兆しや事実はあるか
- VPF のツリーにある別の価値を提供した場合の意見も整理したか
ロジックツリー顧客インタビュー
KPIツリー:売上の前提のどこまで検証できたか
売上予測の数値だけでは、何が未確認か分かりません。売上を構成する要因に分解し、事実に基づく部分を特定します。
どう答えをつくるか 5年後と1年後それぞれの売上を、顧客数・獲得率・継続率・単価等、事業に合う要因へ分解します。各KPIに根拠と検証状態を付けます。
何を根拠に、どこまで答えるか 二つの時間軸のKPIツリーと、検証済み・仮説・未確認の区別。
陥りやすい間違い 上位目標に合うように下位KPIを逆算しただけで、検証済みと扱わない。
5年・1年のKPIと検証済み箇所
PSF-04 の手を動かす順序
用意するもの:売上の計上定義/数量・頻度・単価の根拠/1年と5年の能力・市場仮説
- 事業に合う売上式を決め、演算子・単位・期間を各枝に書く。
- 1年目の月1〜12を分解し、各KPIの検証済み範囲と根拠を示す。
- 5年目の月49〜60を別図にし、必要な能力・獲得・継続の条件を分解する。
- 各KPIの現在の事実と将来仮定を分け、月次入力へ渡す前提をまとめる。
ここまでできたら:1年・5年の売上ツリーに式と単位、各KPIの検証箇所と未確認がある。
止めて確かめる条件:月額を年額と混ぜない。5年の数値を現在のインタビューで検証済みにしない。
結果をどう説明するか 架空:価格は面談の手掛かりのみ。顧客数と継続は未検証として5年の枝に明記する。
この工程で考えること 売上の式を因数へ分ける
親子IDでツリーを作る。1年後・5年後を別々に記入し、各KPIの単位・期間と検証済み範囲を明示する。
前後の工程とのつながり 受け取る:VPF-03、PSF-03。
渡す:PSF-05。
PSF-04 で答える問い・確認事項
この工程で答える問いと、確かめる事項です。
初期PL(アグレッシブ/スタンダード/コンサバ)
KPIツリーの明示 KPIの検証状況の明示
売上KPIツリーのテンプレートの欄
- 購入者数
- 月別売上
- 年間売上
- 一社当たり月間数量
- 供給能力
- 各枝の検証状態
- 単価
売上KPIツリーの埋め方
- Step1 1年目・5年目の期間、通貨、課金単位を決める。
- Step2 1〜12か月の売上を数量・単価へ分ける。
- Step3 各ノードの検証済み部分とFACTの対応を書く。
- Step4 49〜60か月の売上と、提供能力の制約を記す。
- Step5 各枝に検証済み範囲と将来の仮定を明記する。
- Step6 数量・価格・費用が変わる原因を3ケースで置く。
問いの要点:売上 KPI の検証状況
- 1年後・5年後の売上につながる KPI のツリーと、そのうち事実(インタビュー・公開情報)で検証済みの箇所はどこか
KPIツリー
初期PL:三つの収支シナリオと黒字化
単一の予測では、計画が外れたときの資金需要が見えません。売上だけでなく、黒字になる時期の違いを比較します。
どう答えをつくるか アグレッシブ・スタンダード・コンサバの前提をそろえ、5年後売上、単月黒字までの期間、累積黒字までの期間をそれぞれ計算します。前提となるKPIと費用を明示します。
何を根拠に、どこまで答えるか 三つの予測項目×三シナリオの見通し。期間内に黒字化しない場合も、そのまま示します。
陥りやすい間違い 各案で売上だけを増減させない。獲得費、運用費、初期投資の動きも対応させます。
5年売上・単月黒字・累積黒字の各予測
PSF-05 の手を動かす順序
用意するもの:顧客数・単価・継続率などのKPIと根拠。分からない数値には仮置きと記す/開始時費用・月次固定費・1件当たり変動費。金額単位と費用計上月を揃える/月0〜60を並べた計算表。既存シートがなければ月・顧客数・売上・変動費・固定費・初期費用・損益・累積の列を作る/資金判断も行う場合は開始時現金・請求/入金月・支払月・借入等を別表に用意する
- 10分:アグレッシブ/スタンダード/コンサバで、顧客獲得・価格・費用が変わる理由を書く。仮置きの値と裏付けのある値を分ける。
- 15分:同じ単位・計上条件で月次損益を計算する。5年後売上の期間を宣言する(例:49〜60月の年間売上)。60か月累計と混同しない。
- 10分:単月損益が初めて正になる月と、開始時からの累積損益が初めて正になる月を求める。初期費用は計上月に一度だけ含め、後で再び赤字になるなら併記。期間内未達も残す。
- 10分:判断を動かす前提を一つ変えて感度を見る。損益とは別に現金残高=前月残高+入金−出金を追い、不足月と必要資金を確かめる。
- 5分:3ケース×3予測と前提・未確認をまとめ、追加投資か再検証かを判断する。PLだけでは資金繰りや投資回収を判定しない。
ここまでできたら:三ケースそれぞれの5年後売上(対象期間を明示)・単月黒字月・累積黒字月を再計算できる。資金判断には別途入出金表と不足額がある。
止めて確かめる条件:単位・費用二重計上・計上時期が不明なら修正する。初期投資の全額費用化は自動で仮定しない。入出金条件がなければ資金充足は未判定とし、PL黒字を現金余剰・投資回収と呼ばない。
結果をどう説明するか 架空:獲得が遅いケースは累積黒字が期間内未達。追加費用の承認を先送りする。
この工程で考えること シナリオを変える原因を決める
別シートのPLへ月次で入力。数量・価格・変動費・固定費を変える理由を先に書き、単なる売上倍率にしない。
前後の工程とのつながり 受け取る:PSF-04、PSF-02、VPF-03。
渡す:PSFのゲート判定。
PSF-05 で答える問い・確認事項
この工程で答える問いと、確かめる事項です。
PLの明確化
3つのPLシナリオのテンプレートの欄
- 月次損益[万円/月]
- 前提と黒字化の判断
- コンサバ
- スタンダード
- 累積損益[万円]
- アグレッシブ
3つのPLシナリオの埋め方
- Step1 数量・価格・継続・費用が変わる原因を3シナリオで記す。
