
6W3Hは5W1Hに「誰に・いくらで・どれだけ」を加えた9要素のフレーム。企画を実行と決裁に耐える形へ具体化する道具です。
9項目を並べるだけなら、使い方は難しくありません。しかし、順番を誤ると、全項目が埋まっていても企画は止まります。本記事では9要素の意味から、企画書や稟議で使える具体例まで解説します。さらに、ARCHECOが大企業との新規事業で得た「決裁者の問いから逆順に埋める」方法を紹介します。
6W3Hとは(5W1Hとの違い)

6W3Hとは、企画や施策を9つの問いで具体化する思考の枠組みです。When、Where、Who、What、Why、Whom、How、How much、How manyの頭文字から成ります。
5W1Hは「いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように」を整理します。出来事の説明や業務指示には十分な場合が多いでしょう。一方、6W3Hは対象、費用、数量まで問いに含めます。そのため、事業企画や提案の実行条件を詰める場面に向きます。
違いは、項目数だけではありません。5W1Hが「内容を伝える」骨格だとすれば、6W3Hは「実行できるかを判断する」材料まで広げた枠組みです。なお、英語の割り当てには複数の流儀があります。本記事では、実務で扱いやすいWhom、How much、How manyを採用します。
読み方
6W3Hは「ロクダブリュサンエイチ」と読みます。
6W3Hを使うメリット
6W3Hを使うメリットは、企画に必要な情報の抜け漏れを防ぎ、金額と数量を含む実行レベルまで具体化し、チームの共通言語として認識のずれを減らせることです。
- 抜け漏れを防ぐ: 9つの問いに沿って確認すれば、対象者、費用、規模など、企画時に見落としやすい条件を発見できます。
- 実行レベルまで落とし込む: How muchとHow manyを置くことで、「何をしたいか」だけでなく、投資判断や運営に必要な条件まで検討できます。
- チームの共通言語になる: 同じ9要素で企画を共有すれば、担当者ごとの前提の違いが表面化し、認識のずれを防げます。
たとえば研修企画を共有するとき、対象者、予算の前提、参加規模を同じシートに置けば、企画担当、承認者、運営担当が同じ条件を見ながら話せます。
3つ目のHには複数の流儀がある
6W3Hの基本は、5W1Hに「誰に・いくらで・どれだけ」を加える考え方です。ただし、3つ目のHをHow manyではなくHow long(どのくらいの期間)とする流儀や、Wの一つにWhich(どれを)を置く流儀もあります。
名称の正解を争うより、企画に必要な数量、期間、選択肢の問いが落ちていないかを確認することが実務的です。本記事ではHow manyを基本の9要素に置き、期間はWhen、選択肢はWhatやHowの検討時に補います。
追加された3要素——誰に・いくらで・どれだけ
追加される要素は、Whomの「誰に」、How muchの「いくらで」、How manyの「どれだけ」です。たとえば「研修を実施する」だけでは、対象者も費用も規模も判断できません。
「新任管理職に」「想定した予算内で」「対象部門から一定数へ」と具体化すれば、企画の輪郭が変わります。対象者が決まると提供価値を検討できます。費用が見えると投資判断ができます。数量が決まると運営体制や成果の見込みを検証できます。
ただし、6W3Hは空欄をなくすチェックリストだけではありません。特に提案や稟議では、3要素が「決裁できるか」を左右します。
9つの要素の意味と問い

9要素は、企画の事実、目的、実行条件を分けて考えるために使います。以下の表では、各要素の基本的な問いと、決裁で確認される点を対応させました。
| 要素 | 問い | 決裁で見られる点 |
|---|---|---|
| When | いつ実施するか | 開始時期、期限、判断のタイミング |
| Where | どこで実施するか | 対象地域、提供環境、運用場所 |
| Who | 誰が実行するか | 責任者、担当部門、意思決定者 |
| What | 何を行うか | 提供物、施策範囲、成果物 |
| Why | なぜ行うか | 課題、目的、経営方針との接続 |
| Whom | 誰に届けるか | 顧客像、利用者、受益者 |
