実績 - PoC開発

Service 02

PoC開発

新規事業の仮説を、事業化の判断まで

WHAT IT IS

PoC開発とは

本格的に開発する前に、事業の前提が成り立つかを小さく作って確かめ、次に進むかを判断するための証拠を集めることです。

  1. 動いた記録だけでは、事業として次に進めるかは決まりません。何を確かめたか、何が未確認かを分けて残します。
  2. 需要・技術・費用のうち、確かめたい前提を選びます。合格の線と期限を、作る前に決めます。
  3. 結果を基準と比べ、事業化・再検証・撤退を判断します。進む場合は、残る課題を次の開発工程へ渡します。

CAUTION

「デモのまま本番へ」は、注意が必要です

限られた条件で動くデモだけでは、本番で使えるかまでは分かりません。実データや例外への対応を確かめずに進むと、本番の前で作り直しが必要になることがあります。検証用に捨てるのか、本番に育てるのかを、作る前に決めます。

  1. 整えたサンプルで動くことと、本番の実データや例外を扱えることは別です。デモの成功だけで本番へ進めるとは判断しません。
  2. 検証用に捨てるのか、本番に育てるのかを先に決めます。決めないまま移行すると、作り直しの作業が見積もりから抜けます。
  3. 本番に近い条件で測り、未確認の前提と残る課題を渡します。本番で必要な監視や問い合わせ対応も、次の工程に含めます。
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WHY ARCHECO

検証を「動いた」で終わらせず、続けるかどうかの判断まで運びます

PoCの報告が「動きました」で終わると、続けるか、やめるかの判断は発注した側に残ります。ARCHECOは共創事業で、その判断を自分たちでも下してきました。だから作り始める前に、何が分かれば次に進めるかを決め、判断の材料をそろえて引き渡します。

  1. 判断の基準を、作る前に置く

    共創サービスで、仮説設計・検証計画・プロトタイプを扱ってきました。作り始める前に、何が分かれば次に進めるかを決めます。

  2. 利用者の前で確かめる

    旅行の共創事業では、実際の利用者と管理者にサービスを提供しながら検証しました。作ったものだけでなく、顧客との接点も変えて結果を確かめています。

  3. 分かったことと、残る課題を分けて渡す

    自社サービスでは、検証から本番運用へ進めてきました。検証で分かったことと、本番に向けて残る課題を分けて引き継ぎます。

SERVICE MENU

PoC開発の3つの型

いまどの段階にいるかで、頼むべき範囲が変わります。3つの型は排他ではなく、①から順に進めることも、②から入ることもできます。

  1. number 1

    どの仮説を確かめるか

    仮説検証型 PoC開発

    確かめる前提と検証項目を選び、進む・確かめ直す・やめる基準を決めます。検証計画にまとめます。

    期間
    個別に提示(仮説の数で決まる)
  2. number 2

    作れるかを確かめる

    技術検証型 PoC開発

    検証に必要な部分を作り、実データで測ります。必要な品質や速度が出るかを確かめます。

    期間
    個別に提示
  3. number 3

    次の段階へ渡すまで

    事業化判定型 PoC開発

    結果と未確認の前提を、次の判断に使える形にまとめます。進む場合は、次の開発工程へ引き継ぎます。

    期間
    個別に提示
背景

Solution Flow

プロジェクトの進め方

Window decoration

01

STEP 01

仮説と検証項目の選定

新規事業の仮説から、顧客・技術・事業性のうち何を確かめるかを選びます。利用できるデータと検証対象を確認し、事業化・再検証・撤退の判定基準を先に決めます。

Output

  • 仮説と検証項目

  • 判定基準

検証の設計と実装

仮説に必要な検証だけを設計し、プロトタイプや実データを使って確かめます。検証条件と結果を記録し、未検証の前提を分けます。期間は範囲で決まり、個別に提示します。

Output

  • 検証計画

  • プロトタイプ

  • 検証結果

判定と次の段階への引き継ぎ

結果を事前の基準と突き合わせ、事業化・再検証・撤退を判断します。残る不確実性と次に確かめること、引き継ぐ担当を整理します。

Output

  • 判定と根拠

  • 未検証の前提

  • 次の段階への引き継ぎ事項

COST

費用は、この5つで決まります

確かめる範囲と、用意できるデータで作業量が変わります。作る工程に加え、測って判定する工程も見積もりに含めます。

  • 確かめる前提の数

    小一つに絞る

    大複数を同時に確かめる

  • データの準備

    小使えるデータがある

    大収集・整理から始める

  • 検証する環境

    小限られた協力者で試す

    大既存システムとつなぐ

  • 情報を守る要件

    小機密情報を使わない

    大社外へデータを出せない

  • 作る範囲

    小計測に要る部分だけ

    大管理機能まで作り込む

  1. 1作る

    検証計画、データの準備、確かめるための最小の仕組みを作ります。

  2. 2動かす

    本番に近い条件で動かし、結果を計測して判定します。

  3. 3直し続ける

    再検証なら、確かめ直す範囲と期限を決めます。本番に進む場合の監視や改善は、次の工程として別に見積もります。

無料の診断で、次の検証で何を確かめ、どこで判断するかを具体的にお返しします。

OUR APPROACH

PoC開発に対するARCHECOの考え方

PoC開発の考え方は、成功したPoCが本番につながらなかった経験に表れています。ブログ記事「PoC疲れ」の要点をまとめました。

成功したのに前に進まないPoC
01 / 06成功したのに前に進まないPoC

動いたことだけを成功にすると、事業化の判断が残ります。

PoCでは、まず試作して動作を確かめます。ただ、デモが成功しても、本番でコードを作り直す必要があれば、その成功だけでは次の投資を決められません。

ARCHECOには、PoCが成功しても本番につながらなかった経験があります。動作確認だけでは事業化を決められないため、仮説と検証項目に加え、事業化・再検証・撤退の基準を始める前に決めます。