- Step2 各ケースの49〜60か月の売上合計を転記する。
- Step3 月次利益が初めて0を超える月を転記する。
- Step4 開始時費用控除後の累積が正になる月を記す。
- Step5 一つずつ前提を変え、結論が動く変数を探す。
- Step6 検証予算の上限と、再判断の条件を決める。
問いの要点:三つの収支シナリオ
- 5年後の売上、単月黒字・累積黒字までの期間を、強気・標準・慎重の3通りで示せるか
事業計画書
競合マップ:どの軸で選ばれ、何が参入を阻むか
二軸で右上に置けること自体は優位性の証明ではありません。顧客の選択に関係する違いと、将来も維持できる理由を確認します。
どう答えをつくるか 競合を分ける適切な二軸を定義し、各競合と自社案を根拠付きで配置します。象限ごとに、優位性と競合が参入しにくい要因を記述します。
何を根拠に、どこまで答えるか 二軸の理由、配置、各象限への優位性と参入障壁。比較条件と時点をそろえます。
陥りやすい間違い 自社だけが有利になる軸を選んだり、開発予定の機能を維持可能な参入障壁と混同しない。
二軸・競合配置・象限別優位性・参入障壁
PSF-06 の手を動かす順序
用意するもの:同じ顧客目的を満たす競合・代替一覧/比較可能な価格・性能等の根拠/自社資源と模倣条件
- 顧客に意味があり競合を分けられる二軸を選び、尺度・単位・低高の境界を定義する。
- 同じ条件で自社と競合を配置し、未確認の位置を明示する。
- 四象限ごとに競合への優位性とその根拠を説明する。
- 四象限ごとに参入障壁を点検し、模倣・参入で崩れる条件を記す。
ここまでできたら:二軸・自他の位置・各象限の優位性と参入障壁を説明できる。
止めて確かめる条件:自社が右上になるよう軸を後付けしない。空白象限を需要の存在と見なさない。
結果をどう説明するか 架空:価格と根拠確認可能性で配置。倉庫との更新協力が解消すれば障壁が弱まる。
この工程で考えること 顧客に重要な二軸を選ぶ
二軸の高低を判定する尺度と境界を先に定義。相関の強い軸や、自社だけ有利な抽象語を避ける。
四象限を比較する
各行は二軸図の象限に対応。競合名と自社の位置、勝てる根拠、参入の難しさが崩れる条件を記す。
前後の工程とのつながり 受け取る:VPF-04、VPF-05、PSF-03。
渡す:PSFのゲート判定。
出典: Kenichi Ohmae, McGraw Hill — The Mind of the Strategist
出典: Barney / Hesterly, Pearson — Strategic Management and Competitive Advantage
PSF-06 で答える問い・確認事項
この工程で答える問いと、確かめる事項です。
競合マップ作成
競合ポジションマップのテンプレートの欄
- 根拠を自分で確認できる範囲
- 配置の条件
- 優位を守る条件
- 崩れる条件
- 価格[月額円・同じ提供範囲]
競合ポジションマップの埋め方
- Step1 顧客に重要な独立した二軸と、高低の境界を書く。
- Step2 競合と自社の位置、比較時点、根拠を図上へ置く。
- Step3 この象限の競合に勝つ理由と参入を難しくする条件を書く。
問いの要点:競争上の位置と参入障壁
- 競合を二分する適切な二軸は何か。各象限での優位性と、競合が後から入れない参入障壁は
ポジショニングマップ
構造化シナリオ:価値を具体的な体験へ落とす
価値の説明と実際の利用体験が分断されると、必要な行動や提供側の条件を見落とします。構造化シナリオ等でサービスモデルを可視化します。
どう答えをつくるか この工程ではCJM、サービスブループリント、シーケンス図/構造化シナリオを選択肢にしています。顧客の体験を踏まえ、価値・活動・インタラクションをつなぎます。予期的UXでは認知接点、開始のきっかけ、利用の決め手、価値観・基本情報・状況との整合も扱います。
何を根拠に、どこまで答えるか コアシナリオを通じたサービスモデル。利用者の行動と提供側の処理が、どの価値を実現するかを示します。
陥りやすい間違い 画面遷移だけで体験全体を説明しない。利用前の期待、現場や他者とのやり取りも確認します。
サービスモデルと一貫した顧客体験
PSF-07 の手を動かす順序
用意するもの:対象者とコア場面/提供価値と届け方の仮説/提供側の役割と実際の手順
- この工程で使うCJM・サービスブループリント・シーケンス図/構造化シナリオから、説明する関係に合うものを選ぶ。
- 開始から成果までの顧客行動を時間順に置く。
- 価値・接点・提供活動を対応させる。ブループリントなら5レーンと3境界を置く。
- 引継ぎ、待ち、失敗、回復を矢印でつなぎ、利用者の成果が途切れないか一巡する。
ここまでできたら:選んだ形式でサービスモデルと一貫した顧客体験を説明できる。全形式の作成は必須でない。
止めて確かめる条件:手法のセルを埋めても価値と行動の関係がないなら未完。仮定の運用は実装済みとしない。
結果をどう説明するか 架空:照会から回答までを描き、更新日が古ければ人の確認へ切り替える。
この工程で考えること バリューからアクティビティへつなぐ
列を体験の時間順に読む。認知→コア体験→内省・共有→回想・蓄積を、根拠と結んで記述。
予期的UXの成立を確かめる
本人に価値のある利用理由を検討する。利用を強制する設計にはしない。
前後の工程とのつながり 受け取る:CPF-10、VPF-01、PSF-03、PSF-01。
渡す:PSF-08。
PSF-07 で答える問い・確認事項
この工程で答える問いと、確かめる事項です。
コアシナリオの明確化
CJM/サービスブループリント/シーケンス図/構造化シナリオ
構造化シナリオのテンプレートの欄
- 期待する価値
- 認知と予期
- 利用開始
- コア行動
- 内省と共有
- 接点と例外回復
構造化シナリオの埋め方