| How | どのように進めるか | 手段、体制、実現可能性 |
| How much | いくらかかるか | 予算、投資妥当性、費用の前提 |
| How many | どれだけ実施するか | 対象数、販売数、成果指標 |
まずはこの9要素を抜け漏れチェックとして使えます。たとえば施策案を表に置き、空欄や根拠の弱い欄を見つけるだけでも、対象者、費用、数量の見落としを減らせます。そのうえで、企画を実行や決裁へ進めるときは、単に上から埋めるのではなく、後述する「埋める順番の向き」と要素間の整合まで確認します。
ロジカルシンキングでいうMECEが、分類の重複や漏れをなくす考え方であるのに対し、6W3Hの9要素そのものはMECEな分類ではありません。目的、主体、手段、費用、数量を異なる角度から確かめ、実行条件の漏れを潰すためのチェック軸として使います。
6つのW(When/Where/Who/What/Why/Whom)
Whenは実施時期と期限を問います。「来期」のような幅のある表現だけでなく、開始条件や判断時期も置くと実行につながります。
Whereは場所や提供環境です。店舗、オンライン、特定地域などを定めます。デジタル施策でも、利用端末や社内環境という「場所」があります。
Whoは実行主体です。「事業部」では責任の所在が曖昧です。責任者、担当部門、協力部門まで分けると、止まったときの判断先が見えます。
Whatは行う内容です。機能や施策を増やす前に、今回の範囲と成果物を示します。たとえば「顧客管理を改善する」ではなく、「問い合わせ履歴を共有できる試作版を検証する」と置きます。
Whyは背景と目的です。「競合も始めたから」では、投資理由として弱いでしょう。どの課題を解き、どの事業目的につなげるかを言葉にします。
Whomは提供先です。Whoが「誰が行うか」なのに対し、Whomは「誰に届けるか」です。顧客と利用者が異なる場合は、両者を分けて記載します。
3つのH(How/How much/How many)
Howは実現方法です。工程、チャネル、運営体制、検証方法などを扱います。Whatが「何を」、Howが「どう実現するか」と分けると、手段の先行を防げます。
How muchは費用です。予算だけでなく、算定の前提や費用が増減する条件も対象です。「見積もり中」で終わらせず、決裁時点で判断できる幅と条件を示します。
How manyは数量です。対象人数、導入拠点数、販売数、期間中の検証件数などが該当します。数値そのものに加え、「なぜその規模なら検証できるか」という根拠が求められます。
使いどころと注意点

6W3Hは、複数の関係者が同じ企画を判断するときに力を発揮します。特に構想から実行へ移る境目では、9要素をAI時代の要件定義へ展開すると、検証条件と実装条件をつなげやすくなります。
一方、どのマスを深掘りするかは企画ごとに異なります。形式をそろえるより、決裁の争点を見極めることが先です。
向く場面・向かない場面
向く場面は、新規事業の企画、施策提案、プロジェクト計画、稟議前の論点整理です。たとえば複数部門で試作版を検証する場合、WhoとWhomを分けるだけでも、実行者と利用者の混同を防げます。
アイデア発想では、思いついた案を9要素へ広げると、企画の骨組みを作れます。たとえば「社内の問い合わせを効率化する」という着想にWhom、What、Howを順に問い、誰のどの課題をどう解く案かまで具体化します。
チーム内共有では、全員が同じ9マスを共通言語にすることで、対象、責任者、規模についての認識のずれを早めに発見できます。
日常の業務指示やタスク管理では、Who、What、Whenに加えてWhomやHow manyも示すと、担当者が成果の相手と完了条件を判断できます。
報告書や報連相では、実施した内容だけでなくWhy、Whom、How much、How manyもそろえると、背景と成果規模を短時間で共有できます。
マーケティングや競合分析、顧客ヒアリング、商談にも使えます。具体的な進め方は後続の各節で分けて説明します。
また、会議前の共通フォーマットにも使えます。参加者が9マスへ仮説を書けば、「費用の前提がない」「対象数の根拠が弱い」など、議論する箇所を特定できます。
一方、発散を目的とする初期のアイデア出しには重すぎる場合があります。費用や体制を早く求めると、可能性を狭めるからです。また、単純な事実報告なら5W1Hで足ります。目的に応じて問いの数を選びます。