だから、ARCHECOは

そのため、ARCHECOのPoC開発では、判定基準を先に決めます。検証結果と未検証の前提を残し、次の検証や市場投入の判断へ引き継ぎます。

RECORD

PoC開発の現場の記録

実際の検証で得た判断と、検証が止まった現場の記録を、対象と条件が分かる記事とともに示します。

number 1

現場で見たこと:撤退基準は、累積赤字の上限に置く

関連記事を読む

number 2

現場で見たこと:成功したPoCが、本番にならない理由

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number 3

数値の記録:作るのは3日。上申日は18か月のあいだに4回動いた

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無料の新規事業PoC診断

いまの構想を PoC で何から確かめるべきかを無料で診断します。作れるかどうかではなく、「次の検証で何を確かめ、どこで判断するか」を具体的にお返しします。

※弊社のリソース状況によってはお受け出来ないことがございます。

CASE TYPES

PoC開発の実績(類型別)

守秘の範囲で、PoC の工程を確かめられる案件だけを載せています

業種
規模感
類型
支援範囲
金融 × 旅行
売上高 千億円規模
共創サービスの仮説を、検証計画とプロトタイプで確かめた仮説検証型
仮説設計・検証計画・プロトタイプ

COVERAGE

PoC開発の進め方・費用と、PoC止まりを防ぐ判定基準

PoC開発とは:新規事業で何を確かめる工程か

PoC(Proof of Concept/概念実証)は、本格的に開発する前に、事業の前提が成り立つかを小さく作って確かめる工程です。新規事業では、需要・技術的な実現性・費用を含む事業の成り立ちを検証し、次に進むかどうかを決める材料を作ります。

  1. PoCは、本格的に開発する前に、机の上では答えの出ない前提を小さな実物で確かめます。
  2. 検証と関係のない機能は作りません。実装を捨てるか育てるかは先に決め、測定結果と学びを残します。
  3. 成果は動くデモではなく、次に進むかを決められる証拠です。確認済みと未確認を分けて判断に渡します。

PoCの意味と、新規事業での位置づけ

PoCは「概念実証」と訳されます。アイデアや技術が、考えたとおりに成り立つかを、本番より小さな規模で確かめる取り組みです。IT・製造・医薬品・サービスなど、業界を問わず使われます。

新規事業の工程の中では、アイデアを出して仮説を立てたあと、プロトタイプやMVPで顧客に出す前に置かれます。この段階で確かめたいのは「作れるか」だけではありません。作ったものが事業として成り立つ前提(顧客が困っているか、払う理由があるか、費用が見合うか)のうち、机の上では答えが出ないものを、実物で確かめます。

PoCの成果物は、動くデモではなく「次に進むかを決められる証拠」です。動いたかどうかより、何が確かめられ、何がまだ確かめられていないかを残すことが、この工程の仕事です。

PoC開発で作るもの・作らないもの

PoC開発で作るのは、確かめたい前提を測るのに必要な最小の仕組みです。画面が粗くても、計測の仕込みと、本番に近い条件で動かす部分は手を抜きません。逆に、ログイン・管理画面・大人数での同時利用への備えなど、確かめたい前提と関係の無い部分は作りません。

PoCのために作ったものを、そのまま本番に使うかどうかは、始める前に決めます。捨てる前提なら速さを優先し、育てる前提なら本番に残す骨組みを最初の1本だけ通します。この宣言をしないまま進めると、動いたデモを見た経営層から「これを本番化しよう」と言われたときに、作り直しが必要だと説明できなくなります(記事「PoC疲れ」で扱った実例です)。

PoC疲れ|成功したPoCが本番にならない理由

新規事業でPoCが必要になる背景

技術が動いても、市場の需要や社内の判断が確認できていなければ事業化には進めません。作り込む前に、不確かな前提を確かめる必要があります。決裁や予算の条件も検証の前に整理します。

  1. 新規事業の不確かな前提は、一つずつ小さな規模で確かめます。外れたときの損失を抑えられます。
  2. 動くものを作りやすくなっても、社内の判断が追いつかなければ検証だけが積み上がります。
  3. 検証前に、次の判断をする人・必要な材料・予算が付く時期を整理し、一本ごとに判断まで終えます。

不確かさが大きいほど、作る前に確かめる価値が上がる

既存事業の改善と違い、新規事業には「顧客が本当にいるか」「その価格で払うか」「その技術で必要な品質が出るか」といった、答えの分からない前提がいくつも重なっています。全部を一度に本番の規模で作ってから確かめると、外れたときの損失が大きくなります。

PoCは、その前提を一つずつ、外れても損失が小さい規模で確かめるための工程です。前提の誤りに早く気づけるほど、同じ予算で試せる回数が増えます。

作る費用が下がり、判断の速さが問われるようになった

生成AIや既製のクラウドサービスの普及で、動くものを作る費用と時間は下がりました。その結果、PoCそのものは以前より気軽に始められます。一方で、作った結果をもとに社内で判断する速さは変わっていません。

作るのが速くなった分、PoCが積み上がって判断が追いつかない状態(PoC疲れ)が起きやすくなっています。PoCの数を増やすより、1本ごとに判断まで終わらせる設計が必要になっています。

社内の決裁と予算の条件を、検証の前に整理する

大企業の新規事業では、検証の結果が良くても、決裁の単位が大きく次の予算が付くまで時間がかかることがあります。PoCを始める前に、誰が次の判断をするか、判断に何が必要か、予算がいつ付くかを確認しておくと、検証が終わったあとに止まりません。

