2020.11.17 火曜日

COVID-19対策 “濃厚接触なしでチームパフォーマンスを発揮できるのか検証してみた“

Hiroki KumazawaHiroki Kumazawa
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世界中に広がるCOVID-19(新型コロナウイルス)が猛威を奮っている。日本でも多くの感染者が確認され、緊急事態宣言が発令されることとなり、日本全国に影響を及ぼすこととなってしまった。まだ現在でも第二波、第三波と続いている状況の中、一切の油断はできない状態だ。経済や産業、日常生活においてもインパクトは計り知れない。政府の対策要請の一つとして濃厚接触を避けるため自粛を要請され、企業側もテレワークを推奨されている。

そんな中、ARCHECOでも4月からテレワークの運用を実施し始めることにした。
しかし、我々としてはコミュニケーションを重視する業種でもあり、どうしても不安要素の多い取り組みになる。ARCHECOはオフショア開発の体制も整えているため、パートナー企業である開発会社(BJIT)とのコミュニケーションにおいてもリモートで実施しているが、マネジメントにおける課題感や効率化を図る上で、リモートワークの運用を実施した際の課題感や効率化においても上手くマネジメントすることができるのか、濃厚接触を無くしてチームパフォーマンスを発揮することができるのかどうかを分析してみることにした。

対面でのコミュニケーションが一切遮断された環境の中で、我々人間はどのように順応し、変化していくのか。これらを我々は接触型コミュニケーションと非接触型コミュニケーションという軸に置き換え、それぞれの特徴を分析することにした。その実施したプロセスを下記に記す。

検証プロセス

【検証対象とするチームの特徴を定義する】

今回は我々ARCHECOのワークフローをベースに検証する。

【 検証プロセス 】

  1. 接触型コミュニケーションと非接触型コミュニケーションにおける体験の違いを比較するためジャーニーマップを作成
  2. ジャーニーマップを元に、特にチームパフォーマンスへの影響・関連度の高いパラメータ要素の特徴量を明確化し分類をおこなう
  3. パラメータを分類し、 5段階の指標でパフォーマンスに影響した度合いを評価する
  4. 接触型・非接触型コミュニケーションにおけるパフォーマンスの度合いをそれぞれ比較する
  5. 総括

 

1. 接触型コミュニケーションのジャーニーマップを作成

まず初めに、接触型コミュニケーションのジャーニーマップを作成する。

接触型コミュニケーションとは、基本的なコミュニケーションは対面をベースにおこない、コミュニケーションツール(slackやgoogle docsなど)を活用しながらプロジェクトを進捗させる。また、アウトプットのクオリティを担保するために、対面でのコミュニケーションをベースにおこなうことを示す。

 

【接触型コミュニケーションにおけるワークフロー:チームリーダー(朝)】

【接触型コミュニケーションにおけるワークフロー:チームリーダー(昼)】

【接触型コミュニケーションにおけるワークフロー:チームリーダー(夕・夜)】

 

2.チームパフォーマンスへの影響・関連度の高いパラメータ要素抽出及び特徴量の明確化

次に、パフォーマンスへ影響・関連度の高いパラメータ要素を抽出する。

 

【接触型コミュニケーションにおけるワークフロー:チームリーダー(朝)】

【接触型コミュニケーションにおけるワークフロー:チームリーダー(昼)】

【接触型コミュニケーションにおけるワークフロー:チームリーダー(夕・夜)】

類似する要素はグルーピング化してまとめる。

 

【チームに関連するパラメーター 】

 

【個人に関連するパラメーター 】

 

次に、類似する要素をグルーピング化し、それぞれのパラメーターに対して更にチーム/個人のパフォーマンスの側面と個人のモチベーションとで分類する。

 

3.パラメータを分類し、 5段階の指標でパフォーマンスに影響した度合いを評価する

類似する要素をグルーピング化し、それぞれのパラメーターに対して5段階の指標でパフォーマンスに影響した度合いを評価する。

 

【チームのパフォーマンス】

”分析した見解”
チームのパフォーマンスにおいては、対接触型コミュニケーションにおいてマネジメントに対するパフォーマンスが高い傾向に見られ、直接的な指示や流動的な対応によってリーダーとの関係性も深められる。また、チームメンバー全員と顔を合わせることで、チームとしての情報共有が行き渡る。結果としてパフォーマンスは高い傾向に見られた。

 