生成AIで9要素を埋めるときの使い方
生成AIに企画の概要を渡し、9要素のたたき台と不足情報を出させると、初稿作成と抜け漏れ確認を速められます。たとえば「未確定の項目は推測で埋めず、確認質問にする」「各項目の前提と、矛盾する組み合わせを示す」と指示します。
ただし、AIが補った費用、数量、顧客像を事実として扱ってはいけません。How muchは根拠資料、How manyは検証可能な規模、Whoは本人や部門の合意を人が確認し、機密情報や個人情報は利用環境の規程に沿って扱います。
埋める行為と決められる状態は別物
全項目に文字が入っていても、「未定」「調整中」「今後検討」が並べば判断材料にはなりません。空欄の有無ではなく、誰が何を決められる情報になっているかを確認します。
具体的には、How muchなら算定条件、How manyなら数量の根拠、Whoなら責任範囲を確かめます。決裁の争点になるマスには、前提、根拠、変更条件を添えます。数字の精密さより、数字が変わる条件を共有するほうが有効な段階もあります。
さらに、9要素どうしの矛盾も見ます。短いWhenに対してHowが大きすぎないか、Whomの課題とWhatが対応しているか、How manyの規模をWhoの体制で担えるか、を確かめます。「整合しているか」という問いが、チェックリストを意思決定の道具へ変えます。
発想を広げる7つの問い(SCAMPER法)と組み合わせる
SCAMPER法は、代用する・組み合わせる・応用する・変更する・別の使い道を探す・削る・並べ替えるという問いでアイデアを広げる手順です。9マスを埋めた後、各マスへこの問いを当てると代案を増やせます。たとえばWhatを「代用できないか」、Howを「組み合わせられないか」、Whomを「別の用途へ転用できないか」と問い直します。
実務では、変更前の9マスを残したまま代案を別色で追記し、どの問いから案が生まれたかを記録します。発散後は、実行条件を満たす案だけを新しい9マスへ移します。
競合のサービスを9マスに分解する
自社案ではなく競合サービスを6W3Hで書くと、提供対象、方法、価格の前提、提供規模を同じ軸で比較できます。公開情報で確認できない欄は推測で埋めず、空欄にします。
空欄になったマスが差別化の候補です。ただし、空欄だから優位とは限りません。顧客に必要かを確かめ、自社案で埋める一つのマスを選びます。
仕事の優先順位づけに使う
複数の仕事を並べ替えるだけなら、9項目すべてではなくHow much、How many、Whenの3つで比較できます。必要工数や費用、影響する件数、期限を同じ単位で並べます。
実務では「期限が近い順」だけで決めず、期限までに必要な負担と影響範囲を一行ずつ添えます。3項目で差がつかない仕事だけ、WhyやWhoへ戻って判断します。
毎回書き出さなくていい
慣れた後は、すべての場面で9マスを作る必要はありません。自分だけで処理できる定型業務なら、頭の中のチェックで足ります。
書き出すのは、他人に渡すときだけを基本にします。引き継ぎ、承認、外部依頼の前に、受け手が知らない前提だけを9マスで見える形にします。
電話・メールの抜け漏れを防ぐ
電話の前やメールの送信前に9マスを確認し、相手が知らない項目だけを拾います。すでに共有済みの情報まで繰り返す必要はありません。
たとえば依頼メールなら、相手が迷いやすいWhat、When、Howを本文へ置き、費用や数量が関係する場合だけHow much、How manyを加えます。送信前の一行確認にすると運用が続きます。
提供者視点と顧客視点を往復する
同じ9マスを「売る側」と「買う側」で2回埋めます。売る側のWhatが機能、買う側のWhatが解決したい仕事になっているなど、主語による違いが見えます。
二つの表を横に並べ、食い違うマスへ印を付けます。特にWhy、Whom、How muchのずれを一つ選び、説明か提供条件を直します。
分析のあと、どのマスを変えるかを決める
9マスを埋めただけでは、分析結果は行動につながりません。最後に「次の検証で変える1マス」を選び、変更前後と確認方法を書きます。
一度に複数のマスを変えると、結果の理由を判別しにくくなります。まずWhomを狭める、Whatを減らすなど一つに絞り、連動して動くマスは影響欄として記録します。