PoC・プロトタイプ・MVPの違い

PoCは仮説や技術的な実現性を、プロトタイプは見た目や操作感を、MVPは実際の顧客の行動を確かめます。目的に合わせて使い分け、検証結果と残る課題を次の工程へ渡します。

  1. PoC・プロトタイプ・MVP・実証実験は、確かめる問いが異なります。技術が動くだけで、顧客価値や事業性まで確かめたとは扱いません。
  2. アジャイルは短い区切りで作って直す方法で、PoCは検証の目的を表します。PoCは判断が出た時点で一度終わります。
  3. 次の工程へは、確かめた前提・未確認の前提・残る課題を渡します。実装を捨てても結果と学びは残します。
PoC・プロトタイプ・MVP・実証実験の違い
確かめること使う人作る量終わったあとの判断
PoC前提(需要・技術・費用)が成り立つか社内・限られた協力者前提を測る最小の仕組み事業化・再検証・撤退
プロトタイプ見た目・操作感・使い方が伝わるか社内・試用する利用者画面や試作品設計を直すか、作り始めるか
MVP実際の顧客が使う・払うか実際の顧客最小の製品(実際に使える)続ける・方向を変える・やめる
実証実験実際の現場・地域で運用が回るか現場・地域の利用者運用できる形の仕組み本格導入するか
MVP開発

PoCと実証実験の違い

PoCは「成り立つか」を確かめ、実証実験は「実際の現場で運用が回るか」を確かめます。実証実験は、自治体や交通、医療など、実際の利用者や地域を巻き込んで一定期間運用してみる取り組みを指すことが多く、PoCより規模も期間も大きくなります。PoCで前提を確かめ、実証実験で運用を確かめる、という順に並ぶのが一般的です。

PoV(価値実証)・PoB(事業実証)との関係

PoCを細かく分けて、PoV(Proof of Value/価値実証:顧客にとって価値があるか)とPoB(Proof of Business/事業実証:事業として利益が出るか)と呼ぶことがあります。技術が成り立つか(狭い意味のPoC)、顧客が価値を感じるか(PoV)、事業として回るか(PoB)の順に確かめる考え方です。

言葉を分けること自体より、いまの検証がどれを確かめているかを一文で言えることが大切です。技術のPoCに成功しただけで「価値も事業も確かめた」と扱うと、次の段階で同じ検証をやり直すことになります。

PoC開発とアジャイル開発の違い

アジャイル開発は、短い区切りで作っては直すことを繰り返す「作り方」です。PoCは「何を確かめるための工程か」を指す言葉です。両者は対立するものではなく、PoCの中でアジャイル開発の進め方を使うこともよくあります。違いは終わり方で、アジャイル開発は製品を育て続けるのに対し、PoCは判断が出た時点で一度終わります。

PoCからMVPへ渡すもの

PoCが終わったら、確かめられた前提・確かめられなかった前提・残っている課題を、次の工程(プロトタイプやMVP)に渡します。PoCで作ったものを捨てる場合も、計測の結果と学びは捨てません。PoCで技術の前提が確かめられた範囲だけを、MVPで顧客の行動として確かめる、という分担にすると、同じことを二度確かめずに済みます。

PoC開発のメリット・デメリット

小さな検証で前提の誤りを発見できれば、大きな開発への投資を判断しやすくなります。一方、判定基準や期限が無いと検証だけが積み上がります。動くものを作ること自体を成功にしないことが必要です。

  1. 基準や期限がないと、検証自体が目的になり、費用と時間が積み上がります。
  2. 不合格の線・費用の上限・期限を先に決めます。最終日に事業化・再検証・撤退を決め、結果を本開発へ反映します。
  3. 構想や社内データが外に出る危険には、入力情報・送信先・権利の扱いを契約で定めて備えます。
PoC開発のメリットとデメリット
内容効くための条件
メリット前提の誤りに、小さな損失で気づける始める前に、外れたと判断する線を決めている
メリット本開発の無駄な工数と費用を減らせる確かめた結果を本開発の要件に反映する
メリット経営層・投資家・現場の合意を、資料でなく実物で取れる何を確かめたかを数字と言葉で残している
デメリット検証を繰り返すほど、費用と時間がかかる費用の上限と期限を先に決める
デメリットPoC自体が目的になり、成果が出ない次の判断をする人と日を決める
デメリット構想や社内データが外に出る危険がある入力してよい情報と送信先、権利の扱いを契約で決める

メリットは「条件つき」で効く

PoCのメリットとしてよく挙がる「コスト削減」「リスクの低減」「意思決定の円滑化」は、どれも自動では得られません。外れたと判断する線を先に決めていなければ、前提が外れても検証が続き、費用はむしろ増えます。表の右の列が、それぞれのメリットが効くための条件です。

いちばん大きなデメリットは、PoCの目的化

情報漏えいや費用の増加は、契約と上限の設定である程度防げます。防ぎにくいのは、PoCを実施したこと自体が成果として扱われ、次の判断が先送りされることです。報告会で「感触は良かった」と締めくくられたPoCは、ほぼこの状態です。PoCの最終日に、事業化・再検証・撤退のどれかを決める会議を、始める前から予定に入れておくことが一番の対策です。

PoCをやるべき場面と、やらずに進む場面

PoCは、答えの分からない前提があり、それを外れても損失の小さい規模で確かめられるときに向きます。前提がすでに確かな場合や、作らずに確かめられる場合は、PoCを挟まずに進むほうが早くなります。

