新規事業の生成AI利用 2万人実態調査(2026年)

役職が上がるほど生成AIの利用が進む様子を、階段を上るビジネスパーソンと強くなる青い光で表したイラスト。新規事業に関わる人の3人に1人が生成AIをほぼ毎日使う(株式会社ARCHECO・2万人実態調査)

生成AIは、現場からではなく“上”から浸透している。——株式会社ARCHECOが全国の会社員・経営層20,000人に実施した大規模調査で、新規事業に関わる人の3人に1人が生成AIを「ほぼ毎日」使う一方、利用は役職・年齢・企業規模で大きく分かれている実態が明らかになりました。本ページで調査の全データを設問別に公開しています。

要点サマリー

  • 新規事業に関わる人(4,794人)の33.6%が生成AIを「ほぼ毎日」利用。責任者に限ると48.9%=ほぼ2人に1人
  • 深く関わる人ほど使う——週1回以上の利用率は責任者78.5%、メンバー57.7%。役職でも一般社員55.4%→部長75.7%と上がる
  • 経営者・役員だけ二極化——「ほぼ毎日」36.2%と「ほとんど使わない」26.5%が併存。使わない経営者の8割は55歳以上、75%は49名以下の企業
  • 「45歳の壁」——週1回以上の利用率は45歳を境に下がり、55歳以上では59.0%(25〜34歳は77.3%)
  • 女性のねじれ——新規事業への関与率は男性より低い(20.5% vs 24.7%)が、関与した女性の利用は男性を上回る(週1以上72.6% vs 65.3%)
  • 入口は中堅、使い込みは大企業——関与率は300〜999名企業がピーク(30.4%)、毎日利用率は企業規模に単調で5,000名以上が最高(45.5%)

引用・転載について

本調査の数値・グラフ・図解は、出典を明記のうえ、報道・記事・SNS・社内資料などに自由にご利用いただけます(事前連絡不要)。出典表記は以下をコピーしてお使いください。

出典: 株式会社ARCHECO「新規事業の生成AI利用 2万人実態調査」(2026年・n=20,000)https://archeco.co.jp/ai-startup/report/ai-shintou-20000-2026/

引用の文例: 「株式会社ARCHECOが会社員・経営層20,000人に行った『新規事業の生成AI利用 2万人実態調査』(2026年)によると、新規事業に関わる人の33.6%が生成AIをほぼ毎日利用している。」——このままお使いいただけます。未公開のクロス集計、取材・コメント対応はページ末尾の窓口までご連絡ください。

調査概要

調査名新規事業の生成AI利用 2万人実態調査
調査対象全国の25〜69歳の会社員(正社員)・経営者/役員
有効回答20,000名
調査方法インターネット調査
調査期間2026年8月17日〜19日
調査主体株式会社ARCHECO

回答者は自主参加型のオンラインパネルであり、役職構成は国内の就業者全体より管理職層が厚いこと(課長クラス以上が38.2%)をあらかじめ開示します。本ページの数値は日本の就業者全体の推定値ではなく、本パネル内の実測値としてお読みください。回答分布の比較(役職間・年齢間など)は、同一パネル・同一設問での比較であるため、この偏りの影響を受けにくい設計です。

回答者の属性構成(n=20,000)

属性構成比
性別男性82.2%/女性17.8%
年齢帯25〜34歳7.4%/35〜44歳17.4%/45〜54歳34.4%/55歳以上40.8%
役職一般社員43.3%/係長・主任18.5%/課長18.1%/部長12.9%/経営者・役員7.2%
従業員規模49名以下21.8%/50〜299名22.4%/300〜999名17.2%/1,000〜4,999名17.9%/5,000名以上20.7%
所属部門新規事業開発6.2%/経営企画8.5%/DX推進8.3%/その他の部門77.0%

結果1: 新規事業に関わる人の33.6%が生成AIを「ほぼ毎日」利用——責任者ではほぼ2人に1人

直近3年に新規事業の検討・推進に関わった4,794人(20,000人中24.0%)に、新規事業に関する業務での生成AI利用頻度を尋ねたところ、「ほぼ毎日」が33.6%、「週に数回」を合わせた週1回以上は66.4%にのぼりました。関わり方で分けると、責任者として関わった層(2,016人)は「ほぼ毎日」48.9%・週1回以上78.5%、メンバーとして関わった層(2,778人)はそれぞれ22.5%・57.7%——深く関わる人ほど、生成AIを日常の道具にしています

利用頻度(新規事業関与者 n=4,794)回答率
ほぼ毎日33.6%
週に数回32.9%
月に数回18.4%
ほとんど・全く使わない15.2%
株式会社ARCHECO調査: 新規事業に関わる人の33.6%が生成AIをほぼ毎日利用(会社員・経営層20,000人調査)

結果2: 利用率は役職が上がるほど高い——一般社員55.4%、部長75.7%。生成AIは“上”から浸透している

「若手ほど生成AIを使う」というイメージとは逆に、新規事業の現場では役職が上の人ほど使っています。週1回以上の利用率は一般社員の55.4%から部長クラスの75.7%まで一貫して上がり、経営者・役員だけが58.6%に反転します(反転の内訳は結果3)。