商談で「聞くこと」と「自分で埋めること」を分ける
商談前に9マスを作り、相手にしか答えられない項目へ印を付けます。相手のWhy、現場のWhen、予算判断のHow muchなどは質問し、公開情報や自社条件で分かる項目は事前に埋めます。
実務では質問を空欄の順に並べず、相手の課題から条件へ流れる順にします。商談後は、相手の発言と自社の仮説を別の記号で残し、混同を防ぎます。
ビジネス以外でも使える
6W3Hは、実施する人、対象、方法、費用、規模を決める構造が同じなら、学校や塾の企画にも使えます。用途ごとに業種を並べる必要はありません。
たとえば行事の企画でも、WhoとWhomを分ければ運営者と参加者を混同せず、How muchとHow manyを置けば必要な準備を見積もれます。
報告書に使うときの形
報告書に9マスすべてを転載する必要はありません。基本はWhat、When、Whoで実施事実を示し、Whyで目的との関係、How manyで結果の規模を伝えます。費用判断が必要な報告だけHow muchを加えます。
実務では、冒頭に「実施したこと・結果・次の判断」の3行を置き、足りない前提を6W3Hで点検します。読み手が判断に使わないマスは本文から外し、記録へ残します。
具体例:企画を9マスで詰める

例として、法人向けの業務支援サービスを小規模に検証する企画を考えます。9要素を一文へ押し込むより、最初は9マスに分けたほうが議論しやすくなります。
そのまま使える9マスの空欄シート
次の表を複写し、一つの企画につき各欄を一文で埋めます。最初から完成させず、未確定の欄には確認する担当者と期限を添えると、次の行動につながります。
| 要素 | 記入する内容 |
|---|---|
| When(いつ) | |
| Where(どこで) | |
| Who(誰が) | |
| What(何を) | |
| Why(なぜ) | |
| Whom(誰に) | |
| How(どのように) | |
| How much(いくらで) | |
| How many(どれだけ) |
同じ9マスを、そのまま配布用のシートにしています。XLSX版でダウンロード/PDF版でダウンロード
企画書での使用例
企画書では、次のように置けます。Whenは「次の事業期間内」、Whereは「協力部門の業務環境」、Whoは「新規事業責任者と開発担当」です。Whatは「問い合わせ整理を支援する試作版」、Whyは「対応の属人化を減らせるか確かめる」、Whomは「問い合わせ業務を担う担当者」とします。
残るHowは「既存業務と並行して試用し、利用記録と面談で評価する」です。How muchには予算枠と算定条件、How manyには対象部門数や利用者数の仮説を置きます。実額を早急に固定するのではなく、意思決定に必要な範囲と変動要因を明記します。
ここで大切なのは、文章の完成度より項目間のつながりです。Whomが変われば、WhatとHowも変わります。How manyが増えれば、Whoの体制とHow muchも変動します。「9マスを独立して埋める」のではなく、変更の連鎖を確認します。
提案・稟議での使用例
提案や稟議では、同じ9マスでも並べ方を変えます。冒頭にWhyとWhatだけを長く書くと、読み手は費用と責任者を探すことになります。そこで、要約欄では「何の判断を求めるか」に続けて、How much、How many、Whoを示します。
たとえば「試作版を検証したい」という提案なら、予算の前提、検証規模、責任者を先に提示します。その後に対象者、方法、時期を説明します。企画の発想順ではなく、決裁者が判断する順に情報を届ける形です。
ただし、6W3Hの項目名をそのまま文書へ並べる必要はありません。「目的」「承認事項」「予算と体制」「検証計画」のように、社内書式へ翻訳できます。9マスは思考の裏側に置き、表面では読み手の判断経路に合わせます。
現場の事例:店舗受け取りサービスを9つの問いへ置き換える
小売事業者が店舗受け取りサービスを試す場面では、Whatを「注文商品の店頭受け取り」、Whomを「平日に配送を受け取りにくい利用者」、Whereを「駅に近い一店舗」と置きます。How manyは対象店舗と一日の受取上限、How muchは試行に必要な運用工数として仮置きします。