  1. 実績ある技術や既製サービスで足り、前提が確かならPoCを挟まず進めます。本番で試しても損失が小さい場合も同様です。
  2. 顧客の困りごと自体が分からないなら、先に聞き取りや調査をします。需要は紹介ページや手作業でも確かめられます。
  3. 作らないと分からない前提があり、小さな損失で試せるときにPoCを使います。要件や方法が不明なら設計から外部へ相談します。
PoCを挟むかどうかの目安
場面PoCを挟む挟まずに進む
技術新しい技術で、必要な品質が出るか分からない実績のある技術・既製のサービスで足りる
顧客誰が何に困っているかは分かっているが、その解き方で使うかが分からない顧客の困りごと自体が分からない(先に聞き取り・調査をする)
規模本開発が大きく、外れたときの損失が大きい作る量が小さく、本番で試しても損失が小さい
社内経営層や現場の合意を、実物で取る必要がある判断する人がすでに合意している

作らずに確かめられるなら、作らない

顧客の需要を確かめたいだけなら、紹介ページと申込みボタン、聞き取り、手作業でのサービス提供など、作らずに確かめる方法のほうが早く安く済むことがあります。PoCは「作らないと確かめられない前提」を確かめるときに使います。

外部に相談したほうがよい場面

新しい技術を使いたいが実現の方法が分からないとき、本開発に投資するかの判断材料が欲しいとき、要件が固まっていないとき、過去の開発で失敗した経験があるときは、PoCの設計から外部に相談すると、検証の範囲を絞りやすくなります。

新規事業のPoCで確かめる検証項目

需要があるか、技術的に作れるか、費用を含めて成り立つかを分けます。仮説ごとに測る項目・データ・合格と不合格の線を決めます。品質や速度の測定だけで顧客の需要まで確かめたことにはしません。

  1. 需要・技術的な実現性・費用を含む事業性は別の問いです。仮説ごとに測る項目とデータ、合格・不合格の線を決めます。
  2. いまのやり方を先に測って比較します。性能に加え、実データと実際の手順で、現場の業務に組み込めるかまで確かめます。
  3. 運用が続くかはPoCの期間内には見えません。確認済みにせず、本番に移ってから測る前提で計画します。
検証項目の3分類と、測るものの例
分類確かめる問い測るものの例合格の線の書き方
需要(価値)顧客はこれを使いたいか、困りごとは解けるか試用した人の継続、次の行動に進んだ割合、聞き取りの反応「試用者のうち、次の手続きに進んだ人が◯人以上」
技術的な実現性必要な品質・速度で作れるか正答の割合、処理1件あたりの時間、例外の割合「対象100件のうち、人の確認なしで終わった件数が◯件以上」
費用・事業性費用を含めて事業として成り立つか1件あたりの原価、運用の手間、本開発の見積もり「1件あたりの原価が◯円以下で、本開発の上限が◯円以内」

「具体性」の検証:現場で本当に使えるか

上の3つに加えて、実際の現場の業務や顧客の流れに組み込めるかも確かめます。数字が出ても、どの画面で使うのか、誰が結果を受け取るのか、例外が出たら誰に回すのかが決まっていなければ、本番では使われません。PoCの段階で一度、現場の担当者に実際の手順で触ってもらうことを勧めます。

比べる相手(いまのやり方)を先に測る

新しい仕組みの数字だけでは、良いか悪いかを判断できません。いまのやり方での処理時間や手戻りの割合を、PoCを始める前に測っておきます。比べる相手が無いPoCは、終わったあとに「良くなった気がする」以上のことを言えません。

PoCで確かめられることは、3つの層に分かれる

記事「AI PoCの進め方」で整理したとおり、PoCで確かめられることは、精度などの性能(第1層)、業務に乗るか(第2層)、運用が続くか(第3層)に分かれます。第1層は道具がそろっていて測りやすく、第2層は実データを流せば見えますが、第3層はPoCの期間内には見えません。PoCで「確かめた」と言えるのは第1層と第2層までで、第3層は本番に移ってから測る前提で計画します。

AI PoCの進め方|5ステップ・費用の内訳・失敗の回避策

PoC計画書:始める前に1枚で決める項目

PoCの成否の多くは、始める前に決まります。確かめる前提、合格と不合格の線、期限と費用の上限、終わったあとの判断の場を、1枚の計画書にまとめて関係者と合意してから作り始めます。

  1. 確かめる前提を一文にし、測る数字・データ・測る場所と、合格・不合格の線を先に決めます。
  2. 作るものと作らないもの、使用データ、判断・開発・現場・データの担当を計画書にそろえます。
  3. 期限と費用の上限、最終日の判定会議と出席者、実装を捨てるか育てるかを決めます。次の予算を決められる人も合意してから開始します。
PoC計画書の項目(この順に埋める)
項目書くことよくある抜け
確かめる前提誰の、どの困りごとを、どう解くと、使われる/払われるか(一文)複数の前提が混ざって、何を確かめたか分からなくなる
検証項目と測り方前提ごとに、測る数字・データ・測る場所品質の数字だけで、需要を測っていない
合格と不合格の線数字で書く。届かない場合の扱いも書く終わってから線を決め、結果に合わせて解釈を曲げる
範囲作るもの・作らないもの、使うデータ「あったほうがいい」機能が積まれる
体制判断する人、作る人、現場の担当、データの担当現場の担当がいないまま、会議室の中だけで検証する
期限と費用の上限最終日と、使ってよい金額の上限延長の条件が無く、期限が来ても続く
終わり方最終日の判定会議の日時と出席者、捨てるか育てるか報告会で終わり、次の判断の場が無い

いちばん飛ばされるのは「終わり方」

計画書の中で最も書かれないのが、最後の「終わり方」です。判定会議の日を始める前に予定に入れておくだけで、PoCが報告会で終わる失敗のかなりの部分が防げます。会議には、次の予算を決められる人に出てもらいます。

PoC開発の進め方

確かめる仮説を選び、検証項目と判定基準を決め、必要な技術とデータを用意します。小さく作って測り、事業化・再検証・撤退を判断します。AIを検証の手段に使う場合も、実データで品質・速度・費用を測り、入力できる情報と送信先を先に決めます。