- Step1 対象者の価値観、基本情報、置かれた状況と望む価値を書く。
- Step2 認知チャネル、接点、利用開始のきっかけをつなぐ。
- Step3 利用の決め手となるメッセージと価値観との一致を書く。
- Step4 誰が・いつ・どこで・何を・どう行うかを時間順に描く。
- Step5 行動ごとに接点と応答、失敗した時の戻り方を描く。
- Step6 利用後の評価、共有、蓄積、再利用の理由を記す。
サービスブループリントのテンプレートの欄
- 場面1:[記入]
- 場面2:[記入]
- 場面3:[記入]
- 物理的証拠
- 顧客行動
- 表側
- 裏側
- 支援
- 例外と回復:[検知条件] → [回復担当・代替処理] → [顧客の成果]
サービスブループリントの埋め方
- Step1 シナリオの行動を時間順に置き、各場面の成果を書く。
- Step2 画面・通知・書類・担当者など顧客が接するものを書く。
- Step3 顧客に見えるスタッフ・システムの応答を対応させる。
- Step4 可視境界線の下へ顧客に見えない処理と担当を置く。
- Step5 裏側を支えるシステム・部門と引継ぎ条件を書く。
- Step6 壊れやすい接点と回復担当、顧客成果の指標を置く。
問いの要点:中核となる体験の流れ
- サービスの中核の流れを、カスタマージャーニーマップ・サービスブループリント・シーケンス図・構造化シナリオのいずれかで示せるか
サービスブループリントカスタマージャーニーマップ
グランドデザインとワイヤー:未来像と主な利用フローを示す
将来のサービス像と、実際に使うときの流れは役割が異なります。両方を用意して、魅力と具体性を伝えます。
どう答えをつくるか サービスを象徴する1〜2枚のキービジュアルと、メインシナリオを実現するフローを作ります。構造化シナリオから、場面・操作・結果の対応を確認します。
何を根拠に、どこまで答えるか 将来像を示すグランドデザインと、モックアップ/ワイヤーフレームによる主要フロー。
陥りやすい間違い 美しい完成画面だけで、何をするとどの状態に進むかを省かない。未実装の表現は区別します。
象徴するキービジュアルとメインシナリオのフロー
PSF-08 の手を動かす順序
用意するもの:PSF-07のコアシナリオ/将来のサービス像/入力・確認・完了・例外の条件
- 将来サービスを象徴する1〜2枚のキービジュアルで利用者・状況・変化を示す。
- メインシナリオの入力、確認、完了の画面・状態を描く。
- 操作・分岐条件を矢印で結び、失敗や中断からの回復先を加える。
- 利用者の目的に沿って一巡し、将来仮説と確認済みの挙動を区別する。
ここまでできたら:1〜2枚のサービス像と、メインシナリオを実現する操作フローがある。
止めて確かめる条件:文字だけの約束をキービジュアル完成としない。正常系しか描けない場合は例外を補う。
結果をどう説明するか 架空:根拠付き回答の利用場面を一枚、コード入力から結果と修正までを別図にする。
この工程で考えること シナリオから画面と機能を追う
PSF-07の場面をタスクに分解。誰が、どの画面で、何を操作し、どうなるかを書き、次の画面へつなぐ。
キービジュアルの構成を決める
図を貼る前に、誰が何を得るサービスかを一枚で伝える構成を決める。作図ツールや紙に図・ワイヤーを作る。
前後の工程とのつながり 受け取る:PSF-07、VPF-01、PSF-02。
渡す:PSFのゲート判定。
出典: ARCHECO — ステージゲートの問い・WCS・構造化シナリオ
出典: Stanford d.school — The Wallet Project & Gift-Giving Project
出典: NIST — AI RMF: Generative Artificial Intelligence Profile
PSF-08 で答える問い・確認事項
この工程で答える問いと、確かめる事項です。
ソリューションアイデアの可視化
グランドデザイン
モックアップ/ワイヤーフレーム
サービスの全体像のテンプレートの欄
- 利用前の困り事
- 利用後の変化
- サービスの働き
- 利用者
- 未検証の約束
- 提供関係
サービスの全体像の埋め方
- Step1 誰が、どんな場面で、何を得るサービスかを一文にする。
- Step2 利用者、困る状況、介入、変化を構図として描く。
- Step3 提供者・顧客・協力者の間の価値と情報を描く。
- Step4 実装済み、検証中、構想を図中で区別する。
メインシナリオの操作フローのテンプレートの欄
- 入力前
- 入力済み
- 確認待ち
- 完了
- 入力不備
- 中断
メインシナリオの操作フローの埋め方
- Step1 メインシナリオIDと、開始条件・完了状態を書く。
- Step2 画面ID、必要な入力、操作、次の画面を示す。
- Step3 判断に必要な情報と、利用者の確認操作を描く。
- Step4 完了結果、保存内容、次にできることを描く。
- Step5 空・誤入力・権限不足・根拠なしの戻り先を描く。
- Step6 各操作をシナリオの価値、機能ID、検証へ結ぶ。
PSFの通過判定(ゲート条件)
ソリューションの実現性・可能性・魅力・優位性が具体的に伝わること。
各問の回答と根拠を照合して判断します。記入済みの件数だけで通過とはせず、未確認・反証・条件を明示し、次へ進むか、追加検証するかを判断者が決めます。
PSF通過判定の手を動かす順序
用意するもの:通過判定基準:ソリューションの実現性・可能性・魅力・優位性が具体的に伝わること。/各工程の回答と根拠・反証/次段階の資源案と判断権限者
- 通過判定基準を読み、その各要素に対応する回答と根拠を提示する。
- 実現性・可能性・魅力・優位性の四観点の意味を判断者と確認し、基準の用語と今回の解釈を分ける。
- 根拠の強さと未確認・反証を点検し、記入完了と通過を分ける。
- → ステージゲート評価とはを参照し、判断種別と次の行動を記録する。