この時点で答えがない欄は、会議で推測して埋めません。担当者への確認や一店舗での試行へ変えます。6W3Hは企画を詳しく見せるためではなく、実行前に誰が何を決めるかを明らかにするために使えます。
埋める順番には向きがある

9要素を埋めれば、抜け漏れは実際に減ります。そこは疑う必要がありません。問題は、その先で起きます。9マスが全部埋まった企画が、決裁の場で止まる。埋まっているのに決まらないのは、埋める行為と、決められる状態が別物だからです。
ARCHECOは10年間、大企業と組んで新規事業を作ってきました。実装は3日で動くのに、導入の決裁まで18か月かかった経験があります(この案件で何が18か月を使ったか)。止めていたのは情報不足ではありません。決裁者の問いである「いくらで・どれだけ・誰が責任を持つか」への答えが、最後まで残っていたことです。
6W3Hは、アイデアを詰める道具として使えます。しかし、新規事業のMVP・PoC支援で重視しているのは、決裁の問いに先回りする使い方です。
How much・How manyを最後に回すと決裁で止まる
書き手はWhyやWhatから考え始め、Howを具体化します。費用や数量は見積もりが必要なため、後回しにしがちです。一方、決裁者が最初に見るのはHow much、How many、Whoです。
書き手が最後に埋めたくなるマスと、読み手が最初に見るマスは逆向きです。How muchが「別途精査」、How manyが「展開時に検討」、Whoが「関係部門で調整」なら、説明が充実していても判断できません。決裁者には、投資規模、成果の単位、責任の所在が見えないからです。
また、費用だけを先に確定しても十分ではありません。How manyとの関係がなければ、投資の妥当性を比べられません。Whoがなければ、実行可能性と問題発生時の責任を判断できません。3マスは一組として扱います。
決裁者の問いから逆順に埋める
まずHow muchで「判断を求める投資の範囲」を置きます。次にHow manyで「何をどれだけ確かめるか」を定めます。そしてWhoで「誰が結果に責任を持つか」を明らかにします。
その後、WhomとWhyで対象課題を確かめ、WhatとHowで解決策と検証方法を整えます。最後にWhenとWhereを実行条件へ落とします。順番は固定の規則ではありませんが、決裁の争点から始めると、未確定事項が早く見えます。
たとえばHow manyを決められない場合、Whomの対象像が広すぎる可能性があります。How muchの根拠が弱い場合、Whatの範囲が曖昧かもしれません。逆順で問い直すと、「未記入」ではなく「決められない原因」を特定できます。
社内の承認者や確認事項は組織ごとに異なります。稟議の通る経路はこちらで、文書名と承認経路の設計も確認できます。
ARCの事例:決裁の問いを先に置く企画設計
ARCHECOの新規事業支援では、企画をWhoやWhatから順番に埋めるだけでなく、決裁時に問われるWhom、How much、How manyを先に仮置きします。対象者、費用、数量の前提が見えると、未確定の項目を調査課題へ変えられるためです。
9マスは完成答案ではなく、何を小さく検証するかを決める共通言語として使います。具体的な進め方は新規事業・MVP・PoC支援で紹介しています。
この先:生成AIが9つの問いを対話型にする
生成AIは、企画の断片から6W3Hの下書きを作り、抜けた問いをその場で返せるようにします。そのため、9項目を一度だけ埋める使い方から、条件が変わるたびに問い直す対話型の運用へ移ります。特にWhom、How much、How manyの不整合を横断して示せれば、決裁前の論点を早く見つけられます。ただし、AIが補った対象者や費用の前提は事実ではないため、根拠と確認担当を項目ごとに残す必要があります。
一緒に覚えたい概念
- 5W1H:いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どうするかを整理する基本形。
- 6W2H:対象者と費用の問いを加え、企画や実行条件を具体化する整理法。
- SCAMPER法:七つの問いから既存案の変形や組み合わせを促す発想法。
- KPI:企画が狙った変化へ進んでいるかを途中で測る指標。
よくある質問
6W3Hとは何ですか?