  1. 前提と目的、検証項目と合否の線、計画と体制の順に決めます。いまのやり方も測り、判断する人が合意してから作ります。
  2. 使用権限のある実データと、本番に近い条件を用意して測ります。AIを使う場合は品質・速度・費用・例外対応、入力情報と送信先も先に決めます。
  3. 基準と結果を照合し、事業化・再検証・撤退を決めて引き継ぎます。未達なら機能を足す前に、前提の誤りと測り方の問題を分けます。
PoC開発の6つの工程
工程やること次に進む条件
1. 前提と目的を決める確かめる前提を一文にし、PoCで何が分かれば成功かを決める前提が一文で言える
2. 検証項目と線を決める測る数字・データ・合格と不合格の線、比べる相手(いまのやり方)を決める線が数字で書けている
3. 計画と体制を決める範囲・期限・費用の上限・役割・判定会議の日を計画書にまとめ、合意する判断する人が計画書に合意している
4. 材料を用意する実データ、検証の環境、協力してくれる現場や顧客を用意する本番に近い条件で動かせる
5. 小さく作って測る最小の仕組みを作り、実際の条件で動かして測る。結果が線に届かなければ、作り足す前に前提を見直す決めた数字が測れている
6. 判定して引き継ぐ線と結果を突き合わせ、事業化・再検証・撤退を決める。確かめたことと未確認の前提を残す次の工程の担当が結果を受け取っている

データと検証の環境の用意

PoCの期間を最も左右するのは、技術ではなくデータの準備です。使えるデータがあるか、量と質は足りるか、使う権限があるかを、作り始める前に確かめます。データを集めるところから始めるPoCは、期間の見通しが立ちません。また、きれいに整えたサンプルだけで動かすと、本番の入力で崩れます。本番に近い、乱れたデータで一度は動かします。

AIを検証の手段に使う場合に、追加で決めること

AIを使う場合は、正答の割合だけでなく、処理の速さ、1件あたりの費用、例外が出たときの扱いまでを合格の条件に入れます。正答の割合が高くても、処理に1件30秒かかれば現場では使えません。また、AIに入力してよい情報の範囲と、データの送信先(どの国の、どのサービスか)を、作り始める前に決めます。

結果が線に届かないとき

結果が合格の線に届かないとき、機能を作り足すのは多くの場合誤りです。まず、前提そのものが間違っていたのか、測り方に問題があったのかを分けます。前提が外れていたなら再検証か撤退、測り方の問題なら測り方を直して、期限の範囲で測り直します。

PoCの体制:そろえる役割と、兼ねてよい役割

PoCは、作る人だけでは回りません。次の判断をする人、現場で使う人、データを扱う人がそろって、はじめて結果が次の工程に引き継がれます。

  1. 現場で試す人、データを用意して権限を管理する人、仕組みを作って測る人をそろえます。開発は外部に任せられますが、発注側も測り方を理解します。
  2. 現場とデータの担当は兼任できます。役割を省いてよいという意味ではありません。
  3. 判断する責任者は兼ねず、予算を決められる人が担います。業務を変える権限を持つ人も体制に入れます。
PoCの4つの役割
役割担うこと兼ねてよいか
判断する人(発注側の責任者)計画書に合意し、最終日に事業化・再検証・撤退を決める兼ねない。予算を決められる人が担う
現場の担当実際の手順で試し、使えるかを判断するデータの担当と兼ねてよい
データの担当データの用意、権限、扱いの範囲を管理する現場の担当と兼ねてよい
作る人(社内または外部)検証の仕組みを作り、測る外部に任せてよい。ただし測り方は発注側も理解する

業務を変える権限を持つ人を入れる

PoCの結果が良くても、業務の流れを変える権限を持たない部署が担当していると、本番に進めません。PoCの対象を選ぶ段階で、結果が出たときに業務を変えられる人を体制に入れておくことが、本番に進むための条件になります。

PoC開発の費用と期間は、何で決まるか

確かめたい仮説の数、実データの整備状況、セキュリティの要件で工数が変わります。確かめる仮説を絞った場合、設計は2〜4週間、実装は1〜2か月が目安です。次の工程は結果を見て別に判断します。

  1. 費用を動かす条件のうち、前提の数・データ準備・作る量を上下で比較しています。本番に近い条件や安全要件でも費用は変わります。挿絵は金額や比率を表しません。
  2. 見積もりには、設計・データ準備・開発に加え、測って判定する工程も含めます。
  3. データ準備と社内判断の速さでも期間は変わります。費用の上限、期限、延長の条件を先に決め、延長する前に判定会議を開きます。
PoC開発の費用を動かす要因
要因費用が上がる条件抑える方法
確かめる前提の数複数の前提を一度に確かめる最初のPoCは前提を1つに絞る
データの準備データを集めるところから始める、整備されていない使えるデータがある対象から選ぶ
本番に近い条件既存の業務システムとつなぐ、実際の顧客で試す最初は限られた協力者・社内で試す
セキュリティの要件機密情報を扱う、社外にデータを出せない入力してよい情報の範囲を先に決める
作る量画面や管理機能まで作り込む計測に要る部分だけを作り、他は既製のサービスで済ませる

見積もりの内訳の見方

PoCの見積もりは、おおむね「設計(前提・検証項目・計画)」「データの準備」「作る工程」「測って判定する工程」に分かれます。金額の大小より、測って判定する工程が見積もりに入っているかを確認してください。作る工程だけの見積もりは、動くものは手に入っても、判断の材料が手に入りません。

記事「PoC止まりの正体」で書いたとおり、見積書に「残りの例外を誰が扱うか」の行が無いことが、本番で止まる原因になることもあります。

PoC止まりの正体|99.9%の精度で本番が止まった実録

期間の目安と、延びる理由

確かめる前提を絞った場合、設計に2〜4週間、作って測る工程に1〜2か月が目安です。期間を決めているのは、技術よりデータの準備状況と、社内の判断の速さです。期限と延長の条件は計画書に書き、延長は判定会議で決めます。