- Goの範囲・費用と時間の上限・責任者を承認し、再判断日と必要成果を合意する。
ここまでできたら:通過判定基準への結論、根拠、判断種別、資源承認、次回条件が説明できる。
止めて確かめる条件:重要な不足を隠して通過させない。資源未承認なら実行を拡大しない。PSFの通過をPMF達成と呼ばない。
結果をどう説明するか 架空:根拠資料を表示する試作で確認時間は短くなったが、更新費用が未確認のため保留(Hold)。費用と運用条件を確認できた時点で解決策を再審査する。
判断を記録するときの運用補足 解決策の実現性・可能性・魅力・優位性を、試験結果と顧客の行動で通過判定基準に照らします。判断種別は→ ステージゲート評価とはを参照して記録します。
進む場合はPoCの検証範囲・予算・時間・責任者を決めます。保留は技術や運用条件を確認できる時点、差戻しは解決策の修正箇所と再試験日を記します。
Stage-Gate Internationalの判断・資源配分の考え方を参考にしています。
このPSFゲートを通っても、PMF(市場で継続的に選ばれる状態)や拡大時の採算が証明されたことにはなりません。実際の利用、継続、支払、獲得と提供の費用を観察し、次の投資を改めて判断します。
この判断で止まっている場合 試作は動くが運用・採算・継続利用が分からないとき、次の検証を決める。 自社で進める場合は未確認事項を検証計画に戻してください。外部と進めたい場合は、新規事業支援(仮説設計・MVP開発・市場検証)を確認できます。
相談の前に「対象顧客、決めたいこと、確かめたこと、未確認、期限や予算の制約」を整理すると、必要な支援範囲を話しやすくなります。ARCHECOへの相談窓口 →
PSFゲートの判断のテンプレートの欄
- 実現性・可能性・魅力・優位性
- 根拠と反証
- 判断を分ける条件
- Go:次段階
- Hold:保留
- Recycle:差戻し
- Kill:中止
- 資源と再判断
PSFゲートの判断の埋め方
- Step1 実現性・可能性・魅力・優位性を、各工程の回答で示す。
- Step2 主要な結論を支える事実と、反対の事実を示す。
- Step3 崩れると結論が変わる仮説を特定する。
- Step4 進む(Go)・保留(Hold)・差戻し(Recycle)・中止(Kill)のどれかを選ぶ。
- Step5 次段階の費用・時間の上限と決定責任者を記す。
- Step6 次回判断する時期と持参すべき成果を決める。
PoC検証計画
検証する項目と、合格とする結果(勝ち筋)が、検証を始める前に合意されていること。
PoC を「動くものを作る工程」ではなく「判断の材料を取りに行く工程」として設計する段階です。何を確かめ、どんな結果なら次へ進むのかを、始める前に関係者と合意しておきます。ここが曖昧なまま始めると、動いた後で議論が振り出しに戻ります。
実行可能性の検証
- 期待している価値は提供できるか(運用上の障壁は無いか、膨大な費用がかからないか)。この段階で検証すべき項目は何か
- 簡易に確かめる方法: ①疑似的・部分的な運用で成果データを取る ②既存の基盤・ライブラリで手早く運用してみる ③有識者への深掘りインタビュー(人数は確かめたいことに合わせて決める。例: 8人程度)
- どんな結果が出たら実行可能性を担保できたと言えるか(勝ち筋)
検証計画
売上ポテンシャルの検証
- KPI ツリーのうち、売上・顧客獲得・提携開拓など影響度の高い KPI を達成できる見込みはどれくらいか
- 今すぐ測れる先行指標は何か。取り方: ①PoC を使ったテストマーケティング(PV・CV・流入元) ②疑似運用 ③既存基盤での簡易運用 ④有識者インタビュー ⑤調査会社のアンケート(回答数は確かめたい差に合わせて決める。例: 500人以上)
- どんな結果が出たら想定売上を担保できたと言えるか
KPIツリー検証計画
システムの実現性の検証
- 開発で実現性が不確かな部分はどこか。フィージビリティスタディすべき点は
- 確かめ方: ①プロトタイプ開発 ②実現できる研究機関・提携先・ベンダーとの連携 ③技術課題の有識者インタビュー ④論文・特許の調査
- どんな結果が出たら実現性を担保できたと言えるか
リスク管理の実現性の検証
- 評判・競合参入・安全・セキュリティなど、いま直面するリスクと将来の脅威はあるか
- 確かめ方: ①専門家(法務・研究部門・提携先)による受容可能性の見解 ②回避のための体制・契約 ③転嫁のための体制・保険・契約 ④軽減のためのバックアップ・拡張計画・冗長設計
- どんな結果が出たらリスク管理を担保できたと言えるか
検証計画
本番とのギャップ
- 簡易な検証と実際のサービス運用の差はどこか。この検証では確かめきれない点は何か
検証計画
PoC計画の承認条件
実行可能性、売上ポテンシャル、システムの実現性、リスク管理の実現性、本番とのギャップの5項目について、検証方法と合格とする結果が揃い、判断者と合意できたら計画を承認します。未確認の条件は実施前に解消するか、確認する手順と期限を計画に記します。ここで承認するのは検証の実施計画です。実施後の結果をもとに継続・修正・中止を判断するのは、次の工程で行います。
REFERENCE
手法を選ぶ・審査を運用するための補足
ステージゲートを進める中で迷ったときに、必要な項目を開いて確認できます。
ステージゲート法の補足
メリット・デメリット、デザインレビューとの違い、判定の4区分(Go・Hold・Recycle・Kill)をまとめています。
ステージゲート法のメリット・デメリット
大きな投資の前に仮説を小さく確かめられることがメリットです。判断の材料と責任者を揃えると、次に集める事実も明確になります。一方、審査資料を整えることが目的になると、顧客に会う時間が減ります。問いと資料を必要な範囲に絞り、事実が変われば前の段階へ戻れるようにします。
デザインレビューとの違い
