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2025.9.19.FRI

なぜその事業をウチがやらないといけないの?

大企業に潜む4つの呪い

新規事業に挑戦したとき、上司から返ってくる「呪いの言葉」。
「うちの強み活かしてないよね」「今の顧客が求めてない」「それ、うちじゃなくてもよくない?」「うちっぽくない」

JTC代表・山田さんの「しくじり先生」シリーズ。
挑戦の芽を摘む4つの呪いの構造を解き明かします。

「うちの強み活かしてないよね」「今の顧客が求めてない」「それ、うちじゃなくてもよくない?」「うちっぽくない」──JTC所属の山田さんが実際に集めた大企業のリアル失敗談から、4つの呪いを紹介します。

呪い1「うちの強み活かしてないよね」

まず「うちの強み活かしてないよね」の呪い。
大企業では自社アセットの活用が暗黙の前提になりがちですが、本当に市場が求めているものと自社の強みが一致するとは限りません。
にもかかわらず「自社の強みありき」で企画を縛ってしまうことで、ビジネスチャンスを逃している。
人材・販売網・信頼といった組織資産も含め、「拡張可能な強み」として再定義することが必要です。

呪い2「今の顧客が求めてない」

次に「今の顧客が求めてない」の呪い。

大手保険会社・30代男性の実話。
ミレニアル世代向けの「生活習慣改善×ゲーミフィケーション」サービスを企画したところ、「今のお客さんが求めているとは思えない」と一蹴された。

既存顧客の声だけを聞いていては、新しい市場は見えてきません。イノベーションのジレンマそのものですが、大企業では既存顧客との関係性が強いため、この呪いから逃れるのが特に困難です。

呪い3「うちじゃなくてもよくない?」

「うちじゃなくてもよくない?」は最も厄介な呪い。

総合商社・20代女性の実話。
海外教育市場向けのEdTechプラットフォームを、現地パートナーも収益モデルも揃えて提案した。返ってきたのは「ビジネスとしては筋がいいかも。でも他社でもできるよね」。

新規事業の初期段階では「なぜ自社がやるのか」の答えが明確でないことが多いかもしれません。しかし、やってみなければ自社ならではの価値は見つからない。
この「やる前に正解を求める」文化が、挑戦の芽を摘んでしまうのです。

呪い4「うちっぽくない」

大手食品メーカー・20代女性の実話。
食品廃棄を活用したアップサイクル事業を提案したところ、「うちは食べ物を売る会社だから」と返された。

4つの中で最も曖昧で、最もダメージが大きい呪いです。
「うちっぽさ」に明確な定義はなく、個人の感覚で蓋をされてしまう。食品会社だからこそ環境課題に取り組む社会的インパクトがある、という視点はそこにありません。
教訓は「事業の周辺にこそ、未来の中核事業の種がある」ということです。

大企業の「らしさ」とは何か?新規事業はなぜ狭い定義に縛られてしまうのか?呪いの構造を理解することが、呪いを解く第一歩になります。

ARC channel

アークチャンネルは、新規事業開発の実践者たちが好き勝手喋るVTRの内容を、スタートアップスタジオの先輩社員の神谷と、大学生インターンの五十嵐がゆるく、まじめに掘り下げていくトーク番組です。\n\n・大企業特有の「新規事業の闇」\n・スタートアップの人材採用や育成の舞台裏\n・AI時代ならではの企画ノウハウ\nなど、『そこまで言っていいんかい!』な新規事業のリアルに切り込みます。