こんにちは、Archeco学生インターンの湯原です!
前回の「企画編」では、ワークショップをどのように企画し、
社内の皆さんと一緒に準備してきたかをお伝えしました!

そして、ついに迎えた当日――
DePaul大学の学生たちがオフィスに到着し、緊張とワクワクが入り混じるなか、ワークショップがスタートしました!

今回はそのワークショップ編として、
学生たちがどのようにAIツールを使いながらUX/UIデザインを磨き上げていったのか、
実際の様子や、そこから生まれた気づきをご紹介します

AIツールを活用したUX/UIデザインの探求

まず最初に取り組んだのは、AIツールの体験セッション!
UIZARDやChatGPTといったツールを使い、AI時代のプロトタイピングやデザイン改善に挑戦してもらいました。
実は、DePaulの学生たちにとってこうしたツールを使ったデザインプロセスはほぼ未経験。

特にUIZARDについては「そもそも存在を知らなかった!」という学生がほとんどで、
たった300文字程度のプロンプトを入力し、数秒待つだけでワイヤーフレームが生成される様子に
「うそでしょ…!?」と驚きの声が上がっていました!

もちろん、彼らが事前に自分たちの手で作成してきたワイヤーフレームに比べると、
まだまだ改善の余地はありましたが、
10分の1ほどの時間である程度のクオリティのワイヤーフレームができるツールの存在に、
「効率化」と「人の介在」のバランスをどう取るか、という新たな問いが生まれていました。

ちなみに、大学の授業ではAIツールを使ったデザイン支援やフィードバックの仕組みは全く触れられていないそうで、
この体験自体が「AIがデザインにどう使えるのか?」という視野を広げる機会になったようです!

特に印象的だったのは:


   AIの出力を「完成形」とせず、そこからさらに考え抜いて改善していく姿勢
   「効率化」の先にある「誰のためのデザインなのか」を問い続ける対話

学生たちは自分たちが事前に描いたワイヤーフレームと、AIが自動生成したワイヤーフレームを並べて比較し、
「この部分は自分たちのほうがいいけど、ここはAIのほうがシンプルで分かりやすいね」
と両方の良いところ取りをして、最終的な形を作り上げていったプロセスは、まさに人とAIが共創するUXデザインの体現でした!

さらに、ChatGPTに自分たちのワイヤーフレームとAI生成ワイヤーフレームを見比べてもらい、
「どちらがよりUX視点で優れているか?」という採点や改善アイデアまで壁打ちする場面もありました。

最初は「AI=ズル」「環境破壊につながる」といったイメージを持っていた学生も、
実際に使ってみることで
「使い方次第で視野を広げてくれる便利なツールなんだ」という新しい印象を持ち始めていたようでした

熱意あふれるディスカッション

AIツールを触った後に待っていたのは、チームでのワイヤーフレームの編集タイムです!

ここでは単に「AIが作ったものを少し調整する」だけでは終わらず、
   「ユーザー目線で本当にこれでいいのか?」を徹底的に考え直す時間となりました。
   「このボタン、AIが提案しているけど、本当にユーザーが一目で機能を理解できるかな?」
   「この配色、視覚的にわかりやすいけど、色覚に配慮できている?」
   「デザインとしてはきれいだけど、初心者ユーザーが迷わないかな?」

学生たちは細かなUI要素一つひとつに対して、
「本当にユーザーのためになっているか?」を問い続け、
時には自分たちの意見や好みにこだわりすぎそうになる場面でも、
グループメンバーからの指摘や気づきをきっかけに、柔軟に考え直す姿が見られました。

中には、議論があまりに白熱して、まるでケンカのような雰囲気になってしまったグループも…
「それ絶対ダメでしょ!」「いや、こっちの方が絶対ユーザーに優しいって!」
といった声が飛び交い、互いに譲らないシーンもありましたが、
その裏には、それだけ“より良いUXを本気で考えていた”という熱意がありました!

私たち運営側も、その真剣さとエネルギーに驚かされっぱなしでした。
学生たちは単なる作業分担ではなく、
   「それ、なんでそうしたの?」
   「自分ならこうするかも!」と互いに問いかけ合いながら、
より良い最終形態を目指して全員で作り上げていく、そんな濃密な時間となっていました。

こうして、AIが生み出した初期案に対して、
人間らしい視点から細部を磨き上げ、使いやすさと想いがこもったデザインに昇華させていきました!

手で描くワイヤーフレーム × AI生成

今回のワークショップでは、単にAIツールを使うだけでなく、
「まず人の手で考え抜く」→「AIで補完する」という流れも重視しました。

まずは自分たちの考えを言語化して形にし、そのあとにAIで自動生成させてみることで、
   「自分たちの考えがどこまで合っていたのか?」
   「AIはどこを補ってくれるのか?」
を見比べ、新しい発見や改善点を探しました

ここでも、学生たちは自分たちの主観や完成度にこだわりすぎることなく、
「どうすればユーザーにとってより良い体験になるか?」を議論の中心に据えて、
最後のワイヤーフレームを仕上げていったのがとても印象的でした。

まとめ:AI時代のデザインに向き合うために

今回のワークショップでは、
AIツールの便利さだけでなく、「人間として最後まで考え抜く力」の大切さも体感してもらえたと思います!
AIが進化する時代だからこそ、「考えること」「問い続けること」「対話すること」が、
UX/UIデザインではますます重要になっていくのかもしれません!

次回の「ディスカッション編」では、
このワークショップを経た学生たちと
「これからのUXデザイナーの役割って何だろう?」をさらに深掘りしていきます!
ぜひ、そちらもお楽しみに!