デザインレビューは、設計や試作が要求を満たすかを確認する場です。ステージゲートは、その確認結果に顧客課題や事業性の根拠も加え、次の段階へ資源を投じるかを判断します。レビューに合格しても、顧客の課題や採算が未確認なら事業を進める根拠は足りません。設計の確認と事業の継続判断を分けて運用します。
ステージゲート評価(Go・Hold・Recycle・Kill)とは
Goは、根拠と資源が揃った範囲で次へ進む判断です。Holdは、必要な条件が整うまで保留し、待つ条件と再判断日を決める判断です。Recycleは、検証不足や修正のために戻る工程と確かめる内容を決める判断です。Killは、現時点の事業案を中止し、その根拠と得た学びを残す判断です。いずれも判断者、根拠、次の行動を記録します。
仮説が外れた兆候を確かめる
市場がない・勝てない・使われない・回らない。いま疑うべきリスクと、判断に使う事実を対応させます。
4つのリスクから、確かめる対象を選ぶ
市場がない。 解決しようとした困りごとが、そもそも存在しなかった。あるいは、あっても解決にお金を払うほどではなかった。 勝てない。 困りごとは実在するが、すでに別の手段で片づいている。その手段から乗り換える理由を作れなかった。 使われない。 選ばれて導入されたのに、現場に定着しなかった。動くものはあるのに、誰の習慣にもならなかった。 回らない。 使われているのに、事業として続かなかった。1件あたりの採算、供給の体制、資金の残量。どれかが先に尽きた。
この4つは、順番に来るとは限りません。市場の検証を飛ばして作り始めた事業は、1つ目のリスクに最後に気づきます。だから大事なのは、 いま自分の事業は、どのリスクにいちばん近いかを先に決めること です。フレームワーク選びは、その次に来ます。
リスクと検証手法の早見表
| 確かめるリスク | 使うフレームワーク | 見つけたい兆候 |
|---|---|---|
| 市場がない | PEST分析。3C分析。TAM/SAM/SOM。ジョブ理論。 | 追い風の不在。市場の小ささ。片づけたい用事の不在。 |
| 勝てない | SWOT(クロス分析)。ポジショニングマップ。リーンキャンバス/ビジネスモデルキャンバス。 | 乗り換える理由の不在。既存手段との差の無さ。 |
| 使われない | デザイン思考。カスタマージャーニーマップ。MVP(リーンスタートアップ)。 | 言っていることと行動のずれ。定着しない体験。 |
| 回らない | KPI設計。撤退基準。 | 続ける根拠の不在。損失の上限の不在。 |
「市場がない」を検出する型
いちばん高くつくリスクです。作り終えてから見つかることが多いからです。このリスクの兆候を確かめる方法は、机の上の分析と、人の口から出る言葉の2種類があります。
PEST分析 は、政治・経済・社会・技術の4つの窓から市場の追い風と向かい風を洗う型です。埋めて終わりにせず、「乗る追い風」を1つ選ぶところまでが検出です。
外れたと分かる1行:「この追い風を裏づける公的な統計を、1つも指せなかったとき」。
3C分析 は、顧客・競合・自社の3点から立ち位置を測る型です。兆候を確かめる方法として使うときの要点は、競合の欄に同業他社ではなく「顧客がいま現に使っている手段」を書くことです。とはいえ、競合が見当たらない市場は、青い海ではなく、たいてい需要のない海です。
外れたと分かる1行:「想定顧客に『いまどうしていますか』と聞いて、何の手段も返ってこなかったとき」。
TAM/SAM/SOM は、市場の大きさを「理論上の全体・狙える範囲・初年度に取れる範囲」の3段で数える型です。上の2段は調査で出ます。ところが、兆候を確かめる方法になるのは、いちばん下の段だけです。
外れたと分かる1行:「初年度の顧客数を『どの経路から何件』の足し算で書けなかったとき」。
ジョブ理論 は、「顧客は商品を買うのではなく、片づけたい用事(ジョブ)のために雇う」という見方の型です。クレイトン・クリステンセンが提唱しました。属性ではなく用事まで降りることで、市場の実在を確かめます。
外れたと分かる1行:「その用事を、いま別の手段で片づけている人を1人も特定できなかったとき」。
「勝てない」を検出する型
市場が実在しても選ばれず、事業が成立しないリスクです。このリスクは、比較の中にしか現れません。だから兆候を確かめる方法も、自社を単体ではなく比較の座標に置く型になります。
SWOT は強み・弱み・機会・脅威の4象限です。4つを埋めるだけでは何も検出しません。効くのは掛け合わせ(クロス分析)で、「強み×機会」から攻め筋を取り出し、その攻め筋が通らない条件を先に書きます。
外れたと分かる1行:「強みを使った提案が、機会側の顧客に3回続けて刺さらなかったとき」。
ポジショニングマップ は、顧客が選ぶときに使う2軸の上に、自社と既存手段を置く型です。兆候を確かめる方法として効くのは、軸の選び方です。自社が勝てる軸ではなく、顧客が実際に比べている軸で描きます。
外れたと分かる1行:「自社の位置が、既存手段と同じ場所に重なったとき」。
リーンキャンバス/ビジネスモデルキャンバス は、事業の構造を9つのブロックで1枚に描く型です。提唱者はそれぞれアッシュ・マウリャとアレックス・オスターワルダー。勝ち筋の仮説を1枚に固定できるのが強みです。一方で、埋まった瞬間に「決まったように見える」のが弱みです。埋まったことと、確かめたことは別です。
外れたと分かる1行:「課題のマスに書いた困りごとを、想定顧客がこちらから言う前に口にしなかったとき」。
「使われない」を検出する型
選ばれても利用が定着せず、事業が成立しないリスクです。このリスクの兆候は、会議室に出てきません。人の行動の中にしかないので、兆候を確かめる方法も観察と実物の2種類になります。
デザイン思考 は、ユーザーの観察から出発して試作と検証を回す型です。核は「聞く」ではなく「観る」ことです。会議室で8人に聞いたら全員が同じことを言った、ということは珍しくありません。