費用の上限は、撤退の線とセットで決める

PoCの費用の上限は、新規事業全体の撤退基準(累積の赤字の上限)から逆算すると決めやすくなります。上限に達した時点で何を判断するかを、事前に決めておきます(記事「新規事業の撤退基準」で計算の手順を扱っています)。

新規事業の撤退基準|指標の一覧と設計5原則

PoCの契約で、先に決めておくこと

PoCは結果が分からないことを確かめる工程なので、通常の開発とは契約で決める点が変わります。成果が出なかったときの扱い、作ったものと知見の権利、次の段階に進む条件を、始める前に書面で決めます。

  1. 請負か準委任かを確認し、前提が外れることも成果として扱うと合意します。合格線に届かなかった場合の扱いも明文化します。
  2. プログラム・資料・モデルの権利、知見の利用範囲と並行開発の制限、データの保管・削除・外部送信の可否を決めます。
  3. 費用の上限、追加作業や延長の負担、本開発に移る条件と判断の期限を、開始前に書面で決めます。
PoCの契約で確認する項目
項目決めること
契約の形成果物の完成を約束する請負か、作業の実施を約束する準委任か。PoCは結果が不確かなため、準委任が多い
成果を保証しないこと前提が外れることも成果であり、合格の線に届かなくても契約違反ではないこと
費用の負担上限額、追加の作業が出たときの扱い、延長の決め方
成果物と知的財産作ったプログラム・資料・学習済みのモデルの権利がどちらに属するか
データの扱い提供するデータの範囲、保管と削除、外部サービスへの送信の可否
次の段階への移行本開発に進む場合の条件と、その判断をいつまでにするか
知見の利用と制限PoCで得た知見を相手が他で使ってよい範囲、同じ領域での並行開発の制限

ARCHECOの契約の形

ARCHECOで選べる契約の形は、このページの下の「ARCHECOの契約モデル」にまとめています。検証の範囲がまだ固まっていない段階でも、ご相談いただけます。

PoC開発を成功させるポイント

本番に近い環境と実データで測り、始める前に判定基準と期限を合意します。小さく始め、結果が基準を満たさない場合は、追加実装の前に仮説を見直します。誰が次の判断をするかも決めます。

  1. 合格・不合格の線、期限、費用上限を判断者と合意します。作ったものを捨てるか本番に育てるかも先に宣言します。
  2. 前提と対象を絞り、本番に近い条件で実データ・現場の担当者・例外を通して測ります。
  3. 基準に届かなければ、追加実装の前に仮説を見直します。合意した合格基準を途中で変える場合は、判定会議で理由を残して決め直します。

小さく始め、早く外す

最初のPoCは、確かめる前提を1つ、対象の業務や顧客を一つに絞ります。複数を同時に確かめると、結果が出たときに何が効いたのか分からなくなります。外れることを前提に、外れたときに失うものが小さい範囲で始めます。

本番に近い条件で測る

整えたサンプルデータと、決まった手順で触る担当者だけでは、本番で起きることが見えません。実データ、実際の現場の担当者、例外が起きる状況を、PoCの中で一度は通します。

線と期限を、判断する人と合意する

合格と不合格の線、期限、費用の上限を、作る人どうしではなく、次の判断をする人と合意します。合意した線は、PoCの途中で動かしません。動かす場合は、判定会議で理由を残して決め直します。

捨てるか育てるかを、最初に宣言する

PoCで作ったものを捨てる前提か、本番に育てる前提かを、始める前に決めます。育てる前提なら、本番に残す骨組みを最初に1本だけ通します。捨てる前提なら、期限を切って捨てます。

PoC疲れ・PoC止まりが起きる原因

検証の成功が「動いた」だけで決まり、その先の意思決定と繋がっていないと、成功した検証も事業化に進めません。判定基準・期限・引き取る担当を決めずに検証を増やすことが、PoC疲れやPoC止まりに繋がります。

  1. 動いたことだけを成功にすると、数字の裏付けや本番化の作業が抜け、次の予算と判断につながりません。
  2. 合格線、判定会議の日、判断する人を先に決めます。本番化に必要な作業と、捨てるか育てるかも明示します。
  3. 既存のPoCは捨てる・育てる・保留に分け、捨てるものには期限を付けます。次に始める検証から、前提と出口を文章にします。
PoC止まりの原因と手当て
原因何が起きるか手当て
「動いて見える」設計のまま整ったデータと決まった手順でしか動かず、本番で作り直しになる検証項目に「本番に移せるか」を入れる
「あとは作るだけ」と思われる本番化の予算と期間が先に削られる本番化に要る作業を、PoCの報告に必ず書く
捨てるか育てるかが決まっていないデモをそのまま本番に使おうとして揉める始める前に宣言する
合否がデモの盛り上がりで決まる数字の裏付けが無く、次の予算が通らない合格の線を数字で先に決める
出口が決まっていない検証だけが続き、判断が先送りされる判定会議の日と、次の判断をする人を先に決める

PoC疲れ・PoC止まり・PoC死・PoC貧乏の違い

PoC疲れは、PoCを何度も繰り返しても事業化に進まず、組織が消耗している状態を指します。PoC止まりは、個々のPoCが成功しても本番に進まない状態を指します。PoC死・PoC貧乏も、ほぼ同じ状態を指す言葉として使われます。呼び方は違いますが、原因はほぼ共通していて、検証と次の判断がつながっていないことです。