【個人のパフォーマンス】

”分析した見解”
個人の業務へのパフォーマンスはマネジメントや移動時間の縛りがきっかけとなり、自分のタスクにおいてはパフォーマンスが悪い。自分の時間を割き、結果的に自分のタスクが圧迫し、自身のアウトプットやパフォーマンスの品質が落ちてしまう懸念点が考えられる。
また、顧客との関係性においては対面でのコミュニケーションにより、顧客の些細な反応も見て取れるため、チームメンバーへのフィードバックも細かいニュアンスまで伝えることができる。

 

”分析した見解”
満足度においては、作業のボリューム感や時間に対するタイムマネジメントがきっかけとなり、肉体的な負担は大きい。自分の時間を犠牲にし、対チームメンバーやクライアントへのコミュニケーションにコミットするため、チームとしての評価及びアウトプットの制度は高く、チームとしての貢献度を評価されるため、モチベーションは維持できる。他のチームとの係る時間がないため、横断的な関係性の構築は取れていない。

 

3-1.非接触型コミュニケーションのジャーニーマップを作成

接触型コミュニケーションと比較するため今回テーマにもなっているテレワークによる非接触型コミュニケーションにおいてのジャーニーマップを作成する。
基本的なコミュニケーションを全てオンラインでおこない、テレビ会議ツール(Skypeやzoom、googleハングアウトなど)やコミュニケーションツール(slackやgoogle docsなど)を活用しながらプロジェクトを進捗させ、アウトプットのクオリティにおいても非対面でのコミュニケーションをベースにおこなうことを示す。

 

【非接触型コミュニケーションにおけるワークフロー:チームリーダー(朝)】

【非接触型コミュニケーションにおけるワークフロー:チームリーダー(昼)】

【非接触型コミュニケーションにおけるワークフロー:チームリーダー(夕・夜)】

 

3-2.チームパフォーマンスへの影響・関連度の高いパラメータ要素抽出及び特徴量の明確化

パフォーマンスへ影響・関連度の高いパラメータ要素を抽出する。

 

【非接触型コミュニケーションにおけるワークフロー:チームリーダー(朝)】

【非接触型コミュニケーションにおけるワークフロー:チームリーダー(昼)】

【非接触型コミュニケーションにおけるワークフロー:チームリーダー(夕・夜)】

 

類似する要素はグルーピング化してまとめる。【チームに関連するパラメーター 】

 

 

類似する要素はグルーピング化してまとめる。【個人に関連するパラメーター 】

 

類似する要素をグルーピング化し、それぞれのパラメーターに対して更にチーム/個人のパフォーマンスの側面と個人のモチベーションとで分類する。

 

3-3.パラメータを分類し、 5段階の指標でパフォーマンスに影響した度合いを評価する

類似する要素をグルーピング化し、それぞれのパラメーターに対して5段階の指標でパフォーマンスに影響した度合いを評価する。

 

【チームのパフォーマンス】

”分析した見解”
テレワークにおいてチームの全体的なパフォーマンスは接触型のコミュニケーションには劣るが、定期的なコミュニケーションの設定により、パフォーマンスには影響しないと見受けられる。また、スケジュールのプランニングなどは非常に効率が良い。リーダーレベルの担当者に対する余裕が出る分、自身のアウトプットのクオリティーも向上できると考えられる。

 

【個人のパフォーマンス】

”分析した見解”
個人のパフォーマンスにおいては、接触型のコミュニケーションに比べ、圧倒的に時間に対する制約が少なくなる。明確にスケジュールのプランニングができていることによって作業に対する集中力も高い。一方で、その分業務を詰め込み過ぎてしまい、精神的なストレスの負担も大きくなってしまう。自身のアウトプットにかける時間が担保できるためクオリティーも向上することができると考えられる。

 

【満足度】

”分析した見解”
テレワークに対する満足度では、チームの貢献度合いを横断的に評価しやすくなるため、フィードバックを得られやすい。貢献度合いの制度にもよるが、アウトプットのクオリティーが高くなる前提では、毎日他チームと横断的に評価をする時間が設けられるため、
満足度が高い。個人のパフォーマンスにも影響するが、精神的な疲労感は大きくなるため、
こまめに頭を休めるためにリフレッシュタイムが必要と考えられる。

 

4.接触型・非接触型コミュニケーションにおけるパフォーマンスの度合いをそれぞれ比較する

ここまでで、接触型・非接触型のそれぞれの評価抽出が終わったので、ここからそれぞれのコミュニケーションにおけるパフォーマンスの度合いを比較する。
まずは、接触型コミュニケーションにおける【チームのパフォーマンス】【個人のパフォーマンス】【満足度】の分析結果を比較する。