企画や施策を9つの問いで具体化する思考の枠組みです。When、Where、Who、What、Why、Whom、How、How much、How manyの頭文字から成ります。5W1Hが内容を伝える骨格だとすれば、6W3Hは実行できるかを判断する材料まで広げた枠組みです。
6W3Hの9つの要素は何ですか?
いつ(When)、どこで(Where)、誰が(Who)、何を(What)、なぜ(Why)、誰に(Whom)、どのように(How)、いくらで(How much)、どれだけ(How many)の9つです。前の6つが事実と目的、後ろの3つが実行条件にあたります。
6W3Hと5W1Hの違いは何ですか?
5W1Hに、誰に(Whom)、いくらで(How much)、どれだけ(How many)の3要素を加えたものが6W3Hです。違いは項目数だけではありません。対象者が決まると提供価値を検討でき、費用が見えると投資判断ができ、数量が決まると運営体制や成果の見込みを検証できます。
5W1Hと6W3Hはどちらを使えばいいですか?
出来事の共有や簡潔な指示には5W1Hが適しています。企画、提案、稟議のように、対象、費用、規模まで判断する場面には6W3Hが向きます。迷ったら、読み手が投資や実行可否を決めるかで選びます。単純な事実報告なら5W1Hで足ります。
WhoとWhomの違いは何ですか?
Whoは「誰が行うか」、Whomは「誰に届けるか」です。Whoでは責任者、担当部門、意思決定者まで分けると、止まったときの判断先が見えます。Whomでは顧客像、利用者、受益者を置き、顧客と利用者が異なる場合は両者を分けて記載します。
3つ目のHはHow manyですか、How longですか?
流儀が複数あります。3つ目のHをHow manyではなくHow long(どのくらいの期間)とする流儀や、Wの一つにWhich(どれを)を置く流儀もあります。名称の正解を争うより、企画に必要な数量、期間、選択肢の問いが落ちていないかを確認することが実務的です。
6W3Hを埋める順番は決まっていますか?
固定ではありません。情報整理ならWhyやWhatから始めても構いません。ただし決裁を目的とするなら、How much、How many、Whoから確認すると、判断を止める論点が早く見つかります。3マスは一組として扱い、費用だけを先に確定しても投資の妥当性は比べられません。
6W3Hを会議でどう使いますか?
会議前に9マスを共有し、各欄へ「確定」「仮説」「未確認」の印を付けます。会議では全項目を読み上げず、未確認のうち決裁に影響するマスから議論します。最後にWhoとWhenを更新すれば、次の行動も明確になります。
6W3Hを議事録でどう使いますか?
議題ごとにWhyとWhatで決定の背景と内容を残し、WhoとWhenで担当者と期限を明記します。費用や対象数が決まった場合はHow muchとHow manyも記録します。未決事項には確認先と次回の判断時期を添えると、会議後の実行条件まで共有できます。
5W2H・6W2H・4W2Hとはどう使い分けますか?
共通する考え方は、用途に必要なWとHを選ぶことです。5W2Hは簡潔さを保ちたい業務計画、6W2Hは費用と数量のどちらかを個別の問いにしなくても足りる場面、4W2Hは定型的な業務指示を短く整理したい場合に使えます。名称だけで選ばず、読み手の判断に必要な項目が含まれるかで選びます。
6W3Hは企画書のどこに書きますか?
一か所に置くなら、企画書の冒頭にある要約欄が適しています。ただし項目名をそのまま見出しにする必要はありません。How much、How many、Whoを承認事項の近くへ置き、詳細は目的、対象、実施計画へ分けて記載します。9マスは思考の裏側に置き、表面では読み手の判断経路に合わせます。
6W3Hの価値は、9つの空欄を埋めることではありません。「いくらで・どれだけ・誰が」という決裁の問いに先回りし、企画を実行へ進められる点にあります。
ARCHECOは、決められる状態まで詰める設計から支援します。