発言と行動の関係を確かめる1行:同じ場面で発言と行動が一致していれば、その仮説は支持されます。食い違っていれば、仮説を見直します。観察の機会がなかったなら、未確認のまま残します。
カスタマージャーニーマップ は、用事が発生してから片づくまでの行動と感情を時系列に並べる型です。兆候を確かめる方法として使うなら、感情の谷を想像で埋めてはいけません。谷の位置こそが「使われない」の候補地だからです。
外れたと分かる1行:「谷として描いた場面の不満を、観察かインタビューで誰も口にしなかったとき」。
MVP(リーンスタートアップ) は、実用に必要な最低限のものを先に現場へ出す型です。エリック・リースが提唱しました。「使われない」兆候を実物で確かめる方法で、ここまでの型が全部通っても、実物を置くと落ちることがあります。だからMVPは、作る前に合格の線を決めてから出します。
外れたと分かる1行:「作る前に決めた『何が1回起きたら継続か』が、期限までに1回も起きなかったとき」。
「回らない」を検出する型
使われても採算や運用が続かず、事業が成立しないリスクです。ここだけは、検出が遅れるほど傷が深くなるという意味で、他の3つと性質が違います。兆候を確かめる方法は2つで足ります。
KPI設計 は、事業の進みを測る数字の置き方です。兆候を確かめる方法として機能させる要点は、売上のような結果ではなく、作り手が来週動かせる数字を置くこと。結果の数字は、悪化が見えたときには手遅れになっているからです。
外れたと分かる1行:「置いた数字を見て、翌週の行動を1回も変えなかったとき」。その数字は兆候を確かめる方法ではなく、飾りです。
撤退基準 は、「最大でいくら失うか」の線を着手前に引く型です。事業を続けられない兆候を確かめる方法で、損失が大きくなる前に止める判断に使います。なお、「市場がない」まで戻る大きな損失は、製品と市場の適合(PMF)の問題です。
外れたと分かる1行:「累積の赤字が、着手前に引いた線を越えたとき」。この1行だけは、外れたら議論せずに従います。
記入した仮説を、確かめられる条件にする
事実と仮説を分け、確かめる行動まで決めます。数字と顧客の声の両方を使い、分かったことを型に戻して更新します。
空欄がなくても、利用を測れなかった開発記録
あるプロジェクトで、リーンキャンバスの全欄を埋めてから、業務用のスマートフォンアプリを公開しました。例えば、公開から12日後に、使われたかどうかを数える仕組みがないと分かったケースです。
組み込んだプログラム部品は66本ありましたが、誰がどの画面を使ったかを記録する部品は0本でした。リーンキャンバスを全部埋めても、利用を数える仕組みがなければ、仮説が外れたことに気づけません。
欄を埋める前に「何が起きなければ外れと分かるか」を1行決めておきます。例えば「試してもらった担当者が、1週間以内に見積回答を1件も完了できなければ、解決策を見直す」と定めます。その行動を記録できるようにしてから試せば、記入した仮説を実際の利用と照らして判断できます。
文章を自動で埋める記入と、人が決める検証
AIで文章を埋める速さと、仮説を確かめる速さは別です。何を疑うか、どんな結果なら見直すかを人が決め、顧客の行動や利用の記録で確かめます。
審査・社内制度・事業の育て方
問いが揃ったら、判定する人・予算・期限と、判定後の動きも決めます。
審査が「計画の出来栄え」を見てしまう
資料が整っているほど通り、事実が少ないほど落ちる審査になると、作る前の検証が飛ばされます。ゲートで見るのは、その段階で集めた事実の量と質です。
どの段階でも同じ基準で判定している
顧客と課題の段階で収支の精度を問うと、まだ答えられない問いで止まります。段階ごとに、答えられるはずの問いだけを問います。
合格の条件を、検証した後に決めている
結果を見てから基準を決めると、どんな結果でも「進める理由」が見つかります。PoC の勝ち筋は、始める前に合意しておきます。
ゲートが「やめる」を決められない
続ける・直す・やめるの3択のうち、やめるが事実上選べないと、ゲートは承認の儀式になります。やめた案件の学びを残す場所を先に用意しておきます。
社内ベンチャー制度・社内起業制度にゲートを組み込む
社内ベンチャー制度や社内起業制度は、「誰の案を、どの基準で、どこまで支援するか」を決める仕組みです。公募で集めた案を、1回の審査で予算化まで決めてしまうと、作る前に確かめるべきことが飛ばされます。
公募 → 顧客と課題の審査(CPF)→ 提供価値の審査(VPF)→ 解決策の審査(PSF)→ PoC の計画審査、のように、段階ごとに小さな予算と期限をつけてゲートを置くと、外れた案を早く・安くやめられ、残った案に資源を寄せられます。
審査員を経営層だけにせず、現場や顧客に近い人を入れること、審査の基準と問いを応募者に事前に公開することも、制度が形骸化しないための条件です。
社内ベンチャー制度の作り方を詳しく読む判定後の事業を、どの形で育てるか
既存事業の資産をどこまで使うか、意思決定をどこまで独立させるかで選びます。
料金・契約プランを見る| 選択肢 | 選ぶときの観点 |
|---|---|
| 社内で育てる | 既存事業の資産(顧客・販路・信用)を使い回せるなら、本体の中で事業部として育てるのが速い。 |
| 子会社化 | 意思決定の速さや人事・報酬の制度を本体と分けたいとき。資産をどこまで本体から使えるかが設計の中心になる。 |
| カーブアウト | 事業を切り出し、外部の資本や人材を入れて独立させる。本体の資産と切り離すほど、使えなくなるものも増える。 |
| ジョイントベンチャー(JV) | 自社だけでは足りない技術・顧客・販路を持つ相手と、出資して共同で事業をつくる。 |
| 譲渡 | 自社が持つ理由が薄れた事業を、より伸ばせる相手に渡す。ゲートで「やめる」と決めた事業の、学びと資産の生かし方でもある。 |
テンプレート一覧(69冊)
各段階に掲載しているテンプレートを、名前から探せます。
PowerPointテンプレート