すでにPoCが積み上がっている組織の立て直し

過去のPoCを責めるところからは始めません。いま宙に浮いているPoCを「捨てる」「育てる」「保留」に仕分けし、捨てるものには期限をつけます。そのうえで、次に始める1件だけでよいので、始める前に前提と出口を文章にします。1件でも最後まで通ると、組織の進め方が変わります。

PoCの結果で、事業化・再検証・撤退を決める

最初に決めた線と計測結果を突き合わせます。前提が成り立つなら事業化へ、追加で確かめる必要があれば再検証へ、成り立たないなら撤退へ進みます。段階をまたぐ審査では、未検証の前提も判断する人へ渡します。

  1. 判断する人が、計画時に決めた合格基準と測定結果を並べて判定します。事業化では未確認の前提と本番で必要な運用作業も次の工程へ渡します。
  2. 一部の前提が未達、または測り方に問題があれば、その前提だけを期限と上限を決めて測り直します。
  3. 前提が外れた、または費用が上限に達した場合は撤退を判断します。学びを残し、データ・知見・人を次へ引き継ぎます。
判定の3択と、その条件
判定条件次にやること
事業化へ進む需要・技術・費用の前提が、決めた線に届いたMVP・本開発へ。未確認の前提(運用が続くか等)を次の工程に渡す
条件つきで進む・再検証一部の前提が線に届かない、または測り方に問題があった届かなかった前提だけを、期限と上限を決めて測り直す
撤退する前提が外れた、または費用が上限に達した学びを記録し、資産(データ・知見・人)を次に引き継ぐ
新規事業フレームワーク

判定会議の進め方

判定会議では、決めた線と結果を並べ、3択のどれかを決めます。「もう少し様子を見る」は選択肢に入れません。続ける場合は、何を、いつまでに、いくらで確かめるかを決め直します。撤退も成果で、やめると分かったことで、次の検証に予算を回せます。

本番に進むときに、追加で必要になるもの

PoCで確かめられなかった層(運用が続くか)は、本番に移ってから測ります。本番では、例外の行き先、データの更新、利用者の問い合わせ、監視と障害対応など、PoCでは作らなかった部分が必要になります。発信元(ARCHECO)の自社開発の記録では、5か月の開発で機能の追加808件に対して修正728件、データベースの構造の変更が188回ありました。PoCで動いたものを本番に持っていく過程で、作ったのとほぼ同じ量の修正が発生します。この距離を見積もりと予定に入れておきます。

PoC開発を活用する業界と検証例

自社事業ohbagや自社プロダクトFAM BOXではPoCから本番運用へ進めました。金融と旅行の共創サービスでは仮説設計・検証計画・プロトタイプを扱い、複合事業会社では社内新規事業の仮説検証を行ってきました。業務自動化や社内文書検索の導入とは対象を分けています。

  1. ITでは品質と速度、製造では現場で使えるかを確かめます。実データや設備・季節による入力の変化を試験に含めます。
  2. 医薬・バイオでは、効き目や安全性を小規模で確かめます。規制の要件が後から追加されると検証が止まるため、要件も確認します。
  3. 小売・旅行では顧客が使うか・払うかを測ります。旅行の検証例では、部屋への案内とドアノブのチラシで顧客との接点を変えたあと、注文が増えました。
業界ごとのPoCの使われ方
業界よくある検証止まりやすい所
IT・ソフトウェア新しい技術で、必要な品質・速度が出るか実データで品質が落ちる
製造業検査や予測の仕組みが、現場の条件で使えるか設備や季節で入力の傾向が変わる
医薬品・バイオ効き目や安全性を、少人数・小規模で確かめる規制の要件が後から加わる
小売・旅行・サービス新しいサービスを、顧客が使うか・払うか社内の決裁と、現場の運用の変更が追いつかない

実例:大手旅行会社との共創事業

大手旅行会社との共創事業では、5週間で正式版に近い水準のMVPを作り、実際のホテルの利用者と管理者に提供しながら検証を進めました。検証の後半では、部屋への案内とドアノブに吊るチラシで接点を2つ変えたあと、後半11日間で受注が17件(前半13日間の2件に対し期間比850%)になりました。作る工程より、顧客との接点を変えたことが数字を動かした例です。

PoC開発の外部パートナーの選び方

動くものを作れるかだけでなく、検証項目と判定基準を一緒に決められるかを確認します。検証の成果物、データの扱い、次の工程で引き取る範囲を契約前に確かめます。

  1. 前提と測り方が発注側で決まっていれば、決めた仕組みを受け取る納品型が向きます。発注側に計画書と判断する体制が必要です。
  2. 前提や測り方から一緒に決めたい場合は伴走型が向きます。仕組みに加え、判定材料と次の計画を作るために、判断者の時間を確保します。
  3. 契約前に、前提を質問してくるか、領域の実績、データ管理、本開発への引き継ぎ、知見移転を確認します。依頼時は前提・合否の線・予算上限・使えるデータを用意します。
納品型と伴走型の違い
納品型伴走型
向く場面確かめる前提と測り方が、発注側で決まっている前提や測り方から一緒に決めたい
成果物決められた仕組み仕組みに加えて、判定の材料と次の計画
発注側に要るもの計画書と、受け取って判断する体制判断する人の時間

選ぶときに確認すること

提案の場で、確かめたい前提の中身を質問してくるかを見ます。要件を渡したらそのまま作る会社は、通常の開発では正しくても、PoCでは前提そのものを疑わずに作ってしまいます。あわせて、同じ領域での実績、データの扱いの決まり、本開発に進む場合に引き続き頼めるか、自社に知見を移してくれるかを確認します。

依頼する前に用意するもの

確かめたい前提の一文、合格と不合格の線の案、予算の上限、使えるデータの一覧があれば、複数の会社から比べられる提案を受けられます。依頼書(RFP)にこの4つを書き、2〜3社から提案を受けて比べることを勧めます。

