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2026.10.23.FRI

AIニュース2026年9月|新規事業の「任せ方」が変わる、国内外4つの動き

AIにも、人にも、提携先にも——「誰に何を任せ、自社に何を残すか」を決める時代

今回は『ブログ記事を動画で解説』シリーズの回。NECでは、仕事の役割を与えたAIが36体に増えたと報じられました。このAI社員を入り口に、2026年9月の4つのニュース——NEC、日立、GOとWaymoと日本交通、MetaのMuse——を取り上げ、AIや人、提携先に何を任せ、自社は何を担うのかを考えます。結論は、任せる範囲と、結果を確かめる人をセットで決めること。ブログ記事の見立てを、動画で順に解説します。

NEC——役割を渡されたAI社員と、人が残す最終判断

8月1日、NECはAIに部門長や社員の役割を割り当てる部署を新設しました。AIは社内規定に沿って業務途中の判断をし、評価と最終判断は人が担います。9月10日にはITmediaが、立ち上げ時のAI社員は17体だったと報じ、報道によれば現在は36体に増えています。
AI社員とは、一言でいうと役割を割り当てられたAI。当番表に仕事と担当をセットで書くようなものですが、当番表に仕事を書いても、最後に誰が確認するかは必要です。
ブログ記事の見立ては、AIの担当範囲と、結果を人が確認して決める範囲をセットで決めること。資料を作る仕事と、内容を確かめて実行を決める仕事は別だからです。たとえば、AIに任せた作業ごとに結果を最後に確認する人の名前を書く。作業をAIに移しても、確かめる役目が宙に浮いていないかが見えてきます。
AIを使う会社全般への提案もあります。資料を作る担当をAIに移すときは、内容を確かめる人の時間も確保したい。作る速さだけが上がり、確かめる側が追いつかなくなる状態を避けるためです。

日立——導入を外に頼むなら、成果の測り方と契約を先に決める

9月3日、日立は現場でのAI導入をチームで支えるサービスを発表しました。情報システム、設備の制御、製品に詳しい専門家が顧客の現場に入り、導入後もAIの働きを見守って運用を支えます。これはFDEと呼ばれる、勤め先の製品を顧客の現場に合わせて導入し、動かす技術者による支援です。
発注する側への提案は、AIの導入が終わっても現場で使われるとは限らない、という前提に立つこと。たとえば導入から1か月後に、対象の作業でAIを使った回数を調べるなど、実際に使われたかを何で確かめるかを先に決めます。
契約で明確にしたいのは三つ。データと成果物の扱い(社内データの持ち出し先、システムや手順書の権利がどちらにあるか)、契約をやめたあとの引き継ぎ、そして社内で導入方針を決める担当者です。何をもって成果とするかは、発注する側が決める必要があります。
具体的には、支援会社が発注側の社内データをどこへ持ち出してよいかを契約で決め、成果物の権利が自社と支援会社のどちらにあるかも明記します。契約をやめたあとも自社でシステムを使い続けられるか、データと運用手順を引き継いでもらえるかも確認します。支援会社が迷ったときに判断を頼める担当者の連絡先も、あらかじめ伝えておきます。

GO・Waymo・日本交通——共創は「得意な役割の持ち寄り」

9月15日、GOとWaymo、日本交通は、東京での自動運転タクシーの商用化に向けて合意しました。完全無人での商用運行は2027年中が目標です。Waymoは自動運転の技術、GOは配車アプリとタクシー事業者との連携、日本交通は運行管理と営業所の運営を担います。利用の入口はGOとWaymoの両方のアプリになる予定で、正式な開始時期は許認可を得たあとに決まります。
ここでの共創とは、会社同士が得意な役割を持ち寄って事業をつくること。運転の技術を持つ会社だけでは、サービスは続けられません。
提携を考える人への見立ては、相手の技術を見るときに、自社が集客や日々の運営で何を担えるかも確かめること。自社は顧客を集める役なのか、毎日の運営を支える役なのか。担う仕事が明確なら、提携後も自社が必要とされる理由を説明できます。
たとえば、自社の店舗やアプリで相手のサービスをお客さんに紹介できるなら、そうした販売や案内の場も相手に提供できる強みです。現場の経験がどの運営業務に生かせるかも含め、自社と相手の仕事を書き出して、役割を補い合えるか確かめたいところです。

Meta Muse——手続きをAIが担うと、お客さんは乗り換えやすくなる

9月8日、MetaはMuseを米国で公開しました。Museは利用者の代わりに手続きも進める、答えるだけでなく動くAI、つまりAIエージェントです。操作をチェックする監視役のAIも組み込まれ、メール送信や購入では、そのAIの承認に加えて、利用者本人にも実行前に確認します。
ブログでは、AIに手続きを任せるほど誤操作を防ぐ確認が重要になると考えています。
サービスをつくる側への見立ては、自社のお客さんがなぜ契約を続けているのかを点検すること。記事が挙げるのは、通信や保険のように継続して料金を払うサービスです。満足して残っているのか、変える手間が面倒で残っているのか。比較や手続きの手間が減れば、後者のお客さんは離れるかもしれません。手間が減っても選ばれる理由を、確かめる必要があります。
AIエージェントは、旅行先の候補を教えるだけでなく予約の手続きも進める助手のような存在です。顧客の側にそうした助手がつく前提で、自社の契約が「選ばれて続いている」のかを見直しておくことが、サービスをつくる側の宿題になります。

今日の問いは「あなたの会社は、誰に何を任せ、何を自社で担うのか」でした。NECからは、AIの担当範囲と人が最終判断する範囲を決めること。日立からは、外部の支援を頼む前に、現場で使われたかを測る指標と時期を決めること。GOとWaymoと日本交通からは、自社が運営で担う仕事を確かめること。Metaからは、乗り換えが簡単になっても自社を選ぶ理由があるかを考えること。明日からできるのは、AIに任せた作業の一覧を作り、結果を確認する人の名前を横に添えること。未定の作業から、チームで担当を相談してみてください。ブログ記事には、工場に広がるAI需要のニュースも載せています。リンクは概要欄からどうぞ。

ARC channel

10年間、大企業と新規事業を作ってきた ARCHECO(アルチェコ)が、自分たちのブログ記事を動画で解説しています。
紹介する事例は、記事と同じく公表された事実のみで、内部の事情や個人の責任は推測していません。
解説してほしい記事があれば、コメント欄で教えてください。