役職(関与者内)週1回以上利用うち、ほぼ毎日
一般社員(n=738)55.4%24.8%
係長・主任クラス(n=822)61.2%29.3%
課長クラス(n=1,241)71.3%31.7%
部長クラス(n=1,280)75.7%41.7%
経営者・役員(n=713)58.6%36.2%
役職別の生成AI週1回以上利用率: 一般社員55.4%から部長クラス75.7%まで上がり、経営者・役員は58.6%に反転(新規事業関与者4,794人)
図: 役職別の週1回以上利用率(新規事業関与者 n=4,794)

ただし、この勾配の正体は役職そのものではありません。上位役職ほど「責任者として」関わる比率が高く(一般社員14.4%→経営者・役員83.0%)、その責任者の利用率が突出して高いためです。同じメンバー同士で比べると役職差は縮まります(一般社員52.5%〜課長63.4%)。「役職が上がるほど使う」の実態は、「新規事業に深く関わる人ほど使う」であり、深く関わる人が上位役職に多い——という二段構造です。

結果3: 経営者・役員は二極化——「ほぼ毎日」36.2%と「使わない」26.5%が併存する

経営者・役員(関与者713人)は「ほぼ毎日」36.2%と部長に次ぐ高さである一方、「ほとんど・全く使わない」も26.5%(189人)と全役職で最も高く、はっきり二極化しています。使わない経営者の内訳を見ると、79.4%が55歳以上、74.6%が従業員49名以下の企業に集中していました。年齢別の不使用率は35〜44歳8.3%(n=72)→45〜54歳18.3%(n=180)→55歳以上34.0%(n=441)と急勾配です。対照的に、5,000名以上の企業の経営者・役員は70.9%が「ほぼ毎日」と回答しています(n=55のため参考値)。

なお、従業員49名以下の企業では、新規事業の関与者841人のうち44.9%が経営者・役員本人でした。小さな会社の新規事業×生成AIは、組織的な取り組みである以前に「社長がやるかどうか」の問題である様子がうかがえます。

結果4: 「45歳の壁」——利用率は45歳を境に下がり、55歳以上の一般社員では39.5%まで低下

年齢帯別の週1回以上利用率(関与者内)は、25〜34歳77.3%(n=427)・35〜44歳75.6%(n=937)とほぼ同水準の高さを保ったあと、45〜54歳で66.7%(n=1,585)、55歳以上で59.0%(n=1,845)へと段階的に下がります。この年齢差は役職を揃えても消えず、55歳以上の一般社員では39.5%(n=200)と、全体で最も低い水準でした。

年齢帯別の生成AI週1回以上利用率: 45歳を境に低下し55歳以上は59.0%(新規事業関与者)
図: 年齢帯別の週1回以上利用率(関与者内)

結果5: 女性のねじれ——入口は狭いが、入った女性は男性より使っている

新規事業への関与率は男性24.7%(n=16,443)に対し女性20.5%(n=3,557)と、入口の段階で差があります。ところが関与した女性(729人)の利用は男性を上回ります——週1回以上72.6%(男性65.3%)、ほぼ毎日41.4%(男性32.2%)、不使用は10.7%(男性16.0%)。機会の差と活用の差が逆向きという、ねじれの構造です。

結果6: 入口は中堅企業、使い込みは大企業——業種では情報通信78.9%と医療・福祉52.9%で26ポイント差

企業規模別の関与率は「中膨れ」——49名以下19.3%から300〜999名の30.4%まで上がり、5,000名以上では21.6%に下がります。一方、関与者の「ほぼ毎日」率は規模に対して単調に上がり、49名以下23.3%→5,000名以上45.5%。新規事業への入口が最も開いているのは中堅企業、入った後の使い込みが最も深いのは大企業という分業です。

企業規模別: 新規事業への関与率は300〜999名がピーク30.4%、関与者の毎日利用率は5,000名以上が最高45.5%
図: 企業規模別の関与率と毎日利用率
業種(母数400名以上のみ)新規事業関与率関与者の週1以上利用
情報通信業(母n=1,985)26.2%78.9%
金融・証券・保険業(母n=1,373)24.9%74.0%
製造業(母n=5,161)24.8%69.7%
教育業(母n=548)25.2%69.6%
サービス業(母n=2,545)24.2%67.0%
運送・輸送業(母n=1,622)13.3%64.4%
建設業(母n=1,601)24.4%60.4%
不動産業(母n=861)33.9%60.3%
商社・卸売り・小売業(母n=2,036)24.0%58.0%
医療・福祉(母n=1,212)21.2%52.9%

分析: 数字のあいだにある関係

ここまでは属性ごとの集計でした。本節では回答を掛け合わせ、数字のあいだにある関係を見ます(いずれも関連の観察であり、因果関係の証明ではありません)。

分析1: 役職勾配の主因は「関与の深さ」——年齢を揃えても消えない

役職別の利用率差(結果2)を分解すると、最も強く効いているのは「責任者として関わっているか」でした(責任者78.5% vs メンバー57.7%)。同じ年齢帯の中で比べても役職勾配は残り、たとえば45〜54歳では一般社員51.7%→部長78.6%。年齢の高さは利用率を下げる方向に働くのに、それでも上位役職ほど高い——勾配は年齢の見かけではなく、関与の深さと結びついた実態と考えられます。