必要な型を選んでダウンロードしてください。
- リーンキャンバス3ページPowerPoint表紙画像
- PEST分析3ページPowerPoint表紙画像
- VRIO分析3ページPowerPoint表紙画像
- SWOT分析5ページPowerPoint表紙画像
- 3C分析3ページPowerPoint表紙画像
- TAM・SAM・SOM3ページPowerPoint表紙画像
- WCS:事業領域の選択3ページPowerPoint表紙画像
- CPFゲートの判断3ページPowerPoint表紙画像
- VPFゲートの判断3ページPowerPoint表紙画像
- PSFゲートの判断3ページPowerPoint表紙画像
- 主対象と課題の定義3ページPowerPoint表紙画像
- 原体験と取り組む動機3ページPowerPoint表紙画像
- ステークホルダーマップ3ページPowerPoint表紙画像
- 観測からインサイトを考える3ページPowerPoint表紙画像
- 解決条件と実現可能性3ページPowerPoint表紙画像
- 顧客課題のロジックツリー3ページPowerPoint表紙画像
- 課題発見のヒアリング3ページPowerPoint表紙画像
- 優先する顧客セグメント3ページPowerPoint表紙画像
- 現状のカスタマージャーニー3ページPowerPoint表紙画像
- 機能・情緒・社会の課題3ページPowerPoint表紙画像
- 課題の深刻度3ページPowerPoint表紙画像
- 支出・時間・頻度3ページPowerPoint表紙画像
- なぜ自社が、なぜ今か3ページPowerPoint表紙画像
- 提供価値のロジックツリー3ページPowerPoint表紙画像
- 解決方向性の比較3ページPowerPoint表紙画像
- 価値・対価・費用の流れ3ページPowerPoint表紙画像
- 目標から逆算する成長計画3ページPowerPoint表紙画像
- 関係者と協力の約束3ページPowerPoint表紙画像
- 実現可能性と最大の課題3ページPowerPoint表紙画像
- 解決仮説の検証3ページPowerPoint表紙画像
- 売上KPIツリー5ページPowerPoint表紙画像
- 3つのPLシナリオ5ページPowerPoint表紙画像
- 競合ポジションマップ3ページPowerPoint表紙画像
- 構造化シナリオ3ページPowerPoint表紙画像
- サービスブループリント3ページPowerPoint表紙画像
- サービスの全体像3ページPowerPoint表紙画像
- メインシナリオの操作フロー3ページPowerPoint表紙画像
- 手持ちの手段と目的の更新3ページPowerPoint表紙画像
- チームの強みとネットワーク3ページPowerPoint表紙画像
- 事業に使える資産3ページPowerPoint表紙画像
- 時期別の事業成立条件3ページPowerPoint表紙画像
- サービスとチームの成立条件3ページPowerPoint表紙画像
- 技術シーズの適用条件3ページPowerPoint表紙画像
- 産業の変化と採用条件3ページPowerPoint表紙画像
- 産業選択とポジション3ページPowerPoint表紙画像
- 価値・協力・資産の成長計画3ページPowerPoint表紙画像
- 4つの観点で候補案を選ぶ3ページPowerPoint表紙画像
- Pugh比較と統合案3ページPowerPoint表紙画像
- リーン仮説の整合チェック3ページPowerPoint表紙画像
- ビジョンを実現する条件3ページPowerPoint表紙画像
- ソリューションの価値と利用場面3ページPowerPoint表紙画像
- バリューシナリオ3ページPowerPoint表紙画像
- 体験を四つの時間で見る3ページPowerPoint表紙画像
- 体験・タスク・機能の対応3ページPowerPoint表紙画像
- UIの状態と操作3ページPowerPoint表紙画像
- サービス計画と主要シナリオ3ページPowerPoint表紙画像
- 現場観察の記録3ページPowerPoint表紙画像
- ヒアリング調査の設計3ページPowerPoint表紙画像
- 行動ログと流入経路3ページPowerPoint表紙画像
- メンタルモデルと機能3ページPowerPoint表紙画像
- 体験の観察と振り返り3ページPowerPoint表紙画像
- ユーザビリティの専門家評価3ページPowerPoint表紙画像
- 価値の発散とロジックツリー3ページPowerPoint表紙画像
- プレトタイプの設計3ページPowerPoint表紙画像
- 改善の比較と採用後の確認3ページPowerPoint表紙画像
- 認証連携と同意の状態3ページPowerPoint表紙画像
- ToBeジャーニーと再利用3ページPowerPoint表紙画像
- 次の担当への引き継ぎ3ページPowerPoint表紙画像
- 競合の最低品質と差別化3ページPowerPoint表紙画像
OUR SUPPORT
ステージゲート伴走
自社の新規事業や社内ベンチャー制度に合わせて、段階・通過判定基準・問いを設計し、運用が回るところまで伴走します。
01
SUPPORT
ゲートの設計
段階の切り方、各ゲートの通過判定基準と問い、判定に使う事実と判定者を、自社の事業と体制に合わせて設計します。成果物として、段階と問いの一覧・判定基準の文書をまとめます。
02
SUPPORT
判定の線の調整
審査の問いと「続ける・直す・やめる」の判定の線を、自社の事業と予算に合わせて決めます。資料の作り込みではなく、判断に要る事実を絞ります。成果物として、判定会で基準を見直した理由と変更内容の記録を残します。
03
OPTION
審査会の運営(オプション)
審査会の進行、判定の記録、「やめる」判断の後の学びの整理までを担います。
04
OPTION
メンター役(オプション)