PoC開発の注意点

機密情報の入力範囲と送信先、権利の扱い、検証にかける費用の上限を決めます。小さな環境で動いた結果だけで、本番の規模や顧客の需要まで確認できたとは扱いません。

  1. 共有情報、保管と削除、外部AIへの送信の可否を契約と計画書に書きます。成果物と知見の権利も先に決めます。
  2. PoCで動いたのは限定条件での結果です。本番の規模や顧客の需要まで確認済みとは扱わず、未確認の前提を分けて報告します。
  3. 前提が外れたときに作り足して取り返そうとせず、費用の上限に達したら追加実装の前に判定会議を開きます。

情報漏えいと権利

PoCでは、社内のデータや未公開の構想を外部と共有することがあります。共有する情報の範囲、保管と削除、外部のAIサービスに送ってよいかを、契約と計画書の両方に書きます。作ったものと知見の権利がどちらに属するかも、始める前に決めます。

期待を上げすぎない

PoCの結果は、限られた条件での結果です。小さな環境で動いたことを、本番の規模や顧客の需要まで確かめたことにはしません。報告では、確かめた前提と、まだ確かめていない前提を必ず分けて書きます。

費用が膨らむのを止める

前提が外れたときに作り足して取り返そうとすると、費用が膨らみます。上限に達したら、作り足す前に判定会議を開くことを、計画書に書いておきます。

NEWS & BLOG

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SOLUTIONS

PoC開発で使う開発手法・契約モデル

このサービスで使う開発手法・契約モデル・技術方式です。

FAQ

PoC開発のよくある質問

ご相談の前によくいただく質問です。解決しない点はお気軽にお問い合わせください。

01

QUESTION

PoC疲れ・PoC止まりを防ぐにはどうすればいいですか?

始める前に「何を満たしたら本番へ進む/進まない」の判定基準と期限を決めることです。判定基準が無いPoCは終わる理由が無いので、検証だけが積み上がります。加えて、本番に移す場合に誰が引き取るか(情シス・現場・外部)を先に決めておくと、PoCの作り方自体が本番を前提にしたものに変わります。

02

QUESTION

PoCとは何の略ですか?

Proof of Concept(概念実証)の略です。本格的に開発する前に、仮説が成り立つかを小さく確かめます。新規事業では、需要や事業の成り立ちを、技術的な実現性と合わせて検証します。

03

QUESTION

PoC開発の費用と期間はどのくらいですか?

確かめる仮説1つ、判定基準を先に決めた形なら、設計2〜4週間・実装1〜2か月が目安です。費用は「確かめたい仮説の数」と「使う実データの整備状況」でほぼ決まります。金額を比べる前に、何を満たせば本番へ進むかを社内で決めておくと、見積もりの範囲がぶれません。

04

QUESTION

PoCとプロトタイプ・MVPの違いは何ですか?

PoCは仮説や技術的な実現性を確かめ、プロトタイプは見た目や操作感を確認します。MVPは実際の顧客の行動で需要を確かめます。製品を市場に出す工程はMVP開発のページをご覧ください。 MVP開発

05

QUESTION

PoCで終わらせないために、何が必要ですか?

事業化・再検証・撤退の判定基準と期限を、作る前に決めておくことです。進む場合に誰が引き取るか、誰が決裁するかも先に整理します。

06

QUESTION

新規事業のPoCでは、何を検証しますか?

顧客の需要、技術的な実現性、費用を含む事業の成り立ちを確かめます。すべてを一度に作るのではなく、外れると事業が成り立たない仮説から検証項目と判定基準を決めます。

07

QUESTION

機密情報を扱う検証でも頼めますか?

使えます。入力してよい情報の線引き、送信先の制御、ログの保全までを設計に含めます。要件によっては閉域構成やローカルLLMも選択肢です。ルールだけでなく、技術的に守られる形にすることを前提にします。

Plans

ARCHECOの契約モデル

受託開発(1年以内のカスタム開発)、代理出産型プロフィットシェア(ARCHECOが事業運営を主導、無償保証・サービス譲渡確約付き、2〜3年計画)、ジョイントベンチャー(双方が資本出資し事業体を共同設立、2〜3年計画)、スウェットエクイティ(労働力を株式として投下)。事業フェーズとリスク許容度に合わせて、最適な契約形態を設計します。どの契約を選んでも、事業を当てることへのこだわりは変わりません。

Plan 01

Customize Development

カスタマイズ開発受託

お好みのスタイルを何なりと

ARCHECOのソリューションライブラリと自律型AI開発エージェントを活用し、1年以内でカスタムシステムを構築・納品します。AI戦略策定からAgentic RAG構築、業務特化型プライベートSaaS開発、UX/UIデザインまで、事業に必要な全工程を一気通貫で実行します。

Plan 02

Surrogacy

代理出産

産みの苦しみ、請け負います

ARCHECOが事業の企画・開発・運営を主導し、2〜3年計画で事業を立ち上げます。無償保証、サービス譲渡確約、採用代行を含むリスク軽減策をセットで提示。事業が黒字化して初めてARCHECOの収益が発生するプロフィットシェア構造により、全員が事業の成功だけに集中します。

Plan 03

Joint Venture

ジョイントベンチャー

新たなお仕事ご一緒に

クライアント様とARCHECOが資本を出し合い、新たな事業体を共同設立します。双方からの人材出向・採用により、独立した組織として事業を推進。既存事業のルールや予算制度に縛られない「出島」として機能し、スタートアップと同等のスピードと柔軟性で意思決定を行います。

無料の新規事業PoC診断

いまの構想を PoC で何から確かめるべきかを無料で診断します。作れるかどうかではなく、「次の検証で何を確かめ、どこで判断するか」を具体的にお返しします。

※弊社のリソース状況によってはお受け出来ないことがございます。