分析2: 経営者の二極化は「年齢×企業規模」の重なり

使わない経営者(189人)は55歳以上(79.4%)と49名以下企業(74.6%)に強く重なって分布し、若い経営者・大企業の経営者にはほとんど見られません(35〜44歳の不使用8.3%、5,000名以上では1.8%・n=55)。二極化の正体は「経営者という役職」ではなく、年齢と会社規模という2つの環境要因の重なりに関連が見られました。

分析3: 「入口」と「使い込み」は別の力学で動く

企業規模に対して、新規事業への関与率(入口)は中堅ピークの山型、関与者の毎日利用率(使い込み)は単調な右肩上がりと、同じ軸の上で逆の形を描きました(結果6)。女性のねじれ(結果5)も同型で、入口の広さと使い込みの深さは別の要因で決まっている関連がうかがえます。

考察: 使える人は増えた。では、なぜ決まらないのか

ここまでの結果と分析から、次の構造が見えてきます。

  1. 新規事業の現場で生成AIは既に日常の道具になっている(3人に1人がほぼ毎日)。しかも最も使っているのは、決裁に近い層——部長クラス(週1以上75.7%)と責任者(同78.5%)である
  2. つまり多くの組織で、決裁する側自身が「生成AIを使えば企画は速く作れる」ことを体験として知っている。企画を出す側への期待値は、上がりこそすれ下がらない
  3. 一方で、手を動かす一般社員層の利用は最も薄く(週1以上55.4%)、45歳の壁や経営者の二極化も残る。「作れる人」の増加に、組織全体の足並みは揃っていない
  4. 企画が速く量産できるようになった組織で、それを検証し意思決定する側は追いつけているのか——この問いを正面から測る第2弾「生成AI時代の新規事業開発 実態調査」を現在実施中です。結果は調査レポート一覧で近日公開します

(考察は、調査結果と分析に基づく当社の解釈です)

設問別 全データ(設問文つき)

本調査の設問文・選択肢・回答分布をすべて公開します。テキストの表で掲載しているのは、検証可能性のため——そして機械(検索エンジン・AI)にも読める一次資料であるためです。単一回答の表は合計100%(四捨五入で±0.1ptの誤差が出る場合があります)。

S1: 直近3年の新規事業への関与——関与計24.0%

設問: あなたは直近3年間で、お勤め先の新規事業の検討・推進に関わりましたか。(単一回答・n=20,000)

選択肢回答率
責任者として関わった10.1%(2,016人)
メンバーとして関わった13.9%(2,778人)
関わっていない76.0%(15,206人)

S2: 新規事業業務での生成AI利用頻度——関与者の週1以上は66.4%

設問: 新規事業に関する業務で、生成AI(ChatGPT等)をどのくらい使っていますか。(単一回答)

選択肢関与者(n=4,794)全体(n=20,000・参考)
ほぼ毎日33.6%14.7%
週に数回32.9%17.0%
月に数回18.4%12.7%
ほとんど・全く使わない15.2%55.6%

※本文の分析は関与者(n=4,794)の回答を用いています。新規事業に関わっていない回答者の数値は、設問文の解釈が回答者により分かれる可能性があるため参考値としてください。

S3: 従業員規模

選択肢(n=20,000)構成比規模内の新規事業関与率
49名以下21.8%19.3%
50〜299名22.4%24.5%
300〜999名17.2%30.4%
1,000〜4,999名17.9%25.6%
5,000名以上20.7%21.6%

S4: 所属部門——関与者では4部門がほぼ均等になる

選択肢全体(n=20,000)関与者内(n=4,794)
新規事業開発・事業開発6.2%21.4%
経営企画8.5%22.0%
DX推進・デジタル戦略8.3%22.7%
その他の部門77.0%33.8%

S5: 役職

選択肢(n=20,000)構成比役職内の新規事業関与率
経営者・役員7.2%49.2%
部長クラス12.9%49.7%
課長クラス18.1%34.3%
係長・主任クラス18.5%22.3%
一般社員43.3%8.5%

調査主体について

株式会社ARCHECOは、UX/UIデザインを基盤に、生成AI導入支援・AIエージェント開発・新規事業開発支援を提供するデザインコンサルティングファームです。本調査は、新規事業支援の現場で継続的に観察してきた課題意識をもとに企画・実施しました。事業内容は新規事業支援・MVP/PoC開発のサービスページをご覧ください。

メディア・取材のお問い合わせ

未公開のクロス集計(役職×年齢×規模など)、単純集計表のご提供、取材・コメント対応が可能です。お問い合わせフォームより「調査レポートの件」とお書き添えのうえご連絡ください。本調査は継続実施を予定しています。公開中の調査は調査レポート一覧をご覧ください。