応募者・事業チームに伴走し、各段階の問いに事実で答えられるよう、検証の設計と実行を支援します。
RELATED SERVICES
関連サービス
参考文献
Christensen Institute — Jobs to Be Done Theory
状況と望む進歩、機能・情緒・社会の観点を採用。
Barney / Hesterly, Pearson — Strategic Management and Competitive Advantage
Effectuation.org — The Five Principles of Effectuation
手持ち資源・許容可能損失・関係者のコミットメントを採用。
ARCHECO — ステージゲートの問い・WCS・構造化シナリオ
自社の実務で使ってきた問いと手法を整理したもの。外部機関の認定手法ではありません。
Stanford d.school — The Wallet Project & Gift-Giving Project
面談、課題設定、案出し、試作、検証の反復を参考。
Strategyzer — Learning Card / Test Card
仮説・観測・学習・判断の分離を参考。
Nielsen Norman Group — Service Blueprints: Definition
顧客行動と表側・裏側の活動の対応を参考。
PESTの四観点を採用し、法・環境を補助観点として追加。
外部環境と内部資源を照合。交差検討表はARCHECOの独自構成。
HM Treasury — The Green Book 2026
不確実性・感度検討の考え方を参考。民間PL(売上・費用・利益を示す損益計算)の数式や閾値の出典ではない。
Kenichi Ohmae, McGraw Hill — The Mind of the Strategist
3Cの項目は、この工程に合わせて独自に整理しています。
NASA — Technology Readiness Levels
技術成熟度を技術要素ごとに評価。事業成立全体の認定には使わない。
NIST — AI RMF: Generative Artificial Intelligence Profile
生成AIの評価・監督・失敗対応を追加。エージェント業務分担欄はARCHECOによる応用。
FAQ
よくある質問
ご相談の前によくいただく質問です。解決しない点はお気軽にお問い合わせください。
01
QUESTION
フレームワークは、いくつ使えばよいですか?
目安は段階ごとに1〜2個です。必要な数は確かめたいことで決まります。増やすほど、埋める作業に時間が取られます。
02
QUESTION
社内提案には、どのフレームワークが向いていますか?
ビジネスモデルキャンバスとエレベーターピッチです。ただし、通ることと事業が成立することは別です。
03
QUESTION
フレームワークを使えば、失敗を避けられますか?
避けられませんが、早く気づくことはできます。事業が成立しないリスクを見定め、兆候を確かめる方法を選びます。 4つのリスクと兆候を確かめる方法の表
04
QUESTION
ビジネスモデルキャンバスとリーンキャンバスは、どちらを使うべきですか?
ゼロからの仮説出しならリーンキャンバス、既存事業の構造整理ならビジネスモデルキャンバスが向きます。どちらも埋めただけでは、仮説が外れた兆候を確かめられません。 提供価値とビジネスモデルを組む:キャンバスの使い分け
05
QUESTION
フレームワークは何から使えばよいですか?
いま何が分かっていないかで選びます。市場の実在、既存手段との差、使われるか、採算が回るかを分け、外れたと分かる条件を先に書きます。
06
QUESTION
フレームワークを埋めても事業が進まないのはなぜですか?
埋めた文章は仮説です。仮説ごとに外れたと分かる条件と、外で確かめる手段を用意し、観察した結果で次の判断をします。
07
QUESTION
ステージゲート審査とは何ですか?
新規事業を段階に分け、各段階の終わりに「次へ進めるか」を判定する審査です。1回で大きな投資を決めるのではなく、段階ごとに小さな予算と期限をつけ、その段階で集めた事実をもとに、続ける・直して戻る・やめるを決めます。
08
QUESTION
ステージゲート法のデメリットは?
段階と書類が増え、判定が形式的になりやすいことです。資料の出来栄えで判定したり、どの段階でも同じ基準で問うたりすると、手続きが重いだけになります。段階ごとに答えられる問いだけを問い、判定の材料を事実に限ることで避けられます。
09
QUESTION
ステージゲートはアジャイルと両立しますか?
両立します。段階の中では短い検証を何度も回し、段階の終わりのゲートで資源配分を判断する、という組み合わせが一般的です。ゲートは開発の進め方ではなく、投資判断の節目を決める仕組みです。
10
QUESTION
ゲートでは何を評価すればいいですか?
その段階の通過判定基準を満たす事実がそろっているかです。顧客と課題の段階なら課題が実在する事実、提供価値の段階なら価値と競争上の位置、解決策の段階なら実現性と収支、PoC の段階なら、検証を始める前に、勝ち筋・測り方・期限・損失の上限が合意されているかを見ます。
11
QUESTION
社内ベンチャーと子会社の違いは何ですか?
社内ベンチャーは本体の中に置かれた新規事業の組織で、子会社は別の法人です。社内ベンチャーは本体の資産を使いやすい一方、意思決定や制度は本体に縛られます。子会社は独立性が高い代わりに、本体の資産を使う手続きが増えます。
12
QUESTION
このページの問いは自由に使えますか?
問いも、テンプレートの欄と埋め方も、自由に使ってください。埋めること自体に価値はないので、時間をかけすぎず、動くもので確かめる段階へ早く進むことをおすすめします。
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