”比較”
接触型コミュニケーションにおいては、マネジメントに対するパフォーマンスが高い傾向に見られ、直接的な指示や流動的な対応によってリーダーとの関係性も深められるため、結果としてアウトプットの品質も含めパフォーマンスは高い傾向に見られた。また、チームとしての満足度は高くモチベーションは担保できる。一方で、マネジメントする立場としては、自身の時間を割き圧迫してしまうため、自身のタスクにおけるパフォーマンスは落ちてしまう懸念点が考えられる。外部チームとの連携においても、コミュニケーションを取る時間が少なくなってしまうため、横断的な関係性の構築には課題が残る

 

次に、非接触型コミュニケーションにおける【チームのパフォーマンス】【個人のパフォーマンス】【満足度】の分析結果を比較する。

”比較”
非接触型コミュニケーションにおいては、全体的なパフォーマンスは接触型のコミュニケーションには劣るが、定期的なコミュニケーションの設定により、パフォーマンスには影響しない。スケジュールのプランニングなどは非常に効率が良く、時間に対する余裕ができる。そのため、マネジメントする立場においても、集中力が上がり、自身のアウトプットのクオリティーやパフォーマンスが高い。一方で、その分業務を詰め込み過ぎてしまい、精神的なストレスの負担も大きくなってしまうことが懸念される横断的なチームとの関わりも定期的におこなえるため、評価をしあえる環境においては満足度も高いと見受けられる。

 

5.総括

接触型コミュニケーション・非接触型コミュニケーションにおける分析結果のとPROS & CONSと結論。

【接触型コミュニケーションにおける分析結果においての洞察した結論】

接触型コミュニケーションにおいては、マネジメントに対するパフォーマンスが高い傾向に見られ、直接的な指示や流動的な対応によってリーダーとの関係性も深められるため、結果としてアウトプットの品質も含めパフォーマンスは高い傾向に見られた。また、チームとしての満足度は高くモチベーションは担保できる。一方で、マネジメントする立場としては、自身の時間を割き圧迫してしまうため、自身のタスクにおけるパフォーマンスは落ちてしまう懸念点が考えられる。外部チームとの連携においても、コミュニケーションを取る時間が少なくなってしまうため、横断的な関係性の構築には課題が残る

PROS

  1. マネジメントに対するパフォーマンスが高い
  2. 直接的な指示や流動的な対応によってリーダーとの関係性も深められている
  3. アウトプットの品質も含めパフォーマンスは高い
  4. チームとしての満足度は高くモチベーションを担保できる

 

CONS

  1. マネジメントする立場としては、自身の時間を割き圧迫してしまう
  2. 自身のタスクにおけるパフォーマンスは落ちてしまう
  3. 外部のチームとの連携においても、コミュニケーションをとる時間が少なくなってしまうため、横断的な関係性の構築には課題がある

 

【非接触型コミュニケーションにおける分析結果においての洞察した結論】

非接触型コミュニケーションにおいては、全体的なパフォーマンスは接触型のコミュニケーションには劣るが、定期的なコミュニケーションの設定により、パフォーマンスには影響しない。スケジュールのプランニングなどは非常に効率が良く、時間に対する余裕ができる。そのため、マネジメントする立場においても、集中力が上がり、自身のアウトプットのクオリティーやパフォーマンスが高い。一方で、その分業務を詰め込み過ぎてしまい、精神的なストレスの負担も大きくなってしまうことが懸念される横断的なチームとの関わりも定期的におこなえるため、評価をしあえる環境においては満足度も高いと見受けられる

PROS

  1. スケジュールのプランニングなどは非常に効率が良く、時間に対する余裕ができる
  2. 集中力が上がり、自身のアウトプットにのクオリティーやパフォーマンスが高い
  3. 横断的なチームとの関わりも定期的に行え、評価しあえる環境は満足度が高い

 

CONS

  1. 全体的なパフォーマンスは接触型のコミュニケーションに劣る
  2. 自身の業務や打ち合わせを詰め込み過ぎてしまう
  3. 精神的なストレスの負担が大きくなってしまう

 

今回はテレワークにおける接触型コミュニケーションと非接触型コミュニケーションという切り口で分析をおこなったが、テレワークにおけるユースケースから、あらゆる視点で課題や価値を抽出することができそうだということが分かった。本記事では一部ではあるが、アルチェコが実際におこなっている業務フローに基づいて分析したものになる。会社の方針として良い点悪い点が可視化されてとても良い取り組みになったと思う。
次回はそれぞれのコミュニケーションにおいてPROS/CONSがある中、よりテレワークに最適化されたソリューションは何かを抽出するワークショップを実施してみたいと思っている。