構造化シナリオを学ぶ
今回はHCDの中でも、構造化シナリオを学んでいきました。
■構造化シナリオとは?
構造化シナリオ法は、ユーザーの本質的要求価値・ペルソナ・ビジネスをもとに、シナリオの抽象度のレベルを変えながら、具体的にブレイクダウンをしながらシナリオライティングしていくデザイン手法です。
提供する体験価値→行動・心理→UIと徐々に具体性を上げながら思考することで、提供したい体験価値からブレないUIを作ることができます。
■Teamクラシル VS Teamクックパッド
今回のHCDサークルではチームに別れてワークショップで構造化シナリオを学びました。
チームクックパッドとチームクラシルに分かれ、サービスごとのペルソナをもとに、ユーザ体験の分析をおこなった。本ワークショップ においては、アプリが提供する体験価値の抽出から、価値を向上させるためのソリューションを定義し、改修を目的とする。
競合であるクックパッドとクラシルに対し、どちらのチームがより良いサービスへと導けるのか、それをバトル。
ワークショップの流れ
第一回目の授業では、構造化シナリオにおけるバリューシナリオを作成
①各チームにおけるサービス内容とペルソナ
クックパッド
【ペルソナ】
年齢:30代
性別:女性
職種: 専業主婦
特徴;料理好き
思考:料理のレパートリーを増やしたい / アレンジを加えたレシピを楽しみたい
クラシル
【ペルソナ】
年齢:20代
性別:男性
職種: 会社員
特徴;ひとり暮らし、 料理初心者、不器用
思考:健康と節約のために自炊をしたい
■KA法を使い、ユーザーがサービスを通じて得られる本質的な価値を抽出
KA法とは?
KA法は、ユーザー調査で得られた定性的な情報から、ペルソナが求めている本質的ニーズや体験価値を導き出す手法である。デプスインタビューなどを通じて得られた発言から特徴的な出来事を複数抽出し、その出来事一つ一つに含まれる価値の翻訳をおこなう。人々の日常的なおこないと、その背景にある価値の構造を視覚化することができるため、体験価値の全体像を把握しやすくなるとともに、価値の共有もしやすくなる。
KA法を使う目的
- 日常的におこおこなっている行動に関する調査結果から、背景に潜む価値を導き出す
- 行動に紐付いた体験価値を可視化し、デザインに落とし込む
- 構造化によって導き出した体験価値を可視化し、、チーム間での共通認識を持つ
今回の授業ではKA法をアレンジして体験価値を抽出
体験エピソードの抽出(KA法の応用)
ペルソナをもとに、体験エピソードの仮説を立てます
書き方ポイント:ペルソナがアプリを使用する瞬間とその前後を想定した体験エピソードを考える
1.体験エピソードの抽出
ペルソナになりきり、体験エピソードを作成
体験エピソードの抽出
※ペルソナがアプリを使用する瞬間とその前後を想定し、時系列で体験エピソードを考える
2.抽出された体験に潜む価値
体験エピソードから価値を抽出
Point:価値には「〜する価値」と書くことで価値要素がわかりやすくなる
3.価値要素をグルーピング
体験エピソードをもとに抽出された価値要素をもとにグルーピングをおこなう
チームクラシル-チームクックパッド
4.価値の選定
グルーピングした価値にラベルを付け、最も優先度の高い価値を選定
チームクラシル-チームクックパッド
※イメージ(ラベル)
※イメージ(選定結果)
チームクラシル結果
クラシルチームは
「簡単かつ、栄養バランスの取れた献立をまとめて考えられる価値」
に選定しました。
クラシルチームのよかったところ
- クラシルの機能を深く理解した上で、想定する体験を深堀りできていた
- 他のサービスとの差別化を意識して、価値の選定をしていた
- サービス視点で提供したい価値を捉えていた
チームクックパッド結果
クックパッドチームは
「普段の料理にアレンジする為の新しい発想がもらえる価値」
に選定しました。
・体験を網羅的に洗い出して体系的に価値を整理している
・体験エピソードを洗い出すときに、5W1Hを意識していた
・価値の選定をする時にピューメゾッドの評価手法を取りれ、メンバー全員の意見で価値を
選定していた
・ペルソナを更に具体化して、体験を想像しやすくしていた
今回の授業ではここまでをつくりました。
次回はアクティビティシナリオとインタラクションシナリオを授業で作っていきます。